ホワイトペーパー

SYSTIMAX® 高速移行ソリューションのためのテスト戦略

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概要

帯域幅に対する爆発的な需要により、より速いデータ速度、より低い遅延要件、そしてまだ誰も予測していない将来の変更をサポートするべく、データセンターはネットワーク・インフラの見直しを強いられています。しかし、「言うは易し行うは難し」なのです。

データセンターが 25G、40G、50G、100G へと移行する中、400G およびそれ以上の規格の策定が進んでいます。イーサネット・ロードマップから判断すると、今後の道筋ははっきりもしていなければ、まっすぐでもありません。より効率的な変調、新しい伝送方式およびファイバーの種類など、数多くの新しいテクノロジーの登場により、データセンター・マネージャーは、かつてないほどたくさんの選択肢に直面しています。

現行のネットワーク速度から将来必要となるより高速なスピードへの移行パスは多数存在します。どれもさまざまなテクノロジー、スピード、そして規格を組み合わせて使用しています。そのため、貴社のインフラは、それらすべてをサポートできなければなりません。インフラを選び、それを構築した後にシステムを適切に認証することは、保証に必要な記録を提供するだけなく、今そして将来もお使いのアプリケーションに確実に対応できるようになります。

SYSTIMAX / 高速移行ソリューション

CommScope の高速移行プラットフォームは、貴社インフラの継続的な成長において、統一されたエンドツーエンドのチャネル・アプローチを提供します。同ポートフォリオは、高速ファイバー、超低損失 MPO コネクター、超高密度ファイバー・パネル、自動インフラストラクチャ管理(AIM)、およびネットワーク計画ツールで構成されています。これらが連携することで、お使いのインフラが現在、そして将来も適応、進化、スケールすることができます。

CommScope の高速移行プラットフォームは、革新的なソリューションにとどまらず、より速いスピードと新たなアプリケーションをサポートするために「取り去って置き換える」必要のない長期的な戦略を提供します。

超低損失接続

SYSTIMAX 超低損失(ULL)ファイバー・ソリューションは、高帯域幅ファイバーと工場で成端処理された ULL コネクターで構成されます。その結果は、優れた損失パフォーマンスです。チャネル全体で使用される ULL ソリューションは、稼働率を達成するために必要な物理層の設計をサポートしながら、より高速なスピード、より長いリンク距離、そしてより複雑なトポロジーを可能にします。ハイパースケール展開を含むシングルモード・アプリケーションにおいて、CommScope の G.657.A2 ファイバーは、G.652.D ファイバーとの互換性を完全に維持しながら、最小のマクロ・ベンディングおよびマイクロ・ベンディング損失を実現します。ULL 装置は、新しい PAM4 DR および DR4 100/400G アプリケーションのリーチをさらに拡張させます。

図 1. CommScope の高速移行ソリューションには、超高密度ファイバー・パネル(左)、超低損失モジュールおよびアダプター・パック(中央)、そして超低損失ファイバー・トランク(右)が含まれます。

パッチ・パネル:HD、UD、EHD ファイバー・チャネル

高速移行パネルには、すべてのファイバーと接続に自由にアクセスできる革新的なスライド式トレイ(EHD)とスライド式分割トレイ(UD および HD)が備わっています。既存のライブ回路を妨げることなく、個々のファイバーや接続に変更を行うことができます。より信頼性のあるファイバー・ルーティング・システムにより、パネルの前面および背面を通り抜けるすべてのケーブルが整理され、目に見え、アクセス可能にあります。

HD パネルは、ラック・ユニット(RU)あたり 48 x デュプレックス LC ポートまたは 32 x MPO ポートを提供し、UD パネルは、RU あたり 72 x デュプレックス LC ポートまたは 48 x MPO ポートを提供します。コア・ネットワークの相互接続をサポートするために設計された EHD パネルは、72 x デュプレックス LC ポートまたは 72 x MPO ポートを提供しています。

HD パネルと UD パネルは、シングルモード、OM4/OM5 マルチモード・ファイバーをサポートし、複数のパラッとフォームに展開できるように SYSTIMAX G2 ファイバー・モジュールおよびアダプターを使用しています。これら HD/UD パネルおよびモジュールは、SYSTIMAX imVision 自動インフラストラクチャ管理ソリューションをサポートしています。EHD パネルには、高密度設計を柔軟に行えるように、弊社最高密度の EHD モジュール、アダプター・パック、およびスプライス・カセットを使用し、シングルモード、OM4/OM5 マルチモード・ファイバーをサポートしています。

TeraSPEED® シングルモード、LazrSPEED® OM4 および OM5 ワイドバンド・マルチモード・ファイバー

TeraSPEED シングルモードおよび LazrSPEED OM4 マルチモード・ファイバーに加え、CommScope は OM5 ワイドバンド・マルチモードを他社のどこよりも早く提供しています。これにより、短波長分割多重(SWDM)などの数多くの新しいアプリケーションを可能にします。

CommScope により最初に開発された OMT ワイドバンドは、同じファイバー上で同時に 4 つの波長を伝送できます。そのため、容量を 4 倍化し、低電力・低コストの VCSEL テクノロジーを活用して、マルチモード・ファイバー・インフラの価値を劇的に高められます。

損失リミット値の計算

ファイバー・アプリケーションには、それぞれ異なる最大挿入損失要件があります。損失が高すぎると、信号は適切に遠端に到達できず、リンク障害が発生します。設計段階の早期にリンク・パフォーマンスを設計することで、ケーブル設備が実行しなければならないアプリケーションを確実にサポートできるようにできます。損失バジェットは、ファイバーの長さと種類のほか、コネクターやスプライスの数とパフォーマンスに基づいて計算されます。この計算を正しく行うのは難しくないものの、敷設業者は自社の技術者の 30% しかそれを行う能力がないと報告しています。また、敷設業者の 1/4 が、アンケート(フルーク・ネットワークスによる調査)に答える 6 か月以内に、間違ったファイバー・リミット値を使用してテストしたためにテスト結果が却下されたことがあると報告しています。

CommScope は、エンド・ツー・エンドのリンク・パフォーマンス、そしてこのパフォーマンスによって提供されるアプリケーション・サポートを正確に予測するファイバー性能計算ツールを開発しました。この PC ベースのツールは、標準よりもはるかに高いパフォーマンスが求められる超低損失システムが定義する高パフォーマンス・リンクの損失目標値を確立します。ユーザーは、リンクの種類、コネクターとスプライスの数と種類を入力するだけで、計算機が損失リミット値を提供します。

図 2. SYSTIMAX ファイバー配線向けの CommScope リンク損失計算機。

プロセスの簡略化

損失を計算するにあたって重要な値となるのが、図 2 で示される計算機に入力されるファイバーの長さです。しかし、この簡単に見えるステップが、かなり複雑になることがあります。リンクの長さが異なれば、たとえ他のすべての要素(ファイバーの種類、スプライスとコネクターの数)が全く同じだったとしても、それぞれに固有のリミット値を計算しなければなりません。現場で認証を行う敷設業者は、テスト対象のリンクの長さに基づいて、適切なテスト・リミット値を慎重に選ぶ必要があります。これは、リンク構成が 1 つしかない案件でも、多くの別々のリミット値を必要とし、作業の複雑さやコスト、そしてミスを犯す危険性を著しく高める可能性があることを意味します。

Fluke Networks CertiFiber® Pro Optical Loss Test set can measure the length of the fiber when testing, offering a solution to the problem. CertiFiber Pro の場合、ファイバーの種類を選び、コネクターとスプライスの数および種類をテスター(図 3)に入力して、テストをセットアップします。テストが作成されるたびに、長さが自動測定され、その結果が内蔵の SYSTIMAX 計算機に送信されて、対象リンクの正確な損失リミット値が生成されます。これにより、長さに基づいた複数のリミット値が不要になります。入力するデータが少なくなるため、PC ベースの計算機を使用するよりも簡単で、リミット値を PC からテスターに転送する際に起こり得る間違いを排除できます。

図 3. CommScope SYSTIMAX リンク損失計算機は、フルーク・ネットワークス CertiFiber Pro 光損失試験セットの最新バージョンに搭載されています。CertiFiber Pro をお持ちのお客様は、フルーク・ネットワークスのウェブサイトからテスターに計算機を無料ダウンロードできます。

LinkWare Live でより効率的に

フルーク・ネットワークスの LinkWare Live は、このコンセプトを次のレベルに引き上げ、LL または ULL 値をすべて含むプロジェクト・テスト計画全体を効率的にテスターに読み込みます。このウェブベースのサービスでは、SYSTIMAX 損失計算機も提供されています。プロジェクト・マネージャーは、SYSTIMAX リミット値も含め、オフィスで PC またはタブレットからプロジェクトの要件を設定できます。現場の技術者は、Wi-Fi 経由で複数の CertiFiber Pro に設定をダウンロードできます。これは、データセンターなどの大規模プロジェクトで特に効率的です。テスト時には、CertiFiber Pro は長さ測定の結果を使用してリンクの正確なリミット値を計算します。テスト結果は Wi-Fi 経由で LinkWare Live にアップロードされ、プロジェクト・マネージャーは全体の進捗状況を追跡したり、個々の結果を見ることができます。

図 4. LinkWare Live を使用することで、プロジェクト・マネージャーは、テスト設定の作成・管理、テスターへの転送を行えます。技術者は、テスト結果をアップロードでき、プロジェクト・マネージャーが作業の進捗状況を追跡できるようにします。

正確な損失テスト

テスターに正しいリミット値が取り込まれると、CertiFiber Pro で簡単かつ素早くテストを行えます。CertiFiber Pro は、プロセスを通してお客様を案内するため、よくある問題の一つである間違った基準値の設定を防ぎます。あとは、TEST を押すだけです。たった 3 秒でファイバー・ペアの損失が 2 つの波長で測定され、必要なリミット値と比較されて、合否判定の結果が表示されます。

CommScope を使用する敷設業者は、CertiFiber Pro により生成される結果に自信を持てます。これら結果は、CommScope のエンジニアにより評価され、同社のラボ試験で高い相関があることが実証されています。その理由から、CommScope は、保証目的で CertiFiber Pro のテスト結果を受け入れています。

OM5 テスト

CertiFiber Pro は、業界規格で規定されるように、850 および 1300 nm の波長でのマルチモード・テストをサポートしています。しかし、OM5 トランシーバーは、850~950 nm の範囲で動作する予定です。OM5 に新しいテスターが必要になるのでしょうか?

一言で言えば、いいえ。米国電気通信工業会の専門家は、エンサークルド・フラックスなどの適切な励振条件を使用すれば、異なる波長間での接続減衰の差位は範囲内にあると考えています。これはつまり、850 および 1300 nm で合格となるリンクは、これらの間にある波長でも、許容内の損失になることを意味します。他の標準化団体でも、この主張が正しいことが実証されています。したがって、CertiFiber Pro でできるように、850 nm と 1300 nm の 2 つの波長の両極で OM5 をテストすることは、十分かつ賢明と言えます。

図 5. CertiFiber Pro は、すべての SYSTIMAX 高速移行ファイバー・タイプをサポートしています

概要

フルーク・ネットワークス CertiFiber Pro OLTS は、SYSTIMAX LL および ULL ファイバー・システムのテストを自動化します。このアプローチは、時間の節約となり、ミスを減らし、SYSTIMAX アプリケーション保証認証に使われる最も完全な結果を生み出します。