PoE デスクトップ・コンピューティングの DC 抵抗アンバランス・テスト|フルーク・ネットワークス

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PoE の次なる大きな一歩

マーク・マリンズ

待ち望まれた高い電力レベルの PoE が業界で大きな話題になっています。タイプ 3 およびタイプ 4 を含む PoE の 802.3bt 規格が来年初めに承認される見通しとなっており、AC 電源接続を必要としない PoE 対応デバイスが今後ますます増加することが予測されます。

だいぶ以前から、コンピューターはすべてのオフィス、すべてのデスクで最も重要なデバイスとして使用されています。PoE は、PoE コンピューティングという次の大きな段階に進んでいます。これまで、オフィスのすべてのデスクや個人用オフィスには、デスクトップ・コンピューター用のコンセントが取り付けられてきましたが、こここで言うPoE コンピューティングは、シン・クライアントやタブレットではなく、実際のデスクトップ・コンピューターに電力を供給します。

PoE デスクトップ・コンピューティングの DC 抵抗アンバランス

電力レベルについて

近く標準化される 802.3bt 規格(タイプ 3 PoE)では、最大 60W の DC 電力を送信でき、デバイスではそのうち 51W を使用できます。タイプ 4 は、最大 90W の DC 電力を送信し、デバイスではそのうち 71W を使用できます。最大 30W を送信し、デバイス側で 25.5W を使用できる現行のタイプ 2 PoE (IEEE 802.3at) は、ある程度の PoE コンピューティング機能を提供しますが、その利用は、処理能力やアプリケーションに制限のある非常に小さなデバイスに限られています。

タイプ 3 およびタイプ 4 PoE によって供給される高電力、および少ない消費エネルギーでより強力な機能を提供するコンピューター・プロセッサーの登場により、PoE を活用したデスクトップ・コンピューターへの給電が可能になりました。また、LED スクリーン技術の向上により、これらコンピューターで高解像度の大画面(20 インチ以上)を使用することもできます。タッチ・スクリーン・コンピューター、またはキーボードやマウスなどの一般的な周辺機器を使用したこれらのコンピューターは、高解像度ビデオ、および Windows® 最新バージョンと Microsoft® Office スイートを実行できる強力な機能を提供します。さらに、PoE コンピューターはエネルギー効率に非常に優れており、消費電力が同等のデスクトップ・コンピューターの約半分に低減されます。

Cisco の UPOE を使用して 60W PoE で動作するデスクトップ・コンピューターが既に利用されていますが、タイプ 3 およびタイプ 4 が来年承認されると、より高速かつ強力な PoE デスクトップ・コンピューターが市場に登場します。90W の電力供給が可能なタイプ 4 の PoE により、マルチ画面の PoE コンピューティング・システムと最大 46 インチの大画面の使用が可能になります。

Versiv キット・コンフィギュレータ

Versiv をどのように使用しますか?

4 ペアすべてを使用

デスクトップ・コンピューターに使用されるタイプ 3 およびタイプ 4 PoE は、4 ペアすべてを介してデータと同時に電力を送信します。これは、ペア内の各導体間で電流を均一に分割するコモン・モード電圧を印加することで実現されます。ペアに電力を均一に分割するには、各導体の DC 抵抗が等しく、バランスが確保されていなければなりません。2 本の導体間の抵抗差は DC 抵抗アンバランスと呼ばれ、この発生を抑える必要があります。

PoE デバイスはある程度の DC 抵抗アンバランスに耐えることができますが、アンバランスが大きすぎるとトランスフォーマーが飽和を起こし、イーサネット・データ信号の歪みが発生する可能性があります。これは、デスクトップ・コンピューターにとって重大な問題です。また、4 ペアのタイプ 3 およびタイプ 4 PoE システムにおいては、問題となるのは各ペアの DC 抵抗アンバランスだけではありません。複数のペア間で過度の DC 抵抗アンバランスが発生すると、PoE が機能しなくなる可能性があります。

信頼できるメーカーの高品質ケーブルを使用し、一貫した終端処理を適切に行うことによって、過度の DC 抵抗アンバランスを防ぐことができますが、PoE デスクトップ・コンピューティングの性能に与える影響が非常に大きいため、テストを行って確認することが推奨されます。業界規格では、1 ペアの導体間の最大 DC 抵抗アンバランスを 3% に規定しています。また、近く標準化される IEEE 802.3bt 規格でも、2 ペア間の DC 抵抗アンバランスを 2 ペアの総並列抵抗の 7% 以下に抑えることが要求されます。

PoE デスクトップ・コンピューティングの到来は、低電圧接続による安全性の向上、コストとエネルギーの節約、より迅速な展開、柔軟性の向上、停電時もコンピューターの稼働を維持できるネットワーク UPS システムの能力向上など、非常に大きな利点をもたらします。メタル線ケーブル認証テスターの DSX ケーブルアナライザー™ シリーズを使用して、ペア内およびペア間の DC 抵抗アンバランスをテストすることで、PoE デスクトップ・コンピューターが良好に機能することを確認できます。


 
 
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