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101 シリーズ:モーダル帯域とは?

マーク・マリンズ

「帯域幅」という言葉を聞くとき、多くの場合、私たちはファイバー・リンクを通してどれだけのデータを送信できるかを考えます。しかし、ファイバーの仕様を見てみると、通常記載されているのは、モード帯域または実効モード帯域(EMB)です。この重要な特性は、マルチモード・ファイバーにおいて、特定のファイバーが特定の波長でどれだけのデータを送信できるかを示すもので、モード遅延時間差と呼ばれる別の特性に依存します。

今回のケーブリング・クロニクル 101 シリーズでは、モード帯域について説明しましょう。

DMD に依存

EMB は、1 キロメートルあたりのメガヘルツ数(MHz*km 単位)で測定されます。200 MHz*km のファイバーは、200 MHz のデータを最大 1 キロメートルまで伝送できます。また、200 MHz*km のファイバーは、100 MHz のデータを最大 2 キロメートルまで運ぶことができます。つまり、EMB が高いほど、データをより長い距離伝送することが可能になります。例えば、OM3 ファイバーの EMB は 2000 MHz*km で、OM4 ファイバーの EMB は 4700 MHz*km です。このため、OM3 は 10 ギガで最長 300m、OM4 は 10 ギガで最長 550m をサポートできます。ここで留意しておく必要があるのは、モード帯域はフィールドでテストできるものではなく、規格に基づく要件であること、そしてその定格はベンダーの仕様書に記載されていることです。

マルチモード・ファイバーのグレーデッド・インデックス・プロファイルモード帯域は、マルチモード・ファイバーの帯域幅を制限する一番の要因であるモード遅延時間差(DMD)に左右されます。複数のモードの光がマルチモード・ファイバーを通して伝搬されるとき、ファイバー・コアの中心部を通る光もあれば、コアとクラッドの境界面に近い経路を通る光もあります。外側を通る光は高次モード、コアの中心近くを通る光のことを低次モードの光と呼びます。高次モードと低次モードでは、伝搬速度が異なり、伝搬時間の違いを DMD と呼びます。DMD が小さければ小さいほど、光パルスの経時的な分散が減り、帯域幅が大きくなります。

今日のマルチモード・ファイバーは、DMD を抑えるため、放射線(対象曲線)状の経路を作るグレーデッド・ファイバー・インデックス・プロファイルを有しています。これにより、低次モードでは、光がファイバー・コア近くを遅い速度で短い距離、高次モードでは、コアの外周をより速い速度で長い距離伝搬されます。その結果、パルス間の遅延が最小限に抑えられ、DMD の低下およびより大きい帯域を実現できます。

モード帯域をテストする際には、minEMB と DMD マスクの 2 つの規格準拠方式があります。ファイバー・メーカーが両方式を用いる場合は、より望ましくなります。

minEMB 方式

DMD は帯域幅に影響する一方、トランシーバーの光源もファイバーの全体的なパフォーマンスに影響します。高速化に伴い、ファイバー・コアのより広い範囲に入射する伝送速度が遅い LED 光源からより狭い光ビームを放射する垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)などの高速なレーザー・ベース光源へ移行しています。しかし、規格準拠の VCSEL の中には、他よりもファイバー・コアの中心近くに入射するものがあり、同じファイバー上でも帯域幅が異なってくる場合があります。実際、TIA 規格では、出力特性のレンジに基づいて 10 種類の異なる VCSEL 光源を定義しています。

この問題を解決するため、10 種類すべての VCSEL 光源向けに DMD 値でもって計算される minEMBc 測定値を使用して、最も低い結果を最小パフォーマンスとして示すファイバー・メーカーがあります。一部のファイバー・メーカーによると、これによって規格準拠トランシーバーの全範囲にわたってパフォーマンスを保証でき、さまざまな VCSEL の特性を考慮しない DMD だけを見るよりも正確に帯域幅が分かるとのことです。

DMD マスク方式

一方、ファイバーのパフォーマンスを計算するのに、DMD マスク方式の方が良いと強く信じるファイバー・メーカーもあります。miniEMB と DMD マスクのどちらの方式も DMD 測定値に依存していますが、その結果をどのように使用するかに違いがあります。

DMD マスク方式は、DMD テスト結果をテンプレートまたはマスクと呼ばれる一連の仕様と比較し、ファイバーの本当のパフォーマンスに影響するモード分散を効果的に制御できているかを検証します。特定のファイバー・タイプの EMB ターゲット値を満たすには、ファイバーがいずれかの DMD マスクに適合しなければなりません。規格では、ファイバーがそのファイバー・タイプのいずれか 1 つのマスクに適合すれば、必要な最小 EMB を満たすと規定しています。


 
 
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