直流ループ抵抗の測定と試験 - DTX CableAnalyzer
直流ループ抵抗とは、リンクの一端でループ化された 2 本の導体の合計抵抗です。これは通常、導体直径の関数となり、距離のみによって変化します。この測定は、リンク全体にわたって大きく抵抗を増加させる可能性のある誤配線がないことを確認するために時々行われます。ここで留意しないといけないのは、ワイヤーマップ試験は自動的に断線を検知しますが、高抵抗の接続は見つけることはできません。
直流抵抗は、よくインピーダンスと混同されます。インピーダンスは特定の周波数において規定され、信号の流れに対するダイナミックな抵抗として表現される用語です。どちらも電流の流れに抗する、異なるタイプのものとしてオーム単位で測定されます。インピーダンスが長さにかかわらず「ほぼ」一定である一方、直流抵抗はケーブルの長さに比例します。
信号伝達の観点から、減衰量(または挿入損失とも呼ばれる)の方が、現在ではより有用な測定となっており、直流抵抗はそれほど重要ではなくなっています。ただ、ケーブルを通して電力が供給される PoE の人気が高まるにつれ、そうとも言い切れなくなっています。
結果の解釈
ペア間のループ抵抗のばらつきは、ケーブル配線問題の兆候を示す場合があります。ショートさせたループバック・テスト環境では、ループ抵抗値は、単純に特定の長さで予想される値の合計値の 2 倍になります。これは、どんなに高度なフィールド・テスターでも、単純なテストです。
ペア間のツイスト・レートが異なるため、ペアの組み合わせごとにループ抵抗値は異なります。上記の結果を見ると、1、2 のペアのツイスト・レートが最も高く、7、8 のペアが最も低いことが分かります。これが正常であり、期待される結果です。
トラブルシューティングの推奨事項
直流抵抗が予想以上に高い場合、ケーブル内の他のペアと比較します。これにより、この特定のペアが問題なのか、それともケーブル全体に影響する問題なのかが分かります。単一のペアが原因であれば、接続不良なのか、あるいは酸化によって問題が発生しているのかを確認するために、成端箇所を検査します。
4 ペアすべてで、予期しない高い直流抵抗を示す場合、次のことを疑ってみます。ループバックのため、抵抗値が 2 倍になることを考慮しましたか?想定している抵抗値が、使用されているワイヤー・ゲージに対して正しいものですか?26 ゲージのワイヤーは、24 ゲージのものよりも、1 フィートあたりの抵抗値が大きくなります。リンク内で、通常よりも抵抗が大きいパッチコードが使われていませんか?隣接するケーブルが正常のようであれば、他に特別なことがどこかにないかチェックしてください。