MPO配線システムの極性の混乱を回避!
新たなコネクターの出現と便利な極性判断ツール

2019 年 6 月 12 日 / 一般、101 学習、インストールとテスト、アップグレードとトラブルシューティング、ベストプラクティス

光ファイバー・リンクの送信信号 (Tx) は、もう一端の受信側と当然一致しなければなりません。しかし、正しく極性を判別し、この接続性の一貫性を維持しようとしてさまざまな混乱が生じています。特に多芯ファイバー MPO 接続では、片端の位置 1~ 12 の 12 本のファイバーが他端の対応する位置に接続されていなければなりません。

適切な部材を購入するためには、設計段階で極性を決定する必要があります。残念ながら、極性に関する混乱によって、間違った極性のケーブルやパッチ・コードが注文されることがよくあります。また、事前に成端処理された MPO アセンブリーやジャンパーは通常受注生産されるため(多くの場合、返品できません)、間違った極性の部材を注文すると、予期せぬプロジェクトの遅れやコストが発生する恐れがあります。幸いなことに、極性をテストし、現場で極性を変更できる新しい MPO コネクターを使用することで、そのリスクを回避できます。詳しく見ていきましょう。

極性についての再考

嵌合時のファイバー端面アライメントを確保するために、MPO コネクターはオス(ピンあり)またはメス(ピンなし)のいずれかになっています。機器の MPO インターフェイスはオス(ピンあり)ですので、受信機への損傷を防ぐために、メス(ピンなし)の MPO パッチ・コードを使用する必要があります。また、MPO コネクターの上側にはキーがあり、側面の白い丸は位置 1 を示しています。極性においてはキーの向きが非常に重要になります。

正しい極性を確保するために、方法 A と方法 B の 2 つ方法が主に使用されます。方法 A では、パッチ・コード間の接続ケーブルには片側のキーが上、反対側のキーが下のコネクターで成端されているイプ A ストレート配列の MPO トランク・ケーブルを使用します(位置 1 のファイバーを位置 1 に接続)。(下図の真ん中)片側でタイプ A MPO パッチ・コードを使用して、パッチ・パネル・ポートを対応する受信機器ポートに接続します。(下図の左側)反対側では、両方のキーが上のタイプ B MPO パッチ・コード(位置 1 のファイバーを位置 12 に接続)を使用して、Tx を正しい Rx と一致させる必要があります。(下図の右側)

方法 B は、パッチ・コード間の接続ケーブルには両側がタイプ B パッチ・コードのタイプ B トランク・ケーブルを使用し、パッチ・パネル・ポートを対応する受信機器ポートに接続します。両側で同じタイプのパッチ・コードが使用されるため、パッチ・コードのタイプを考慮する必要はありません。このため多くの場合メソッド B が推奨されます。

他にも、ペアが反転し、位置 1 のファイバーが反対側の位置 2 に、位置 2 が位置 1 に接続されるタイプ C ケーブルがあります。方法 C は 2 芯アプリケーションで有効な方法ですが、40 および 100 ギガをサポートするには、入手が難しい複雑なタイプ C MPO クロスオーバー・パッチ・コードを片側で使用する必要があるため、推奨されません。Click HERE to learn more about MPO cable types and polarity.

最強の組み合わせ

極性が維持されず、一端の送信信号 (Tx) がもう一端の受信側 (Rx) と一致しない場合、チャネルは正常に機能しません。Thankfully Fluke Networks’ MultiFiber™ Pro allows you to test individual patch cords, permanent links and channels for correct polarity. トランク・ケーブルがタイプ A であるにも関わらず、誤ってタイプ B パッチ・コードを注文し両側に装着した場合は、MultiFiber Pro で問題を検出できます。

さらに、新型の MPO コネクターを使うと、現場で極性を変更して簡単に間違いを修正できるため、正しい極性のパッチ・コードを再注文する必要がなくなり(または両タイプを在庫しておく必要がなくなり)、コストの節約、遅れの回避につながります。

こういった新型コネクターの 1 つである Panduit の PanMPO™ は、簡単に外せる交換可能なハウジングを備えており、これを 180 度回転させて、コネクターのキー方向を上向きまたは下向きに変更して取り付けることで、現場で極性を変更できます。 

その他の交換可能な MPO コネクターに US Conec の MTP® PRO があります。このコネクターは、ハウジングを外す代わりに、ツールを使ってキー方向を上向きまたは下向きに変更します。クリック音がするまで、コネクターをツールの極性変更ポートに押し込んでから、外します。MTP® PRO トランク・ケーブルとパッチ・コードは一部のメーカーによって販売されています。極性の間違いはパッチ・コードで発生することが多いため、これを標準製品にしているメーカーもあります。PanMPO と MTP® PRO はいずれも、ピンを押し込んだり出したりして、オス/メスの変更もできるため、機器やアダプターを確実に嵌合できます。

MultiFiber Pro を使って間違った極性を検出し、光ファイバー・ネットワークが機能していない原因を把握することは非常に重要です(また、わずか 12 秒で 6 本のファイバーを自動的にスキャンします)。この機能と極性を変更できる MPO を共に使用することで、時間とコストを最大限に節約して、常に正しい極性で光ファイバー・ケーブル配線システムの良好な送信と受信を確保できます。

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