ホワイトペーパー

フルーク・ネットワークスのシールド完全性

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概要

シールド付配線システムのフィールド・テストでは、シールドからテスト遠端部の導通を必ずテスターで確認する必要がありますが、フィールド・テスターがシールドの導通を誤って報告し、ケーブル配線システムの潜在的問題を見落とすことがあります。

This article discusses the issues with measurements of screen continuity, how it can influence other cabling test parameters and how the Fluke Networks shield integrity approach can correctly assure compliance of cabling installations according to the Level 2G requirements of TIA 1152A.

シールドの導通経路

近端のシールド接触部とリモート・テスター間が電気的に接続されてさえいれば、シールドに導通性があると思われることがありますが、実際は主な経路が 3 つあり、配線を正しく終端処理して適切なケーブル動作を保証するためには、このうちの 1 つの経路を使用する必要があります。

図 1 のパーマネント・リンクでは、シールドはケーブルに接続されていませんが、パネル、ラック、ビルディング・グランド・バーなどを介してリモート・テスターに電気的に接続されています。この場合、ケーブル・シールドが開回路であっても、フィールド・テスターは、正常なシールドの導通性を報告することがあります。

図 1 - ビルディング・グランドを介したシールド経路

 

図 2 の例でも、実際には開回路であるにもかかわらず、テスターが正常なシールドの導通性を報告する可能性があります。この事例では、遠端のラックはビルディング・グランドを介して接続されていませんが、シールドが正しく終端処理された別のリンクが同じラック間に通っており、シールドが開回路の状態であってもリンクのシールド導通経路を提供しています。

図 2 - 規格に準拠した別のリンクを介したシールド経路

 

These incorrect results are unavoidable using some testers, however DSX 5000/8000 CableAnalyzers™ can detect these situations and will only report the screen continuity of the cabling under test. このためユーザーは、被試験リンクまたは被試験チャネルのシールド接続部が、期待通りの伝送性能で動作することを確認できます。

シールドの導通性とエイリアン・クロストーク

Screened cabling systems achieve extremely high levels of alien crosstalk performance using not only well balanced cable designs, but also by inclusion of a metallic foil element which acts as a Faraday cage intercepting any coupling from the pairs within before it reaches any other cables. これは、シールドでカップリングされた信号が、ケーブル・シールドからコネクター・シールド、パネルを介してグランド(アース)、そこからビルディング・グランドに伝導した場合に最も効果的に機能します。この経路のいずれかが開回路であった場合、シールドは浮動接地となり、絶縁機能の低下、エイリアン・クロストークの増大につながります。この影響は大きく、エイリアン・クロストーク性能が 15dB 以上低下する場合もあります。

Proper screen grounding is also of vital importance to other parameters such as NEXT and FEXT, and is of particular importance to systems which use shielding techniques to minimize crosstalk between pairs, such as Class FA and Class II cabling.

従来の直流導通方式とシールドの完全性技術を組み合わせることで、フルーク・ネットワークスの DSX 5000/8000 ケーブルアナライザーは、ビルディング・グランド、または規格に準拠した他のケーブル配線に起因する開回路を正確に特定し、エイリアン・クロストークに対応した配線、10/25/40Gb アプリケーションのサポートを保証します。また、このような方法を使用することで、シールド傷害までの位置を正確に特定できるため、オープン・シールドが発生した場合にトラブルシューティングの時間を大幅に短縮できます。

規格への準拠

シールドの導通試験については、フィールド・テスター規格 TIA 1152 および IEC 61935-1 で常に定められていますが、導通性を提供する経路を定めるガイダンスはありませんでした。

For the first time, this has been addressed in TIA 1152A, which provides a clarification of this screen testing requirement for level 2G testers which must be used to test Category 8 cabling.

「加えて、レベル 2G テスターでは、ケーブル配線経路に沿ってシールドの導通試験を行うものとします」
– TIA 1152A 4.2.2 節

レベル V 以下のテスターの多くはこの取り決めに従っておらず、これはカテゴリー 8 のレベル 2G テスターにのみに適用されます。このことからも、カテゴリー 8 アプリケーションにおけるシールド接続とエイリアン・クロストークの重要性が分かります。

フルーク・ネットワークスは、TIA カテゴリー 8000 および ISO/IEC クラス II のレベル 2G DSX 8 だけでなく、レベル V DSX 5000 の要件にも準拠して、TIA クラス EA および ISO/IEC クラス FA)を含むすべてのカテゴリーに対応します。

DTX シリーズと DSX シリーズ・テスターの違い

DSX 5000/8000 ケーブルアナライザーでシールドの導通性測定を行う場合、シールドの完全性技術は標準で適用されます。基本的な導通性測定技術を使用した DTX アナライザー、および他メーカーのケーブル・テスターは、表 1 に示すような不正確な結果をもたらす可能性があります。

被試験ケーブルのオープン・シールド ビルディング・グランドの接続 規格に準拠した第 2 のリンクの接続 DTX/その他のシールド導通試験結果 DSX のシールド導通試験結果 正しい結果
なし なし なし DTX と DSX
なし なし はい
なし はい なし
なし はい はい
はい はい なし x DSX のみ
はい なし はい x
はい はい はい x
はい なし なし x x DTX と DSX

表 1 – DDSX と DTX シールド試験結果

結論

特にエイリアン・クロストークおよびクロストークの内部パラメーターにおいて配線のシステム性能を確保するためには、ケーブルのシールドの終端処理を適切に行う必要があります。他のケーブルと共に敷設されている場合、またはリモート・テスターが建物のグランド経路に接続されている場合は、ケーブル配線テスト機器によって開回路が特定されないことがあります。

フルーク・ネットワークス DSX 5000 および DSX 8000 ケーブルアナライザーは、 TIA 1152A レベル 2G 要件に従ってケーブル配線経路に沿った正確なテストを行い、傷害までの距離を検知するため、迅速なトラブルシューティングが可能になります。

 

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