NEXT (近端クロストーク) のトラブルシューティング - DTX CableAnalyzer
NEXT 問題のトラブルシューティング方法をお探しですか?以下をお試しください。
- ケース・スタディ 1 - マージナル NEXT 合格:DTX CableAnalyzer
- ケース・スタディ 2 - ケーブルに起因する NEXT 不良:DTX CableAnalyzer
- ケース・スタディ 5 - 成端問題に起因する DTX CableAnalyzer の NEXT 不合格
- ケース・スタディ 7 - 非準拠コネクター・コンポーネントに起因する NEXT 不良:DTX CableAnalyzer
電流がワイヤーを流れると、電磁界が発生し、信号や隣接のワイヤーに干渉します。周波数が増加すると、その影響が強まります。各ワイヤー・ペアを撚り合わせることで、磁界が逆向きとなり、磁界が相殺し合います。撚り具合を強くすると、相殺効果が高まり、ケーブルがサポートできるデータレートが増加します。この撚り比を維持することが、配線を成功させるための最も重要な要素です。
撚り密度を高くしないと、近端クロストーク(NEXT)が発生します。ほとんどの人は、通話中に他の回線の通話が漏れて聞こえる経験をしたことがあるでしょう。これをクロストークと呼びます。実際、クロストークの言葉は、トーク(通話)がクロス(漏れる)する電話アプリケーションに由来しています。LAN では、ワイヤーのある 1 つのペアに流れる強い信号が、隣接するペアによって拾われるときに NEXT が生じます。NEXT は、受信信号に電磁的に結合される送信信号の一部です。
結果の解釈
NEXT は、影響を与えるペアと影響を受けるペアの信号強度の差の測定値であるため、その差が大きい(クロストークが少ない)方が差が小さい(クロストークが多い)よりも望ましいのです。NEXT は周波数によって大きく変わるため、一定範囲の周波数、一般的に 1~100 MHz にわたって測定することが重要です。50 メートルのツイストペア・ケーブルでの NEXT を見ると、「ジェットコースターの上り坂」のような形になっていることが分かります。つまり、上下に激しく変化し、その高さも一般的に増加します。これは、ツイストペアの結合が、高い周波数では効果が減るからです。
フィールド・テスターは、一般的な合否ライン、例えばクラス D 仕様の周波数範囲に対して行った連続的な測定値を比較するべきです。NEXT の曲線がいずれかの時点で合否ラインを割った場合、リンクが規定要件を満たさないことを意味します。NEXT の特性は、各リンク終端に固有であるため、各終端で 6 つの NEXT 結果を取得する必要があります。
トラブルシューティングの推奨事項
多くの場合、過剰なクロストークは、接続ポイントにおけるツイストペアの成端不良が原因です。
ANSI/TIA-568-C.0 規格からの抜粋
平衡ツイストペア・ケーブルに成端された接続ハードウェアの設計性能を維持することが重要です。これは、接続ハードウェアのメーカーの指示に従い、平衡ツイストペア・ケーブルを適切な接続ハードウェアで成端することで達成できます。接続ハードウェアの指示が存在しない場合、ケーブルの形状を可能な限り接続ハードウェアに近いものにし、ケーブルの成端部分および平衡ツイストペア・ケーブル終端のねじれのないペアの最大長は表 1 に従うものとします。
Table 1 states 13 mm (0.5 in) for Category 5e, 6 and 6A. An additional note common to all standards is that the amount of untwist should be kept to a minimum. 経験から、13mm で必ずしもフィールド・テストに合格するという保証はありません。
NEXT が不合格になった時に最初に行うことは、フィールド・テスターを使用して、どの終端で NEXT が不合格になっているかの特定です。これを特定したら、その終端の接続を確認し、必要に応じて、交換または成端処理をやり直します。多くのテスターは、ケーブルのどこでクロストークが生じているか見る時間領域機能を備えています。以下の例は、DTX CableAnalyzer からのものです。この機能を HDTDX と呼びます。
これが問題でなければ、より低いカテゴリーのパッチコード(クラス D 配線環境でボイス・グレードのケーブルが使われている)の存在を確認します。他に考えられる NEXT 不合格の原因は、スプリット・ペア(対分割)です。これらは、フィールド・テスターのワイヤーマップ機能で自動的に特定できます。クロストークの原因として他に挙げられるのが、メスのカプラーです。これは、データ配線環境には使用してはなりません。ケーブルの長さが不十分であれば、ケーブルを追加するのではなく、必要な長さのケーブルと交換します。
不適切なテストを選択することで、NEXT が不合格になることもあります。例えば、カテゴリー 5 のケーブル配線がカテゴリー 5e の性能要件を満たすことはありません。
NEXT の最善のトラブルシューティング方法は、時間領域機能を備えたテスターを使用することです。この機能により、障害までの距離を特定でき、問題を突き止めることができます。この診断機能は、パッチコード、コネクター、水平ケーブルにかかわらず、NEXT 不合格の原因を明白にします。
上記の潜在的原因をすべて排除しても、まだ NEXT が不合格になる場合、システム設計者に連絡してください。