ホワイトペーパー
明確な光ファイバー・テスト方法 – MPO 構成
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概要
MPO コネクターで成端された光ファイバー配線の減衰量測定方法は、IEC、TIA、または ISO/IEC 規格で明確に規定されていません。ケーブルは、ピンありまたはピンなし MPO プラグで成端できます。こうのような異なる状況では、テストは不明確になります。「1 コード法」は不確実性が最も低いため、パーマネント・リンクでは常このテスト方法を使用する必要があります。「機器コード法」は、チャネルに要求されるテスト方法です。ある程度の不確実性が許容される場合は、パーマネント・リンクまたはチャネルで代替テスト方法として「3 コード法」を使用できます。
このホワイトペーバーでは、さまざまなケーブル配線構成のテスト方法について説明します。ここでは、極性については説明していません。極性はテスト機器によって自動的に検出され、適切に報告されることを前提としています。以下の例では、チャネルのテスト方法を除き、ピンなしテスト機器を使用します。5 つの手順を示します。
このページに記載されていること
ケーブル配線構成
ケーブル配線構成は、以下の 4 つのいずれかの形状になります。
- 配線の両端にピンなしプラグを装着(図 1 参照)
- 配線の一端にピンなし、他端にピンありを装着(図 2 参照)
- 配線の両端にピンありを装着(図 3 参照)
- チャネルの両端にピンなしを装着(図 4 参照)

図 1. 両端にピンなしプラグを装着(パーマネント・リンク)

図 2. 各端にピンなしプラグとピンありプラグをそれぞれ装着(パーマネント・リンク)

図 3. 両端にピンありプラグを装着(パーマネント・リンク)

図 4. 両端にピンなしプラグを装着(チャネル)
注記: MPO トランシーバーはピンありです。機器コードはピンなしです。
手順 1:ピンなし - ピンなしケーブル(1 コード法を使用)
1. ランチ・コードを使用して、光源とパワー・メーターとの間に基準を設けます(図 5 参照)。

図 5. 基準の設定
2. ランチ・コード、パワー・メーター、および受け容れコードを試験対象のケーブル配線に接続します(図 6 参照)。

図 6. ケーブル配線の減衰量測定
3. 測定を行い、基準測定の結果と比較します。
手順 2:ピンなし - ピンありケーブル(1 コード法を使用)
1. ランチ・コードを使用して、光源とパワー・メーターとの間に基準を設けます(図 7 参照)。

図 7. 基準の設定
2. ランチ・コードと受け容れコードを試験対象のケーブル配線に接続します(図 8 参照)。

図 8. ケーブル配線の減衰量測定
3. 測定を行い、基準測定の結果と比較します。
手順 3:ピンあり - ピンありケーブル(1 コード法を使用)
ピンあり - ピンあり配線の測定にピンなしテスト機器を使用すると、以下の手順で説明するようにミスマッチが発生します。
1. ランチ・コードを使用して、光源とパワー・メーターとの間に基準を設けます(図 9 参照)。

図 9. 基準の設定
2. 受け容れコードをパワー・メーターに接続します。
3. ランチ・コードと受け容れコードを試験対象のケーブル配線に接続します(図 10 参照)。ピンあり - ピンあり接続にミスマッチが発生していることに注意してください。このミスマッチを防ぐには、ピンあり - ピンありケーブル配線構成のテストでは、長さが短いテスト・コード(アダプター・コードなど)を追加して、基準方を少し修正する必要があります。テストを繰り返し、最初からやり直します

図 10. ケーブル配線の減衰量測定 - ミスマッチ
4. ランチ・コードと受け容れコードを使用して、光源とパワー・メーター間に基準値を設定します(図 11 参照)。

5. アダプター・コードをランチ・コードに接続します。
6. ランチ・コード、アダプター・コード、パワー・メーター、および受け容れコードを試験対象のケーブル配線に接続します(図 12 参照)。

図 12. ケーブル配線の減衰量測定
7. 測定を行い、基準測定の結果と比較します。
手順 4:ピンなし - ピンなしチャネル(機器コード法を使用)
機器コードは、通常の伝送でトランシーバーに接続されるパッチ・コードです。チャネルにはケーブル配線と 2 つの機器コードが含まれます。減衰量には、配線でのコネクター減衰、光ファイバー減衰が含まれますが、トランシーバーに嵌合するコネクター減衰は含まれません。これは、ピンあり接続の LSPM の例です。
1. ランチ・コードと機器コードを使用して、光源とパワー・メーター間に基準値を設定します(図 13 参照)。

図 13. 基準の設定
2. パワー・メーターを機器コード 1 から切り離し、光源とランチ・コードはそのまま接続しておきます。
3. パワー・メーターを機器コード 2 に接続します。
4. LSPM、ランチ・コード、機器コードを接続します(図 14 参照)。

図 14. チャネルの減衰量測定
5. 測定を行い、基準測定の結果と比較します。
手順 5:ピンなし - ピンなしチャネル(3 コード法を使用)
「ケーブル配線」はパーマネント・リンクまたはチャネルを表し、チャネルの場合は機器コードが含まれます(図示していません)。
1. ランチ・コード、受け容れコード、代替コードを使用して、光源とパワー・メーター間に基準値を設定します(図 15 参照)。

図 15. 基準の設定
2. ケーブル配線に接続されたアダプターを使用して、代替コードを試験対象のケーブル配線に置き換えます(図 16 参照)。

図 16. 測定
3. 測定を行い、基準測定の結果と比較します。
最後に
メーカーの取扱説明書を参照してください。