アプリケーション・ノート

CertiFiber® Pro を使用して、Corning マルチモード Pretium EDGE® タップ・モジュールをテストする方法

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概要

Corning Pretium EDGE® タップ・モジュールは、監視目的での光ネットワークへのパッシブ・タッピングを可能します。同モジュールには、各光信号をネットワーク・リンク・トラフィック用に 1 つ、モニタリング用に 1 つ、合わせて 2 つの出力に分割するスプリッターが含まれています。取り付けられたモジュールが正常に動作することを確認し、Corning の保証条件を満たすために、モジュールが取り付けられた状態でネットワーク・リンクの損失を測定する必要があります。または、モジュールからタップ・リンクの損失を測定し、モニタリング機器へのリンクが正常に動作していることを確認することもできます。

EDGE タップ・モジュールを通して損失測定を行う際の重要点:

  • タップ・モジュール内のスプリッターの損失が、一方向で低く、もう一方の方向で高いため、モジュールを通した損失は一方向のみ測定します(双方向テストは行いません)。
  • マルチモード・タップ・モジュール内のスプリッターは、850 nm VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)向けに最適化されているため、850 nm でしかテストしません。
  • タップ・モジュールの LIVE ポートから遠端の EDGE モジュールまでのネットワーク・リンクは全二重であるため、スマート・リモート・モードの CertiFiber Pro でテストします。タップ・ポートを通るリンクはすべて出力であるため、遠端光源モードの CertiFiber Pro でテストします。

必要機器

  • Versiv メインおよびリモート・ユニット
  • CertiFiber Pro マルチモードまたは 4 波長光損失試験セット(OLTS)モジュール x 2
  • LC/LC 50 μm マルチモード・テスト基準コード x 2
  • 50 μm/ 125 μm ファイバー、SC/LC コネクター用エンサークルド・フラックス・テスト基準コード(EF-TRC) x 2
  • デュプレックス LC/LC アダプター x 1、またはシンプレックス LC/LC アダプター x 2
  • Corning Universal 極性付き MTP/LC 12ファイバー ファンアウト・ケーブル x 1
  • ファイバー検査マイクロスコープ(FiberInspector ビデオ・プローブなど)と LC アダプター
  • LC および MTP コネクター用のファイバー・クリーニング用品

損失バジェットの計算

CertiFiber Pro テスターのカスタム・リミット機能は、スプライスと 1 種類の MTP/MPO モジュールを含むリンクの長さベースの損失バジェットを計算できます。EDGE タップ・モジュールと EDGE モジュールの損失が異なるため、両タイプのモジュールが使われるリンクでは、手動で損失バジェットを計算する必要があります。EDGE システムでテストする 3 つのパスごとに損失バジェットを計算します。次に、損失バジェット値に設定された固定の損失バジェットで、カスタム・テスト・リミットを作成します。

図 1 で示すように、リンクごとにこれら 3 つのパスで損失バジェットを計算します。

  • ネットワーク・リンク。ネットワーク・リンクの長さが異なる場合は、リンクごとにバジェットを計算する必要があります。
  • 近端からのタップ・ポート・リンク(オプション)。
  • 遠端からのタップ・ポート・リンク(オプション)。ネットワーク・リンクの長さが異なる場合は、リンクごとにバジェットを計算する必要があります。

表 1 では、損失バジェットの計算に使う値を示しています。

図 1. 損失バジェットを計算するための 3 つのパス

図 2 では、遠端からタップ・ポート、そしてファンアウト・ケーブルを経由するテスト用の損失バジェットの計算例を示しています。この例では、ファンアウト・ケーブルの端の LC 接続の損失は含まれていません。

計算には、600 m のトランク・ファイバーと 10 m のタップ・ポート・ファンアウト・ケーブルが含まれます。

  • ネットワーク・リンクの 600 m の OM4 EDGE トランク・ファイバーの損失:2.8 dB/km x .6 km = 1.68 dB
  • タップ・ポート・ハーネスの 10 m の OM4 EDGE トランク・ファイバーの損失:2.8 dB/km x .01 km = 0.028 dB

図 2. ネットワーク・リンク・テスト用の損失バジェットの計算例

他の損失バジェットの計算例については、Corning Web サイトにある Corning Standard Recommended Procedure (SRP) 文書番号 003-126 を参照してください。

カスタム・テスト・リミットの設定

次は、損失バジェット値を含み、850 nm でしかテストしないカスタム・テスト・リミットを作成します。最初に入力する損失バジェット値は、一番始めにテストするネットワーク・リンク用です。

  • ホーム画面で、テストのセットアップ・パネルをタップします。
  • [テストの変更] 画面で、CertiFiber Pro テストをタップしてから、[編集] をタップします。
  • [テストのセットアップ] 画面で、[テスト規格]、[その他]、[カスタム]、[管理] の順でタップします。
  • [カスタム管理] 画面で、[作成] パネルをタップします。
  • [NEW CUSTOM LIMIT](新規カスタム・リミット)画面で、[Enter New Limit Name](新規リミット名の入力)をタップし、キーボードを使用して名前を入力して、[完了] をタップします。
  • [NEW CUSTOM LIMIT](新規カスタム・リミット)画面で、次の設定を行います。
    • Max length: Enter a value that is longer than the longest trunk in the fiber network.
    • Loss Budget: Select Fixed.
    • Wavelength specific settings: For Overall Loss @ 850 (dB), enter the calculated budget for the first network link you will test. ネットワーク・リンクの長さが異なる場合は、各リンクをテストする前に、この値を適切に変更する必要があります。
    • その他の波長の Overall Loss については、N/A のままにします。
  • [保存] をタップします。
  • One the TEST LIMIT screen, tap twice to go back to the TEST SETUP screen.
  • [テスト規格]、[その他]、[カスタム] を順にタップし、作成したカスタム規格をタップします。
  • [テストのセットアップ] 画面で、次の設定を行います。
    • Test Type: Smart Remote
    • Bi-Directional: Off
    • Fiber Type: Select a fiber type that is correct for the type you will test.
    • Reference Method: 1 Jumper. 基準値を設定するときに各光ファイバー・パスで使用するジャンパーの数です。
    • Connector Type: Select MPO Module. 使用するコネクター・タイプの設定を保存します。この設定により、テスト結果やテスターが表示する図表が変わることはありません。
    • No. of MPO Modules/Splices: The Total MPO Modules and Splices settings do not apply because you are using a fixed loss budget. ジャンパー基準値設定は 1 です。
  • [テストのセットアップ] 画面で、[保存] をタップします。

スマート・リモート・モードでの基準値設定

注記

To only set the reference, and not measure the loss of your test reference cords, tap SKIP WIZARD on the SET REFERENCE screen.

  • テスターとリモートの電源を入れ、5 分間ウォームアップさせます。これらが環境温度と等しくない場合は、長めに放置します。
  • テスター、リモート、テスト基準コードのコネクターをクリーニングして、検査します。
  • ホーム画面で [基準値の設定] をタップします。
  • [基準値の設定] 画面で [ウィザードの実行] をタップします。
  • 画面および図 3 に従って接続を行い、[次へ] をタップして完了した接続を確認します。
  • リンクに追加接続するテスト基準コードの長さを入力するには、[基準値の設定] 画面の [TRC 長さ] をタップします。入力した長さによってテスト結果が変わることはありません。テスターは、TIA レポート要件を満たすために、結果とともに長さを保存します。
  • [基準値の設定] をタップします。. 接続ウィザードを使用していない場合は、ページ 8 の「スマート・リモート・モードでのネットワーク・リンクのテスト」を進んでください。

図 3. スマート・リモート・モードでの基準値設定と TRC テストの接続

接続ウィザードを使用している場合は、追加するテスト基準コード(TRC)を検証します。

  • [基準値の設定]画面で、基準値設定手順を完了したら、[次へ] をタップします。
  • テスターの入力ポートからテスト基準コードを取り外し、画面および図 6 に従ってテスト基準コードとアダプターを使用して接続を行い、TRC を検証します。.
  • [TRC 検証試験] をタップします。テスターは、追加されたテスト基準コードの損失を測定して、結果を保存します。The ID for this results start with “TRC”, show the date and time of the test, and have an for the test result. TRC の損失が 0.15 dB を超える場合、テスターに警告が表示されます。テスターに警告が表示された場合、TRC のコネクターをクリーニングおよび検査し、基準値を設定して TRC 検証をもう一度行います。