産業用イーサネット CableAnalyzer™ キット (DSX2-5-IE-K1)

ISO/IEC 11801-3および ANSI/TIA-1005-A は、産業施設向けの電気通信インフラストラクチャの規格です。これらの規格は、過酷な産業環境における問題を軽減するために作成されました。この規格では、MICE という用語を使用して、産業用ネットワークに影響を与える 4 つの重要な要因について説明しています。

(M) 機械的： 振動、物理的衝撃、乱暴な取り扱い

(I) 侵入: 化学薬品と水、特に洗浄環境で

(C) 気候： 工業プロセスで見られる極端な温度

(E) 電磁: モーター、VFD、溶接プロセスなどからのノイズ

この規格には、環境の重大度を特定するのに役立つ3 MICE レベルがあります

レベル 1：制御室およびデータ室。通常はオフィス環境です

レベル 2：工場のフロア通常、製造装置と制御室の間を指します。

レベル 3：製造およびオートメーションの区域

産業環境は、従来の IT 環境よりもはるかに厳しく、緊急を要します。イーサネット・パケット（CRC、FCS エラー）が破損し、パケットの再送信によって遅延が増加し、通信の中断により生産が遅れる可能性があります。

良好に見え、基本的な導通テストや速度テストに合格したケーブルでも、振動、湿気、汚染、温度の変動、および電磁ノイズ（MICE と呼ばれる要因 - 上記を参照）の影響を受けやすく、イーサネット・パケットが断続的に破損する可能性があります。

DSX 産業用イーサネット CableAnalyzer™ (DSX2-5-IE-K1) は、フルーク・ネットワークス DSX-5000 をベースにしており、メタル線の産業用イーサネット・ネットワークのテストをサポートし、光ファイバーをサポートするオプションのモジュールを備えています。

• ケーブルの国際規格への適合検証
• 迅速な立ち上げ：機械メーカー施設での検証と、コミッショニングおよび変更後のケーブル性能の確保
• ダウンタイムの回避：振動、湿気、ノイズ、温度の影響を受けやすいケーブルを検出
• 素早いトラブルシューティング：バイパス・ケーブルの敷設に伴う無駄な時間を排除。
• ケーブル故障の種類と位置を特定。または問題がないことを証明。
• 10 秒で合否結果を表示
• EtherNet/IP™、PROFINET、ModBus TCP™、その他の産業用ネットワークのケーブル配線に対応。
• RJ45 および M12 コネクターに対応
• ステム運用開始前の試運転におけるテスト結果の迅速なドキュメント化

導通テスターは、オープンとショートを検出するように設計されていますが、ケーブルが導通テストに合格しても、振動、湿気、または温度の変動により、ケーブル内の 1 つまたは複数のワイヤで断続的に高い抵抗（またはオープン回路）が発生する可能性があります。これにより、断続的なパケット損失が発生し、緊急を要するネットワークに過度の遅延が発生する可能性があります。

DSX CableAnalyzer は、ケーブル内のすべての 4 または 8 ワイヤーの抵抗を測定する独自の抵抗不平衡テストを備えています。他のワイヤよりも抵抗の高いワイヤが 1 本ある場合、断続的に問題が発生する可能性があります。

データパケットは EMI の影響によって破損します。このため、最大 8kV の静電気放電（直接接触および大気中で発生）、無線周波数干渉、最大 1kV のサージ（ライン・アース間）、磁場（モーターとリレー）から保護するために、UTP システムの規格には横方向変換損 (TCL) と等レベル横方向伝達変換損 (ELTCTL) の要件が規定されています。

ケーブル（事前に成端されたケーブルを含む）は、他のデータ・ケーブル、電源ケーブル、モーター、モーター・ドライブ、およびその他のソースから EMI（ノイズ）を拾う可能性があります。これは、ペア線を撚り戻したワイヤー、過度に締め付けたケーブル・タイ、大きな屈曲率、過度の曲げなどにより、ケーブルのバランスが欠如していることによって引き起こされます。

フル・グラフィックスで最大 12,000 件のテスト結果の管理

複数のジョブが複数のチーム、テスターによって行われ、数多くの要件がある場合は、テストの管理に時間がかかり、エラーの原因にもなります。ジョブが大きくなればなるほど、プロジェクトの整理がこれまで以上に重要になります。DSX ケーブルアナライザー・シリーズの ProjX 管理システムは個別のプロジェクト・ファイルを提供し、ジョブに固有のすべての詳細情報を簡単な名前で保存することができるため、プロジェクトの開始後にジョブ固有の詳細を再入力する必要がありません。これにより、ジョブを切り替えたり、1 つのジョブで複数のテスターを利用する際の設定エラーやファイルの紛失を最小限に抑えます。また、ケーブル ID 別のテスト結果の表示、重複のない変更内容の統合を行ったり、前回インストールされたメタル線または光ファイバー・モジュールの初期設定に戻ったりすることができます。さらに、ProjX 管理システムでは、0 ～ 100 % 表示でジョブごとの完了までのステータスがリアルタイムで表示されるため、再確認が必要なすべてのテストを特定して、見落としがないことを確認するのに役立ちます。不合格後に「保存」を選択すると、施工問題を是正するためのリスト、つまり To-do リストが自動的に作成されます。ProjX はプロジェクト・マネージャーおよびグループ・リーダーの作業効率を大幅に改善します。

静電容量方式により、テスターを素早くセットアップ、すべての規格に対応

Taptive ユーザー・インターフェースは、未習熟の技術者でも複数のメディア・タイプや試験要件にわたってテストを間違いなく実行できるように簡素化されています。静電容量方式の Taptive ユーザー・インターフェースは、メニュー画面からすべてのジョブに簡単にアクセス可能です。処理するジョブにタッチすると、実行する必要のあるテストが大きな画面に表示され、アニメーションの手順に従って構成を簡単に設定して、テストを正確に行うことができます。

クロストークおよびシールド不良の発生箇所の距離をグラフィカルに表示し、トラブルシューティングを迅速化

DSX は、診断機能によってケーブル障害を迅速に解決し、簡単なワン・ボタン操作ですべてのテストを実行してデータを保存します。グラフィカルな結果画面でケーブルを表示し、クロストーク、リターン・ロスあるいはシールド障害が発生しているリンクの場所を正確に確認できます。この画面を見れば、初心者でも、上級ユーザーでも、同様に問題のある結果を即座に特定し、対応することができます。また、この結果は現場から離れた後で再度解析できるよう、テスト結果と一緒に保存することができます。

合否結果を含む、ケーブル性能をわずか 8 秒で記録します。

多数のテストをこれほど高速に実行するテスターは他に存在しません。Cat 6A のメタル線認証を 8 秒で完了し、わずか 3 秒で 2 本の光ファイバーを 2 波長で認証します。国際規格に基づいて、リンクあたり 8 秒でメタル線ケーブルのテストを完了します。リンクあたり 3 秒未満で光ファイバー・リンク（オプションの光ファイバー・モジュールが必要）をテストします。