ホワイトペーパー

データセンターに適した OTDR の選定

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概要

データセンターの光ファイバー配線の信頼性を確保するため、ネットワーク技術者には、インフラの完全性をより正確に、より簡単に、そしてより迅速に評価する方法を必要としています。

適切な機器を選択すれば、次世代のデータセンターの試験要件を満たすばかりでなく、技術者の作業を効率化し、ネットワークの信頼性を高めることもできます。

はじめに

企業ネットワークの統合と連携したサーバーおよびネットワークの仮想化により、データセンターのインフラは大きく変化しつつあります。データセンターは、その規模の拡大と高速化を進めるだけでなく、そのアーキテクチャ、特に物理レイヤに関しても複雑化の一途をたどっています。サーバー、記憶装置およびネットワーク機器間の通信トラフィックはこれまでにないほど光ファイバー配線使用量を増大させています。こうした中、現在市販されている診断ツールで高い可用性を維持することは、ほとんど不可能となっています。データセンターの光ファイバー配線の信頼性を確保するため、ネットワーク技術者には、インフラの完全性をより正確かつ迅速に評価する方法が必要です。このような通信に求められる性能要件の変化により、ほとんどの既存の試験装置は時代遅れのものとなっており、それらに代わるものとして、企業の光ファイバー配線性能の特性付けと認証試験のできる新たなクラスの OTDR (Optical Time Domain Reflectometer) が必要となっています。

本ホワイト・ペーパーは、光ファイバー敷設担当者やネットワーク技術者の方々が、OTDR を選定される際に知っておくべき重要なパラメーターについて、より理解を深めていただくことを目的としています。適切な機器を選択すれば、次世代のデータセンターの試験要件を満たすばかりでなく、技術者の作業を効率化し、企業の光ファイバー・ネットワークの信頼性と価値を高めることもできます。最初に、データセンターがどのように変わりつつあるかについての概要を提示し、その後、これらの変化が光ファイバー配線の試験要件に与える影響について述べます。その後、進化を続ける試験要件を満たすことのできる OTDR 選定の基準についてご説明します。

光ファイバー・テクノロジーの変化を加速させている要因とは?

モジュラー式ケーブル配線システム
プラグ・アンド・プレイで使用できるモジュラー式または成端済みの光ファイバー・ケーブル配線は、現場で成端処理を行うよりも簡単かつ安価に敷設できるため、使用されることが多くなっています。問題は、成端済み光ファイバーが「良好」であると保証されるのは、メーカーの工場出荷時のみであることです。光ファイバーはその後運搬され、保管され、データセンターに設置される際には、曲げられたり引っ張られたりすることになります。光ファイバー・ケーブルが配備されるまでに、その性能にはありとあらゆる種類の不安定要素がもたらされます。実際に使用する場合は、成端済みケーブルの設置後に適切な試験を行うことでのみ、性能を保証できます。

 

データセンター内の機器の高密度化・高速化
データセンターの規模が拡大するにつれ、企業 IT 部門のほとんどは消費電力を最小限に抑え、コストのかかるフロア・スペースを縮小する方法を求めています。運用費用を抑える戦略の 1 つが、高速・高密度のネットワーク機器と記憶装置を使用して、データセンターを統合化することです。これらの次世代デバイスは通常、トラフィック転送用に 10Gbps 以上の高速光ファイバー・リンクを備えています。このような変化は、データセンター内での光ファイバーの使用量を大幅に増加させています。

企業に必要不可欠な IT サービスを常に利用可能な状態に保つ責任を負う、データセンター・オーナーは、その光ファイバー配線インフラを強化しておく必要があります。

何千もの光ファイバーが敷設されていることから、次のことができなければなりません。

1.  光ファイバーのすべてが適切に、最大の効率で使用できるよう敷設されていることを徹底した認証試験を行い、文書化すること。

2. 可能な限り迅速に問題を解決し、光ファイバー・ネットワークのダウンタイムを最小限に抑えること。

 

仮想化がもたらす利点と問題点
データセンターにサーバーとネットワークの仮想化技術を導入することで、ネットワークに重大な影響が及ぼされます。この影響には、次の 2 つが含まれます。第 1 に、仮想化を行うと、複数のサーバーのリソースを少ない台数の物理プラットフォームに統合化できます。これにより、仮想プラットフォーム間を流れるデータ・トラフィックは飛躍的に増加します。第 2 に、これらのトラフィックは、直接取り付けられている記憶装置へ送られる場合もあれば、スイッチを経由してネットワークに取り付けられている記憶装置や他のサーバーへ送られる場合もあります。また、大規模な企業ネットワークへ送られる場合もあります。これらのことから来る要件を満たすため、データセンターは End-of-Row (EoR) および Top-of-Rack (ToR) ネットワーク・トポロジーを使用して仮想化に対応しています。

  • EoR – topology places a switch at the logical end of a row of racks, replacing a single tier of home-run connections with two tiers of switches. Tier 2 を追加することで、ネットワークの順応性が高まります。EoR では、下位 Tierのケーブル長をラック列の長さまで短くすることができます。ケーブルが短いと、通常は取り付けや交換が容易になります。EoR トポロジーでは、機器の構成を変更した場合の影響はラック列内のみに留まり、データセンター全体に及ぶことはありません。EoR では、既存の物理ネットワークの要素の一部を再利用することができます。ただし、大規模なアップグレードを行うことが一般的です。
  • ToR –topology dedicates an Ethernet switch to every rack. ToR スイッチは、各ラック内のサーバー、記憶装置、ネットワーク機器を相互に接続し、データセンターのアグリゲーション・ポイントへのトランク接続を行います。ToR も物理接続を 2 つのTier に分割しますが、ラック内でのモジュール性は EoR トポロジーよりも優れています。

    EoR、ToR のどちらのトポロジーも、仮想化に必要な帯域幅需要をサポートしており、ケーブル接続のための新しい性能要件の必要性を高めています。ToR 構成の場合、ラック内のファイバー配線は通常、6 m 未満です。サーバー、記憶装置、ネットワーク機器の接続には通常、配線を簡素化させ、機器への接続を楽にするため、短いパッチ・コードを持つパッチ・パネルが使用されています。このため、以下の新たな問題が発生しています。

1.  機器をパッチ・パネルへ接続する光ファイバーが高密度で集中するため、敷設作業者が光ファイバーの極性を間違える恐れがある。

2. ほとんどのファイバー試験ツールでは、短いパッチ・コードの品質や施工の不具合を検出できない。

仮想化の進展につれ、データセンターのネットワークは根本的に変化することになります。仮想化された機器に必要な帯域幅を提供するため、データセンター全体で、10Gbps、40Gbps、または 100Gbps のリンクが使用されるようになります。光ファイバー・リンクに少しでも不確実な要素があると、これらの仮想サーバーに接続するネットワークの安定性、信頼性が危うくなります。使用している光ファイバーを、コンポーネント・レベルまで詳細に解析された情報により認証を行い、適切な文書化を行うことが非常に重要です。

データセンター OTDR の重要な選定基準

データセンターが技術的な進歩を遂げている現在、基幹ネットワークに影響する重要なサーバーやネットワーク、記憶装置を接続する光ファイバー・ネットワークの試験要件は劇的に変化しています。お客様のネットワークを試験するために最適な OTDR を選択すれば、ネットワークの信頼性を高めることができるだけでなく、作業のスピードや作業効率を高め、作業品質の文書化も行うことができます。ここでは、OTDR の基本的な試験性能の他に、ユーザーが OTDR を選定する際に検討すべき判断基準について説明します。

1.  A simplified and task-focused user interface: Populating a datacenter with thousands of tested fibers is an enormously time consuming job. 光ファイバーの状態を良好に保つことも同じく困難であり、迅速なトラブルシューティングが非常に重要になります。現在市販されている OTDR の大部分は、複数の通信事業者アプリケーションに対応するように設計されています。その結果、多くの機種で、ユーザー・インターフェースが非常に複雑になっています。ユーザーは、多数のボタンやコントロールを使用しながら、入り組んだマルチレベルのメニューを操作しなければなりません。そのような機器は、通信回線を毎日試験する光ファイバー管理の専門家にはふさわしいでしょうが、企業ネットワーク技術者に適しているとは言えません。企業ネットワークのためのワークフローに合わせて設計された OTDR は、直感的に操作できるユーザー・インターフェースと非常に進んだ操作性を兼ね備えています。使いやすくシンプルな試験装置は、使用方法をすぐに習得でき、試験時間を短縮できます。これは、最終的に経費節減につながります。

2. Precision fiber channel information: With the increasing use of short patch fibers and multi-fiber connectors, details on every link—loss, connector, and reflectance—are critical to ensuring performance. 減衰デッド・ゾーンが 3 m を超える OTDR は、データセンター・ファイバーの試験にもはや適さなくなりました。リンク損失バジェットを大きくしすぎたり、重大な信号劣化を引き起こしたりする問題を検出するには、デッド・ゾーンが非常に短くなっている必要があります。加えて、問題を迅速に解決するには、さまざまなスキル・レベルのユーザーが光ファイバーのトラブルシューティングを効率的に行い、ネットワークをより迅速に復旧させられるよう、故障やイベントをシンプルでグラフィカルな形で表示する必要もあります。

3. Effective planning and documentation: As datacenters grow and change, coordinating projects and ensuring that all fibers are installed with certified quality is challenging. プロジェクト管理のためのソフトウェア・アプリケーションは数多くありますが、OTDR に組み込まれているものは、最近まで皆無でした。ケーブル 1 本単位でのプロジェクト管理機能が組み込まれていれば、時間を節約し、プランニングを容易にすることができます。OTDR を選定される場合は、PC を使用しなくても毎日の活動をプランニングできるよう、プロジェクト管理機能を備えた機種をお選びください。そうすれば、1 台のツールで試験結果のすべてを管理し、モニターし、統合し、文書化することができます。

OptiFiber® Pro:フルーク・ネットワークスのソリューション

フルーク・ネットワークスの OptiFiber Pro OTDR は、データセンターの光ファイバー配線技術者のために開発された専用光ファイバー・テスターです。先進的な光学技術を駆使し、ベテランの光ファイバー試験者や経験豊かなユーザー・インターフェースのエキスパートの意見を取り入れて開発された OptiFiber Pro は、導入後すぐに効果をもたらすユニークな機能を備えています。作業効率を高め、運用コストを削減すると同時に、今までにない精度と詳細さで光ファイバー・インフラを試験することができます。

OptiFiber Pro の画期的な機能の主なものは、以下の通りです。

  • 初採用のスマートフォン・タイプのユーザー・インターフェースにより、使用方法習得までの時間や試験結果の解釈にかかるコストを最小限に抑えることができます。また、OTDR の操作方法も、非常にシンプルになっています。
  • 「データセンター」モードを使用すると、波長やエンド (端) 検出アルゴリズム等の試験パラメーターの設定プロセスを自動化できるため、セットアップ時間を大幅に短縮できます。また、データセンターのトラブルシューティングの方法も簡単になります。
  • イベント・デッド・ゾーンや減衰デッド・ゾーンが非常に短いため、データセンター (特に仮想化されたデータセンター) で一般的に使用される短いコネクターやパッチ・コードを検出できます。
  • 革新的な EventMap™ 表示で、光ファイバー・イベントのすべてをグラフィカルに表示します。このため、ユーザーは誰でも、どのようなタイプのファイバー・インフラに対しても、その特性を把握してトラブルシューティングを行うことができます。
  • 強力なプロジェクト管理ツールを内蔵しているため、複数の作業者に対し、光ファイバー試験作業を割り当て、記録をとることができます。これにより、プロジェクト内容を視覚的に確認することが容易になります。また、コスト効率よく本器を共有することも可能になります。
  • LinkWare™ は、ワークフロー管理を容易にする管理ソフトウェアです。このソフトウェアには、試験結果を文書化し、OTDR のソフトウェアを最新に保つ機能も備わっています。
  • 将来を見据えた Versiv(TM) 設計となっており、カテゴリー 8 のメタル線認証、光ファイバーの損失測定と検査にも対応します。
  • SmartLoop™ 技術により、OTDR をリンクの遠端まで移動させることなく、TIA-568.3-D 規格要件に適合した、2 本の光ファイバーの双方向テスト、および測定値の平均化を数秒で行えます。
  • LinkWare™ Live と統合して、あらゆるスマート・デバイスからジョブおよびテスターを管理できます。

概要

企業にとって必要不可欠なアプリケーションを確実に提供するため、データセンター・テクノロジは猛烈なペースで進歩を続けています。データセンター・インフラの完全性は、光ファイバー・ネットワークの信頼性に依拠しています。データ通信のための試験・測定装置の開発に長い経験を持ち、業界リーダーとしての地位を保っているフルーク・ネットワークスは、データセンターの光ファイバー・ネットワークのトラブルシューティングと認証を目的とする、非常に優れたエンタープライズ OTDR ソリューションを設計しています。OptiFiber Pro は、ケーブル敷設担当者やネットワーク技術者の皆様の時間を節約できるだけではありません。皆様の作業品質を高め、高い評価を得ることにも役立ちます。これは、新たなビジネスやビジネス・チャンスへの道を開くことにもつながります。

To learn more about OptiFiber Pro OTDR, visit our fiber testing solutions center at www.flukenetworks.com\optifiberpro

DSX CableAnalyzer™ シリーズ – メタル配線認証プロセスのすべての手順を迅速化

DSX CableAnalyzer シリーズは、Cat 6A、8、クラス FA、I/II、およびすべての現行規格のメタル線認証を比類なき試験スピードで効率性を高めます(最も厳格な確度要件の TIA レベル 2G への適合が Intertek によって検証済み)。ProjX™ システムは、セットアップからシステム承認までの作業要件と進捗状況を管理し、すべての試験が正しく完了していることを確認できます。Taptive™ ユーザー・インターフェースは、セットアップを簡単にし、ミスを無くします。また、クロストーク、リターン・ロス、シールド障害などの障害の原因をグラフィカルに表示して、トラブルシューティングを迅速化させます。Linkware™ Live との相互稼働が可能LinkWare Live を使えば、ジョブの進捗状況を追跡、テスト結果にリアルタイムにアクセスして現場で迅速に問題解決、テスターから LinkWare™ PC ケーブル・テスト管理ソフトウェアにテスト結果を転送して集約が可能

CertiFiber® Pro - 光ファイバー認証プロセスのすべてのステップを迅速化

CertiFiber Pro は、3 秒間で 2 本の光ファイバーを 2 波長にて測定することができるため、光ファイバー認証試験の効率を向上させます。Taptive™ ユーザー・インターフェースは、セットアップを簡単にし、ミスを無くして、トラブルシューティングを迅速化させます。基準値の設定ウィザードは、正しい基準設定を確認し、マイナス損失のエラーをなくします。将来に備えた Versiv プラットフォームに装着された CertiFiber Pro は、OptiFiber Pro モジュールと組み合わせることで Tier 1(ベーシック)/Tier 2(拡張)の統合試験とレポートを提供します。便利な 4 波長モジュールはシングルモードとマルチモードの両方をサポートし、エンサークルド・フラックス規格に準拠しています。メタル配線認証、Wi-Fi 解析、およびイーサーネット・トラブルシューティング用のモジュールもご利用いただけます。LinkWare 管理ソフトウェアで、試験結果を解析し、専門的な試験レポートを作成できます。

FI-7000® – 光ファイバー端面の状態を 1 秒で自動合否判定

光ファイバー検査スコープの FI-7000 FiberInspector Pro を使用すると、光ファイバー・コネクターの端面を 1 秒で点検および認証できるため、測定や敷設作業を最初から正しく行うことができます。自動合否判定機能によって当て推量による判断が光ファイバー検査から排除されるため、誰でも光ファイバーの専門家と同じ技量で作業する事ができます。FI-7000 は、汚れ、へこみ、削り傷、および引っかき傷による問題箇所をグラフィカルに表示します。IEC 61300-3-35 の業界標準に基づいて簡単に光ファイバーの適合認証が行えるようになり、コネクター端面の状態確認から主観的判断を排除できます。認証プロセス中は、光ファイバー・コネクターの端面ビューを保存できます。