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ケーブル敷設の利益を向上するには?Save time

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概要

「時は金なり」の古いことわざは、ケーブル試験にも当てはまることです。ここ 25 年のテスト/認証のツールおよび技術の進歩により、リンク認証時間がたった数秒に短縮され、企業向けケーブル敷設配線業者は、テストおよび認証コストを削減できるなどの大きな利益を享受しています。それでもやはり、どのような敷設でも、貴重な時間を費やす余分なステップが発生し、コスト増につながっています。ケーブル・テスト方法の急進展により、敷設業者はテストやレポート作成の問題に取り組む時間を 50% 短縮し、全体の利益幅を最大 10% 増加させることができます。

生産性に影響を及ぼす問題

試験や認証をより効率的にするための方法を探るため、フルーク・ネットワークスは、ケーブル敷設業者を対象に、各種試験の関連作業にかかった時間を調査しました。調査では、驚くべき結果がでました。1つ覚えておくべき重要なポイントは、テスト・プロセス中の問題や非効率性は、利益率に大幅なマイナス影響を与えていることです。例えば、平均的な 1,000 リンクのジョブでは、次のような影響があります。

  • ケーブルを間違ったリミット値でテストし、再テストが必要になったために無駄にする時間が 4.3 時間
  • 仕様と一致しないケーブル ID を編集するために消費する時間が 3.2 時間
  • 複数のテスターに保存された結果を統合するために失われる時間が 3.1 時間
  • リード技術者がテスターをセットアップするのに待つ時間が 2.9 時間

合計で、一般的な 1,000 リンクのジョブにおいて、敷設業者がこれら問題に対応するためにかかる時間が 40 時間を超えることになります。

つまり、これら問題を是正し、今後避けることができれば、この余得は、ケーブル敷設業者にとっては収益増を意味し、それを潜在顧客に回せば、より競争力のある入札をも意味します。

米国の敷設業者向けの別の調査では、ケーブル配線に実際にかけている時間は全体の 63 % であると報告されています。配線を終えると、残りのプロジェクト時間の 14% が試験関連の作業、6% がレポート作成、8% が作業のやり直し、そして 9% が不測の事態やその他の活動に時間をかけているとのことです。試験、レポート作成、作業のやり直し、トラブルシューティングといった敷設作業以外の部分は、機能拡張されたテスト・システムを導入することでコストを削減できる格好の材料と言えます。

企業は、コスト削減および増益を実現するための策として、経験不足の作業者によって生じるミスを無くす、経験が少ない設置作業員が経験豊かなスタッフの助けを待つことによって生じる遅延を防ぐ、計画やセットアップ時の間違いを減らす、トラブルシューティング時間を短縮する、再試験の必要性を減らす、不必要な移動時間を無くす、非効率なレポート・プロセスの合理化などを挙げています。

熟練労働者の不足は、新たなケーブル試験方法の必要性を生む

現場では、間違いを最小限に抑えるためにさまざまなアプローチが取られています。その一つが、より熟練した社員を採用することです。しかし、ケーブルやファイバー・テストを十分に理解する人材はめったにいません。フルーク・ネットワークスが調査した事業主の 78% は、技能の高い作業者を見つけることが課題だと報告しています。

More training for inexperienced employees can certainly help – Fluke Networks has trained over 10,000 technicians in our Certified Cabling Test Technician (CCTT) program. その一方で、トレーニング・クラスの受講料は高く、職場を離れなければならないデメリットがあります。またこの際の移動時間も、コスト増につながります。コスト増の別の原因に、定期的な離職があります。この業界の仕事の性質上、常に臨時労働者の流出入が発生します。これは、翌月には競合会社で働く社員に投資する可能性があることを意味します。

どんなに経験が豊富な製品マネージャーでも、あらゆる問題を防げるわけではありません。敷設会社の事業主の 80% 以上が、仕事が適切に行われるようにプロジェクト・マネージャーが監督していると報告しているものの、今日のケーブル敷設ビジネスにおいて、これはますます難しくなっています。ほとんどのプロジェクト・マネージャーは同時に複数のジョブに取り組んでいます。1 つのジョブだけでも、フロアからフロアに移動し、設置チームがジョブの他の部分を完了するのを待たなければなりません。敷設業者の 70% は、テスターがジョブから別のジョブに移動し、また元のジョブに戻ることが毎月 1 回以上あると報告しています。このような過労のマネージャーが、すべてのジョブですべてのテスターがいつも適切にセットアップされ、使用されていることを徹底できるはずもありません。これらすべての理由から、利益率を上げるより最善の方法は、間違いの余地を減らすテスト・システムを設計し、ジョブの全体効率を上げることです。上記のような問題の例は蔓延しているものであり、世界の 800 社以上の敷設業者に対する調査において、間違ったリミット値でテストをしたために、リンクの再テストが必要になったと答えています。また、37% の回答者は、マイナス損失のファイバー測定結果が出たと報告しています。光ファイバーの損失がマイナスになることは、100 メートル競走でマイナスの時間を記録するようなもので、正しくないことは明らかです。

問題とコストを減らす完全なアプローチ

フルーク・ネットワークスは、これら問題を排除し、敷設業者の生産性を向上するために、2 段階のアプローチを採用しています。第一に、技術者がより効率的に働けるようにテスターを設計することです。第二に、プロジェクト・マネージャーがかつてないほどうまくケーブル配線プロジェクトの認証を管理できるようにシステムを設計することです。

ジョブを中心にテスターを設計する

複数のジョブが複数のチーム、テスターによって行われ、数多くの要件がある場合は、テストの管理に時間がかかり、エラーの原因にもなります。ジョブが大きくなればなるほど、プロジェクトの整理がこれまで以上に重要になります。テストを個別にセットアップする代わりに、ジョブの詳細情報をすべて含む完全なプロジェクト・ファイルを作成するようにします。これにより、プロジェクトが変わるたびに、詳細情報を再入力する必要が無くなり、セットアップのミスを排除できます。1 つのプロジェクト・ファイルを複数のテスターで共有すれば、セットアップがさらにスピーディーになり、ミスの可能性を減らせられます。

問題を防止するためにテスターを設計する

テスターにオートメーションを組み込むことで、よくあるセットアップの問題の多くを防げます。例えば、不適切な基準レベルにより生じるマイナス損失の測定結果は、比較的複雑なプロセスです。このプロセスにおける間違いは、以降の測定値をすべて不正確なものにしてしまい、作業全体の「やり直し」が必要になります。この問題を解決するには、テスター自体が順を追ってユーザーにプロセスを案内し、それぞれの設定が正しく行われることをチェックします。フルーク・ネットワークス機器の以下の一連の画面に、このプロセスの一部のステップを示しています。各ステップが完了すると、ユーザーは [次へ] をタップします。すると、テスターはそのステップが完了したことを確認し、次のステップを表示します。

問題をより迅速に解決するためにテスターを設計する

フルーク・ネットワークスのお客様によると、ケーブル認証プロセスにおいて必要以上に時間がかかるのは、問題のトラブルシューティングです。米国の調査に参加した 300 社以上の請負業者によると、リード技術者がトラブルシューティングするのを待つために、ジョブあたり 8.4 時間が無駄になるそうです。弊社は、テクニカル・サポート・チームの 162 年にわたるケーブル試験の経験を活用し、その知識を機器に組み込みました。その結果が FAULT INFO 機能です。最もややこしいケーブル配線の問題も、ワンタッチで簡単に解析してくれ、どんな技術者もエキスパートに変貌させます。

詳細な障害情報により、チームの全員がトラブルシューティングの専門家に変身します。

管理の新たなアプローチ

プロジェクト・マネージャーも、リード技術者も、すべてのジョブのすべてのテストを現地で監督することはできません。そのため、フルーク・ネットワークスは、どこでも、誰でも、どのデバイスでも、認証ジョブを管理できるクラウドベース・サービスの LinkWare Live™ を開発しました。これにより、プロジェクトの可視性が高まり、利益を削るミスが少なくなります。

テスターのセットアップ

すでに述べているように、テスターを不適切にセットアップすることの代償は、高くつく可能性があります。LinkWare Live を使えば、プロジェクト・マネージャーは、ケーブル ID からファイバー損失のリミットまで、プロジェクトのすべてのパラメーターを、事務所の任意のデバイスのウェブ・ブラウザーからセットアップできます。現場の技術者は、Wi-Fi 経由でテスターをクラウド・サービスに接続し、プロジェクト設定をダウンロードできるため、ミスを犯すチャンスを排除できます。

進捗状況の追跡

チーム・メンバーは、テストを終え次第、現場から直接 LinkWare Live に結果をアップロードします。このため、事務所にテスターを持ち帰る移動時間が無くなり、プロジェクト・マネージャーは、どこからでも PC、携帯、タブレットからチームの進捗状況を追跡できます。これに増して重要なのが、LinkWare Live は、予定外のテストをすべて自動的にフラグ付けします。これにより、プロジェクト・マネージャーは間違ったテストがたくさん行われる前に、早期に問題を発見することができます。LinkWare Live は、マップ上でテスターの位置を教えてくれるため、高価な資産を追跡するのに役立ちます。

LinkWare Live は、テスト・ジョブのステータスを追跡し、予定外のテストについても警告し、テスターが最後に使われた場所も教えてくれます。

結果の集約

複数のジョブに複数のテスターが存在する中、一般的なジョブにおいて、テスターを追跡して結果を集約するのに 3 時間以上もかかるのは驚くようなことではありません。しかし、LinkWare Live を使えば、テスト結果は正しいジョブにアップロードされ、すぐにレポートが作成されます。テスターを捜索する必要もなければ、結果をダウンロードするために事務所に運転して持ち帰る必要もありません。

最終利益

フルーク・ネットワークスは、Versiv 製品だけをほぼ使用する企業、Versiv デバイスを何パーセントが展開している企業、そして Versive 製品を全く所有していない企業を対象に、Versiv ケーブル・テスト・システム、異種デバイスが混在しているシステム、そして Versiv が使われないシステムの効率性を比較しました。全体的に、Versiv の所有者は、試験やレポートにかかる時間が 66% 少ないと判明しました。Versiv の普及率が 0% から 50%、そして 100% と上がるにつれ、試験とレポートにかかる合計時間が 15% から 8%、 5% と減り、利益率がそれぞれ 7% と 10% 向上していることが分かりました。時間を節約することは、お金の節約につながり、最終的な収益の向上を意味するのです。

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