ネットワーク・エンジニア
エンタープライズ・ネットワークはネットワーク・エンジニアがサポートしますが、メタル線または光ファイバーのインフラが適切でなければ、エンタープライズ・ネットワークはうまく機能しません。ネットワーク・エンジニアとケーブル・プラントは、最新のネットワーク技術に対応する必要があります。パフォーマンス問題は最終的にネットワーク・エンジニアにエスカレーションされます。このため、ネットワーク・エンジニアは問題の原因がネットワークにあるかどうかを判断するためのツールが必要になります。
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トレンド
高性能アクセスのネットワーク・ケーブル配線
高速イーサネットへのアクセスをユーザーに提供するためには、それに対応したケーブル配線が必要です。最も広く使用されているイーサネット・ケーブル配線の規格は、米国電気通信工業会 (TIA) と国際標準化機構 (ISO) が策定しています。こういった規格は、ケーブル配線、コネクター、設置されたリンク、テスト要件に適用されます。ケーブル配線とコネクターの設置が規格を満たしていても、設備が規格に適合するとは限りません。設置されたリンクが特定の規格に適合していることを認証するためには、次の 3 つ条件を満たす必要があります。まず、ケーブル配線と接続器具の両方が関連規格を満たす必要があります。次に、パフォーマンス・リンクの性能低下を防ぐために、規格に沿った適切な設置を行う必要があります。最後に、適合するフィールド・テスターのテストに合格する必要があります。
ケーブル配線規格 * | 対応ネットワーク規格 ** | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
TIA | ISO | 10BASE-T | 100BASE-TX | 1000BASE - T | 10GBASE-T | 25/40GBASE-T |
CAT 5 | ● | ● | ||||
CAT 5e | クラス D | ● | ● | ● | ||
CAT 6 | クラス E | ● | ● | ● | (最大 35 m) | |
CAT 6A | クラス EA | ● | ● | ● | ● | |
CAT 8 | クラス I、II | ● | ● | ● | ● | (最大 35 m) |
* TIA 規格と ISO 規格は必ずしも同等ではありません
** 特記されていない場合は、100 m チャンネルをサポートします
ケーブル配線規格 * | |
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TIA | ISO |
CAT 5 | |
CAT 5e | クラス D |
CAT 6 | クラス E |
CAT 6A | クラス EA |
CAT 8 | クラス I、II |
対応ネットワーク規格 ** | ||||
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10BASE-T | ||||
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対応ネットワーク規格 ** | ||||
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100BASE-TX | ||||
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対応ネットワーク規格 ** | ||||
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100BASE-TX | ||||
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対応ネットワーク規格 ** | ||||
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1000BASE - T | ||||
対応ネットワーク規格 ** | ||||
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10GBASE-T | ||||
(最大 35 m) | ||||
対応ネットワーク規格 ** | ||||
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25/40GBASE-T | ||||
(最大 35 m) |
* TIA 規格と ISO 規格は必ずしも同等ではありません
** 特記されていない場合は、100 m チャンネルをサポートします
無線イーサネットとケーブル配線
高性能モバイル・デバイスの普及がこれまでになく急速に進んでいるため、エンタープライズ・ネットワークは、帯域幅の需要増加に対応しきれなくなってきています。802.11ac Wi- Fi(論理速度 2 Gpbs 以上)などの高度な無線接続技術とスモール・セルを導入する場合、ネットワーク・アクセス速度は計画限界速度の 1 Gbps を超える必要があります。
10GBASE-T をアップグレードすることでこの問題に対応できますが、敷設されているほとんどのケーブルは Cat 5e / クラス D であるため、Cat 6A 以上のケーブルに交換する必要があり、これには高いコストが伴います。この問題に対応し、既存のエンタープライズ・ネットワーク・インフラをそのまま活用できるようにするために、NBASE-T アライアンスが形成されました。アライアンスは、エンタープライズ・ネットワークのカテゴリー 5e、6、および 6A の大規模な既設メタル線を使用して、最大 100 メートルで 1 秒あたり 2.5 および 5 ギガビット (Gb/s) の速度を確保する仕様を公表しました。しかし、Cat 5e のケーブル配線が NBASE-T 技術に対応しない場合もあるため、これらの規格に対してケーブル配線を認証することが推奨されます。これによって、新しい Wi-Fi を導入する際に多額の費用を伴う障害を防ぐことができます。
パワー・オーバー・イーサネット (PoE)
無線アクセス・ポイント、IP 電話、その他のネットワーク・デバイスが天井、ロビー、階段など辺鄙な場所に設置されていると、電源を得るのが困難な場合があります。こういったデバイスの近くに電源コンセントを追加するのは非常に難しく、そして高額です。PoE 技術を使用すれば、同じケーブルでデバイスをネットワーク接続し、電力供給することができます。PoE は、既存のデータ通信ケーブルを使用してネットワーキング・デバイスに電力を供給する技術です。複数の PoE 規格は最大 25.5 ワットの給電、規格外の仕様では 60 ワット以上の給電が可能です。
しかし、すべての電力レベルに対応しないケーブルもあります。また、多くのケーブルは断続的にしか給電しません。これに起因する問題は、トラブルシューティングが非常に困難です。ケーブルを認証し、関連規格を満たしていることを確認することで、こういった問題を簡単に防ぐことができます。DSX シリーズで検出される抵抗値の不均衡などの専門的な測定は、こういった問題のトラブルシューティングを行う上で非常に有益です。
光ファイバー性能 - MPO
ビッグ・データの増加、仮想化、および光ファイバー・バックボーンが 40 および 100 Gbps でリンクするデータ・センターの帯域幅の高速化に伴って、今日のほとんどのデータ・センターでは、MPO(マルチ・ファイバー・プッシュオン)コネクター・ソリューションを標準にしています。事前に成端された MPO ファイバー・ケーブルは、ベンダーによって製造・テストされ、ANSI/TIA 規格および国際規格に準拠していますが、性能に影響を与え得る要因は多くあります。設置によってケーブルが損傷する可能性があります。MPO コネクターは duplex コネクターに比べてクリーニングが困難ですコネクターの表面積が広いため、クリーニングを行う際に同じアレイ内の別の光ファイバーに汚れがつきやすくなります。40 および 100 Gbps MPO 光ファイバーを使用する場合は損失バジェットが低いため、最高のテスト精度を確保することが重要です。
MPO リンクがアプリケーション性能要件を満たしていることを確認するには、フィールド・テストを行う必要があります。残念ながら、duplex テスターを使用した 12 芯 MPO 光ファイバー・リンクのテストは非常に時間がかかり、ジャンパー3 本を使用する方法で 15 の手順を踏み、MPO-LC ファンアウト・コードを使用して 12 芯光ファイバーを単芯光ケーブルに分岐する必要があります。
MPO コネクターを搭載したテスターは、MPO 試験の複雑さ、無駄時間、一貫性の欠如を解消し、ファンアウト・コードやカセットの必要性をなくします。フルーク・ネットワークスの MultiFiber Pro は、この機能を提供する最初のテスターで、12 のファイバーをすべて同時にスキャンし、テスト結果を読みやすい棒グラフで表示することが可能です。MultiFiber Pro には、MPO の各ファイバーを識別する機能もあり、より正確なファイバー単位のデータとレポートを提供し、MPO コネクターの検証やトラブルシューティングを向上させます。
ベストプラクティス
問題の回避 – 検証と認証
問題を回避するための最良の方法は、敷設時またはネットーワークのアップグレード時にケーブルをテストすることです。既設ケーブルのテスト方法は 2 つあります。
検証テストでは、ケーブル配線の適正(特定のネットワーク速度またはアプリケーションに対応しているかどうか)を判断します。認証テストで「合格」した場合は、規格に従ってネットワーク速度またはアプリケーションに対応してることが最終的に示されますが、検証テストは、ケーブル・リンクが規格に準拠していることを正式に認めるものではありません。検証テストは、1000BASE-T、10GBASE-T、VoIP、PoE またはその他のアプリケーションにリンクが対応しているかどうかを判断するために使用されます。
通常、認証テストは敷設業者によって行われ、メーカー保証を得るために必要です。このプロセスでは、関連する規格団体によって明確に定義されたパラメーターに基づいて、リンクがケーブルの特定のカテゴリーまたはクラスに適合しているかどうかを判断します。たとえば、認証テストによって、リンクが米国電気通信工業会のカテゴリー 6A または国際標準化機構のクラス EA 規格に適合しているかどうかが判断されます。規格に対してリンクを認証するためには、その規格で義務付けられた特定のパラメーターすべてを認証テスターでテストする必要があります。メタル線の場合は、長さ、導通、ワイヤマップの他にもさまざまなパラメーターが対象になります。たとえば、挿入損失、リターン・ロス、NEXT(近端漏話)、パワーサム NEXT、ELFEXT(等レベル遠端漏話)、ACR(減衰対漏話比)などのパラメーターです。光ファイバーの場合は、導通、極性、長さおよび挿入損失 (Tier 1) や後方散乱、反射率、光学リターン・ロス (Tier 2) などがテストされます。
問題の回避 - 証拠書類とレポート
ケーブル敷設の認証には、証明書類が必ず必要です。結果の記録がなければ、設置の説明責任と整合性を保証することができず、争いを解決して、より効率的なトラブルシューティングを促進することもできません。
テスト結果の記録が顧客またはメーカーの保証で義務付けられていない場合でも、証拠書類を残しておくことは最良の方法であり、自分を守ることにもなります。認証したケーブル配線に後で障害が発生した場合、認証の証拠書類がなければ、敷設時にはケーブルが適切に機能し、仕様を満たしていたことを証明することができません。
現在はドキュメンテーション・ソフトウェアを使用して、この重要な最終ステップを簡単に行うことができます。レポートにプロット・データを含めることも推奨されます。測定されたテスト・パラメーターのグラフィカルな表示は、正式な認証テストで義務付けられています。また通常、メーカーの保証を受けるためにも必要です。これらのグラフにはケーブル配線の性能に関する貴重な情報が示され、トラブルシューティングにも役立ちます。
問題の回避 – ラベル付け
ラベルがなければ、証拠書類は後であまり役に立ちません。ANSI-TIA/EIA 606A は、証拠種類の作成に必要なラベル規格です。作業場のすべてのコンセントには、フロア、通信室、パッチ・パネル、電源ポートのラベルを付ける必要があります。
後日、特定のリンクのトラブルシューティングを行って、最初のテスト結果と比較する必要がある場合は、証拠書類に対応する顧客ロケーションのリンクのラベルが必要になります。実際に 606A 規格では、ラベルのない証拠書類と証拠書類のないラベルは管理に値しないことが記述されています。
アクセス・ネットワークのトラブルシューティング
不適切なケーブル配線はネットワーク障害の主な原因です。適切なツールと知識を持つことで、ネットワークの停止時間を最小限に抑えることができます。適切なツールを使用すれば、専門家でなくても難しい問題を簡単に追跡できます。
最も基本的なケーブル・テスト・ツールは、検証を行って、ケーブル・リンクのすべてのワイヤーが他の導体ではなく、適切な終端点に接続されていることを確認します。優れた検査テスト・ツールは、ワイヤーのペアリングを確認し、「対分割」のような敷設時の欠陥を検出することもできます。検査テスト・ツールは、ケーブル・リンクを検出するトーナーや、ケーブルの長さや破損または短絡までの距離を特定する TDR(時間領域反射率計)の機能を搭載しているため、トラブルシューティングにも役立ちます。
次は CableIQ™ 配線検証テスター などの検証テスト・ツールです。検証テスト・ツールは検査テスト・ツールのすべての機能を搭載していますが、ケーブル配線の帯域幅を評価して、帯域幅に影響を与える欠陥を特定するさらに強力なツールです。
認証ツールは、業界規格に沿って「合格」または「不合格」情報を提供する最も高度なツールです。このツールは、PoE 問題の原因となる不平衡など、非常に困難な問題のトラブルシューティングにも使用できます。
問題の回避 - 光ファイバーのクリーニングと検査
高速データ・レートのリンクによって損失バジェットが低くなってきているため、光ファイバーの検査とクリーニングの重要性が一層高まっています。光損失全体の許容範囲が小さくなるため、コネクターにおける減衰を従来以上に低くする必要があります。これは、光ファイバー・ケーブルを設置、移動、または変更を行う時に、適切に検査およびクリーニングすることで実現できます。
光学式スコープとビデオ・スコープは、光ファイバー通信に大きなを損害を与える汚れや破損を表示します。光マイクロスコープには、対物レンズと接眼レンズがあり、デバイスを通して端面を直接見ることができます。ビデオ・マイクロスコープには、光プローブと、プローブの画像を表示するディスプレイの両方が組込まれています。小さなプローブは、アクセスしにくい場所のポートにも届きます。
多くの人は独自の方法で端面をクリーニングしています。その方法は、エアー缶の空気を光ファイバー・ケーブルに吹きかけたり、イソプロピル・アルコール (IPA) を使用するなどさまざまで、常に最善であるとは言えません。ファイバー専用の溶剤は、ファイバー端面に潜んでいるあらゆる汚染を溶解する能力に優れています。また、特別の蒸発速度は、作業時間を確保しながら接続する前に蒸発するように作られています。Click クリーナーを使用すると、誰でもすばやく簡単に基本的なクリーニングを行えます。
光ファイバー・ネットワークのトラブルシューティング
光ファイバー問題のトラブルシューティングには、非常に基本的な機能と高度な機能を備えた専用の機器が必要です。多くのネットワーク・エンジニアは、高価で複雑な機器に投資せず、代わりに専門家を雇用して光ファイバーの問題をトラブルシューティングしています。しかし、新しいツールはコストを削減し、誰でも簡単に使用することができるため、専門家に依頼した場合のコストと待ち時間をなくすことができます。
最も一般的な光ファイバーのテスト・ツールは、光源とパワー・メーターを組み合わせています。この組み合わせを使用して、リンク全体の光パワーの損失を測定します。損失が大きすぎると、信号の光パワーが不足し、遠端「確認」することはできません。
残念ながら、光源 / パワー・メーターの組み合わせでは、光ファイバー障害の原因を特定できません。光ファイバー損失の原因はコネクターの汚れや破損である可能性が高いため、リンクの各接続を手動で時間をかけて検査すれば、問題を見つけることは可能です。可視光源 (ビジュアル・フォルト・ロケーター) は、幅広く分散された光をケーブルに送信します。これによって、ケーブルの切断、破損、または鋭い曲げを検出できますが、ケーブル全体の目視検査が必要です。
究極の光ファイバー・トラブルシューティング・ツールは、OTDR(光学時間領域反射率計)です。光のパルスをケーブルに送り、その反射を監視することによって、リンクの不備の重大性、そしてそこまでの距離をすべて表示します。旧式モデルでは複雑なトレースが表示され、非常に専門的な知識と解釈が必要でした。新しいモデルはトレースを解釈し、簡単な図で問題の位置を表示します。最近発表されたクラスの基本トラブルシューターは、OTDR に似た技術を使用して、リンクの障害までの距離を表示します。
ツールとソリューション
OptiFiber® Pro OTDR
OptiFiber Pro は、エンタープライズ光ファイバー・ケーブル・テスト用にゼロから構築された最初の OTDR です。OptiFiber Pro OTDR は、生産性を高め、ネットワークの信頼性を向上させながら、コストを削減することに重点を置いています。
光ファイバー・テスト・ツール
光ファイバー・ネットワークの設置とトラブルシューティングは難しくありません。認証、損失のチェック、曲がりや破損の検出、ケーブルの長さの把握など、必要な作業が適切なツールによって容易になります。
- 光源とパワー・メーター – リンクの損失をすばやく確認できます。
- フォルト・ロケーター – 光ファイバーの長さと障害までの距離を OTDR の数分の 1 のコストで測定します
- ビジュアル・フォルト・ロケーター – 光ファイバー・ケーブルの破損や過度の曲げを検出します。
光ファイバー・クリーニング・キット
埃 - 見えなくても埃はあります。
光ファイバーに汚れがないことを確認するためには、接続前に検査が必要です。汚れている場合は、状況が一層悪化しないように、適切なツールを使用してクリーニングする必要があります。
メタル線テスト・ツール
企業はツイストペア・ケーブルが問題なく動作することを期待しますが、設計や設置、検査中の手抜きはネットワークのダウンタイムにつながり、結果的にリソースの無駄や収益の損失を招きます。この事態は、メタル配線システムを構築し、不良を素早く見つけることができるケーブル敷設業者により避けることができます。100BASE- T から将来の先進的なツイスト・ペア技術にいたるまで、フルーク・ネットワークスは、ケーブル配線テストにおいて業界で最も信頼されるパートナーです。
メタル成端ツール
音声、動画およびデータサービスのインストレーション、検証および管理を行なうためのツールとテストセット音声、動画およびデータの敷設は、正しいツールを装備するところから始まります。フルーク・ネットワークスは、市場で最も信頼性の高いネットワークソリューションを提供します。それぞれは作業を合理化し、生産性を高めるものです。当社のすべての成端ツールおよびテスト・セットは、信頼性、最大の耐久性、データ保護と柔軟なオプションをあらゆる予算に合わせて提供することで、技術者の要求を満たします。
関連リソース
フルーク・ネットワークスでは、顧客(ネットワーク・エンジニア)が課題を解決するのに役立つ多くのリソースを提供しています。簡単な登録が必要なものもあります。他のトピックについては、ウェブキャスト、ホワイトペーパー、およびアプリケーション・ノートの詳しいリストをご覧ください。
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