DX ソリューション - Versiv&新 JIS 規格での試験 Q&A 

DX (デジタル・トランスフォーメーション) に取り組む企業や組織に対して、高品質なネットワーク環境を提供するのが、フルーク・ネットワークスの Versiv ファミリー製品です。これらの製品は、ネットワークの設計、施工、および運用・トラブルシューティングの最適化に役立つソリューションを提供しています。



DX により高まる測定ニーズ

DX の普及に伴い、通信の確実性を保証するネットワーク配線の重要性がますます高まっています。洗練された配線は信号の安定性とパフォーマンスを向上させ、データの迅速かつ効率的な伝送を実現します。競争上の優位性やセキュリティ確保に貢献し、将来の拡張性と柔軟性も兼ね備えています。高品質なネットワーク配線はビジネスのパフォーマンスやセキュリティに直結し、デジタル・トランスフォーメーションの成功にも不可欠です。

新規格 JIS X 5153:2022 規格適合試験による信頼性の確保!

2022 年 12 月に制定された「JIS X5153: 2022 平衡配線設備 - エンド ツーエンドリンク (E2E)、モジュラプラグ終端リンク (MPTL) およびダイレクト・アタッチ配線設備 (DAC) で規定された測定の試験方法に準拠した DSX ファミリー製品は、DX の普及において不可欠なツールとなりました。また、セキュリティ・カメラや PoE アプリケーション分野でも需要が高まっており、これらの測定ニーズにも対応します。DSX ファミリー製品は、高度な測定要件を満たすことで、信頼性とパフォーマンスの向上に貢献します。

E2E、MPTL、DAC 配線設備の試験には欠かせないパッチ・コード・アダプター

JIS X 5153: 2022 で規定された MPTL、E2E、DAC の試験は、それぞれの目的に合わせたケーブルのパフォーマンスと品質管理に不可欠です。また、同時に制定された産業施設における一般的な配線に関する新規格「JIS X 5150-3: 2022 汎用情報配線設備-第 3 部:産業用施設」では、産業用イーサネット・アプリケーションの E2E 試験に特化した配線性能適合試験を行う必要があります。このような試験には、パッチ・コード・アダプターが不可欠であり、あなたの強力なサポートとなるでしょう。

JIS X5153: 2022 規格が 2022 年 12 月 20 日付けで制定されました!

カテゴリー別にパッチ・コード・アダプターをご用意!


DSX-PC5e (Cat 5e 用)


DSX-PC6 (Cat 6 用)


DSX-PC6A (Cat 6A 用)





「JIS X 5153:2022 平衡配線設備 ― エンド ツーエンドリンク,モジュラプラグ終端リンク及びダイレクト・アタッチ配線設備の測定」は、国際規格である「ISO/IEC 14763-4:2021 Information technology — Implementation and operation of customer premises cabling — Part 4: Measurement of end-to-end (E2E) links, modular plug terminated links (MPTLs) and direct attach cabling」を翻訳した JIS 規格です (技術的な内容は同じ)。

  この規格では、以下の内容が規定されています。
 
1.  E2E リンクの測定: クラス D、E、EA の 2 ペアおよび 4 ペアのバランス配線のエンドツーエンド (E2E) リンクの測定方法が規定されています。
2. モジュラープラグ終端リンク (MPTL) の測定: クラス D、E、EA、F、FA およびクラス I および II の MPTL の測定方法が規定されています。
3. ダイレクト・アタッチ配線設備の測定: クラス D、E、EA、F、FA およびクラス I および II のダイレクト・アタッチ配線設備の測定方法が規定されています。
  また、フィールドおよびラボの条件下で 2 ペアおよび 4 ペアの終端用フリー・コネクターも含まれています。ISO/IEC 14763-4:2021 の改訂では、以下の主な技術的変更が行われています:
 
モジュラープラグ終端リンク (MPTL) およびダイレクト・アタッチ配線設備の伝送性能の測定が追加されました。
E2E リンクのテストヘッド・デザインに関する追加要件が導入されました。
  この規格は顧客施設の配線に関する測定方法を提供し、各種の配線リンクにおける性能評価に役立つものです。
「JIS X 5150-3:2022 汎用情報配線設備―第3部:産業用施設」は、国際規格である「ISO/IEC 11801-3:2017 Information technology — Generic cabling for customer premises — Part 3: Industrial premises」を翻訳した JIS 規格です (技術的な内容は同じ)。

  JIS X5150-3:2022 (ISO/IEC 11801-3:2017) は、産業施設における一般的な配線に関する規格です。この規格は、産業用施設内の自動化アイランドに頑強なサービスを提供するために重要な役割を果たします。また、これらの施設には、「JIS X 5150-2:2021 汎用情報配線設備―第 2 部:オフィス施設」(ISO/IEC 11801-2:2017 Information technology — Generic cabling for customer premises — Part 2: Office premises) や「データセンター・スペース」(ISO/IEC 11801-5:2017 Information technology — Generic cabling for customer premises — Part 5: Data centres) で規定される) の一般的な配線も含まれます。

  つまり、JIS X5150-3:2022 (ISO/IEC 11801-3:2017) は、産業施設内の配線における一般的な要件を定義しています。これにより、産業用施設内の自動化システムや他の機器に対して信頼性の高い通信環境を提供することができます。

  この規格は、産業環境における配線に特化しており、JIS X 5150-2:2021 汎用情報配線設備の第2部:オフィス施設 (ISO/IEC 11801-2) で定義されるオフィス・スペースや ISO/IEC 11801-5 で定義されるデータセンター施設とは異なる要件が含まれています。

  要約すると、JIS X 5150-3:2022 (ISO/IEC 11801-3:2017) は産業施設における一般的な配線に関する規格であり、自動化システムや他の機器に対して信頼性の高い通信環境を提供するために重要な役割を果たします。
JIS X5150-3:2022 (ISO/IEC 11801-3:2017) と ISO/IEC TR 11801-9902:2017 は、E2E (エンドツーエンド) 試験に関連する規格ですが、それぞれ異なる目的と使い方があります。

  まず、JIS X5150-3:2022 (ISO/IEC 11801-3:2017) は、産業用施設の配線に関する規格であり、E2E 試験の基本的な要件が含まれています。この規格は一般的な E2E 試験のために使用されるべきです。

  一方、ISO/IEC TR 11801-9902:2017 は、情報提供的な技術報告書であり、E2E 試験において以下の 2 つの主な問題があります。

  クラス EA の欠如: ISO/IEC TR 11801-9902:2017 にはクラス EA が含まれていないため、クラス EA に関連する試験にはこの規格は適用できません。

  コネクター数に基づく異なるリミット値の選択要件:
ISO/IEC TR 11801-9902:2017 では、ユーザーはトポロジー (コネクター数) に基づいて異なるリミット値を選択する必要があります。しかし、ユーザーは通常、このトポロジーを正確に把握していないため、最悪条件 (6 コネクター) を使用する必要があります。しかしこれは JIS X 5150-3:2022 (ISO/IEC 11801-3:2017) と同じです。そのため、フィールド・テストでは JIS X 5150-3:2022 (ISO/IEC 11801-3:2017) の方が適切です。

  したがって、一般的なフィールドでのテストにおいては、JIS X 5150-3:2022 (ISO/IEC 11801-3:2017) の使用が推奨されます。ISO/IEC TR 11801-9902 は、熟練した研究および開発 (R&D) のための環境や、コネクター性能に対してより厳密な制御が必要なテストを希望する顧客に対して使用することができます。

  ISO/IEC TR 11801-9902 は、詳細な技術的情報や特定の状況に関する指針を提供するための報告書です。研究開発や特定の要件に対応するために、より高度なテストが必要な場合に利用されます。この規格は、より厳密な基準や試験条件を必要とする顧客や特殊な環境でのテストに適しています。

  一方、JIS X5150-3: 2022 (ISO/IEC 11801-3: 2017) は、一般的なフィールドでの E2E テストに使用される主要な規格です。産業用施設の配線に関連する基本要件が含まれており、実際の運用環境での性能を評価するための十分なガイドラインを提供します。

  つまり、JIS X5150-3: 2022 (ISO/IEC 11801-3: 2017) は広く受け入れられており、通常のフィールド・テストに適しています。一方、ISO/IEC TR 11801-9902 はより専門的な要件や高度な制御が必要な場合に適しています。適切な規格を選択するためには、顧客のニーズや特定のテスト条件を考慮することが重要です。
フルーク・ネットワークスの Versiv™ (バーシブ) プロダクト・ファミリー製品をお勧めします。
 
メタルからファイバーまでサポート:
メタル配線の認証、光ファイバー配線の認証/OTDR 試験 (光パルス試験)、光ファイバー端面の自動合否検査、トラブルシューティングまでカバーする製品群です。
最大の特長:
モジュール構成による多様な測定要求に対する柔軟な拡張性とファミリー製品に共通の一貫性あるインターフェースと業界初のプロジェクト管理機能の導入と業界標準のレポート機能がもたらす効率的な操作性と高い生産性です。
モジュール交換による拡張性:
Versiv ファミリーはホットスワップ可能な測定モジュール交換により、メタル配線の認証、光ファイバー損失測定、OTDR 試験のいずれにも対応可能です。

  Versiv™ (バーシブ) プロダクト・ファミリー製品の柔軟なモジュール構成
 
製品名 製品概要

DSX-8000 ケーブルアナライザー
DSX-8000 は、最大 40 ギガビットのイーサネットの対より線配線を対象とした測定と認証試験が可能なモジュールを装備することで、Cat 5e、6、6A、8 およびクラス I/II の最大 2,000 MHz までの認証試験を行います。

CertiFiber™ Pro 光損失試験セット
2 波長、2 本の光ファイバー認証試験の効率を改善し、試験をわずか 3 秒で実施できます。基準値設定の自動ガイダンス機能により、確実な基準値設定が可能になり、負の損失結果発生もなくなります。便利な 4 波長モジュールによって、シングルモードとマルチモードの両方に対応できます。

OptiFiber™ Pro OTDR
トレースの自動解析結果をグラフィカルに表示する EventMap 機能などシンプルでこれまでにない効率性、さらにキャンパス、データ・センター、およびストレージ・ネットワークのトラブルシューティングにまさに必要な機能群を組み合わせたツールで、現場の技術者を、専門知識を備えた光ファイバー専門技術者に変えてしまいます。

FI-7000 ファイバーインスペクター
光ファイバー端面の汚れやキズなどを Versiv のディスプレイ上で確認できます。業界標準規格 IEC 61300-3-35 に基づく光ファイバー端面の自動合否結果を提供し、また端面画像データを CertiFiber Pro の損失試験結果や OTDR 試験結果との統合したレポートの作成が可能です。
Q4 でご紹介した標準モデル以外に、目的に合わせて次の組合せキットをご用意しています。
型式 製品名 本体価格 ゴールド・サポート
1 年間モデル 定価 3 年間モデル 定価
DSX2-8000 DSX-8000 ケーブルアナライザー 2,310,000 GLD-DSX-8000 141,000 GLD3-DSX-8000 306,000
DSX2-8000MI DSX-8000, マルチモード光損失測定モジュール/Fiber Inspectorビデオ・プローブ・バンドルキット 3,280,000 GLD-DSX-8000 141,000 GLD3-DSX-8000 306,000
GLD-CFP-MM-ADD 120,000 GLD3-CFP-MM-ADD 261,000
DSX2-8000QI DSX-8000, 4 波長光損失測定モジュール/Fiber Inspector ビデオ・プローブ・バンドルキット 4,310,000 GLD-DSX-8000 141,000 GLD3-DSX-8000 306,000
GLD-CFP-Q-ADD 195,000 GLD3-CFP-Q-ADD 414,000
DSX2-8000QOI DSX-8000, 4 波長光損失測定モジュール/4 波長 OTDR モジュール/Fiber Inspector ビデオ・プローブ・バンドルキット 5,820,000 GLD-DSX-8000 141,000 GLD3-DSX-8000 306,000
GLD-CFP-Q-ADD 195,000 GLD3-CFPQ-ADD 414,000
GLD-OFP-MOD-Q 195,000 GLD3-OFP-MOD-Q 423,000
注記:定価は 2023 年 4 月現在の税抜き価格です。
DSX ケーブルアナライザーをすでにお持ちの方で、光ファイバーの損失試験あるいは OTDR 試験を実施したい方のために別途、専用のモジュールをご用意しています。

型式 製品名 本体価格
CertiFiber Pro ファイバー・モジュール・セット
CFP-MM-ADD CertiFiber Pro マルチモード・モジュール・セット 950,000
CFP-SM-ADD CertiFiber Pro シングルモード・モジュール・セット 1,190,000
CFP-Q-ADD CertiFiber Pro マルチ/シングルモード 4 波長モジュール・セット 1,810,000
OptiFiber Pro OTDR モジュール
OFP-MM OptiFiber Pro マルチモード OTDR モジュール 1,010,000
OFP-SM OptiFiber Pro シングルモード OTDR モジュール 1,040,000
OFP-QUAD OptiFiber Pro 4 波長 OTDR モジュール 1,520,000
OFP-Q-ADD OptiFiber Pro マルチ/シングルモード 4 波長モジュール・セット 1,770,000
注記:本体価格は 2023 年 4 月現在の税抜き価格です。

情報配線システムの規格には、大きく国際規格の ISO/IEC 標準規格および米国規格の TIA 標準規格があり、それぞれに配線規格と試験規格があります (下図参照)。

一般に GIGA スクール構想の時のような公共案件では JIS 規格に準拠した配線システムの敷設工事と試験が行われます。ただし、以下の例のように JIS 規格は ISO/IEC の翻訳規格となっています。

例:
JIS X 5150 (ISO/IEC 11801):メタル、光ファイバーの配線敷設規格
JIS X 5151 (ISO/IEC 14763-3):光ファイバーの試験規格

上述の ISO/IEC および TIA の配線規格は、試験結果が合格となれば基本的にはアプリケーション性能を満たすことが保証されています。

また、団体規格として IEEE の機器間の伝送方式 (主にデータリンク層と物理層) に基づくアプリケーション規格※1 があります。これは配線のエンド・ツー・エンド間の物理層の伝送性能を規定しています。配線規格を使用して合格となっても、実際の伝送性能を満たさない場合にはこのアプリケーション規格にもとづき仕様が決められる場合もあります。

※1: 例えば、アプリケーション規格の仕様記載の例として「GIGA スクール構想の実現標準仕様書」の「10 校内 LAN」中のフロア・スイッチの解説では、「10GBASET、10GBASE ER/LR/SR ポート に、10Gbps 対応ケーブルを接続することで、その区間は 10Gbps までの速度の通信が可能となる。」と記載があります。

ISO (JIS) と TIA ともに、配線システムを構成するコネクターやケーブルなどの配線部材と配線システム全体の性能の規定を行っていますが、ISO 規格では配線システムはクラス、配線部材に関してはカテゴリーと呼んでいます。ただし、TIA は両者に対してカテゴリーという呼び方を採用しています。
 
 
*クラス F、FA、クラスⅡのコネクターは RJ45 を使用しません (TERA コネクターまたは GG45 コネクター)。
 

メタル配線のカテゴリーごとの性能の違いは以下の表をご覧ください。

JIS で規定されている構造化情報配線システムの配線構成の定義には次の図 9-1 と図 9-2 に示すような接続形態が定義されています。

  図 9-1 は、分岐点 (CP) および情報コンセント (JIS での端末機器アウトレットに相当) を含む一般的な構造化情報配線システムの形態例で、図 9-2 は、パッチ・パネル間を接続する構内情報配線システムの形態例を示します。そして、図 9-1 と図 9-2 のそれぞれにはパーマネント・リンクとチャネルと呼ばれる定義区間があります。

これらの接続形態は、JIS ではサブシステムと呼ばれ、実際の配線システムは、図 9-1 のサブシステムだけか、あるいは、図 9-1 のサブシステムが図 9-2 の単数または複数のサブシステムと組み合わさったものとなります。


図 9-1: 情報コンセントを含む構内情報配線システムの一般的な形態例


図 9-2: パッチ・パネル間の構内情報配線システムの一般的な形態例

パーマネント・リンクはチャンネルの固定部分、言い換えれば変化しないチャンネルの一部分です。 つまり、パーマネント・リンクには両端にパッチコードや機器コードが含まれていません。 データ・センターでは、パーマネント・リンクは通常、パッチ・パネルからパッチ・パネルです。 LAN では、通常は電気通信室のパッチ・パネルから作業エリアのコンセントまたは CP (Consolidation Point:分岐点) までです。 パーマネント・リンクの最大許容長は 90 m で、チャネルは 100 m です。

また、測定対象には、パーマネント・リンクでは,敷設されたケーブル両端の接続部を含みますが、チャネルの場合、機器との接続部分は含みません。
一般的に敷設工事時における試験の対象はパーマネント・リンクとなります。

  パーマネント・リンク試験は、正にネットワークの基盤と見なされるためチャネル試験よりも優先されます。適切なデータ伝送はチャネル全体のパフォーマンスに依存しますが、チャネルは配線リンク内で物理的に最も脆弱なパッチコードにより構成されるため、業界規格ではパーマネント・リンク試験よりもマージンが多め (規格値が緩く) に設定されています。

つまり、パーマネント・リンクの部分に問題があったとしても高品質のパッチコードを使用してチャネル試験を行うと合格になることもありえます。それに加えて、パッチコードや機器コードは取り外しや持ち歩くことも多く、また、一般の販売商品と見なされることが多いため、指定されたベンダーとは別の (時には低品質の) 業者から購入されることもあります。 そのため、パーマネント・リンクを試験することが敷設時の配線性能を保証するための最良の方法になります。

したがって、配線規格に準じた配線施工を行う場合、施工業者はパーマネント・リンクの部分だけを構築して作業終了とする場合が多々あります。その後、パッチコード (機器ケーブル、ワークエリア・コード) は SI 業者やネットワーク・ユーザーが取り付けることになります。

チャネル性能は、規格に適合したパッチコードあるいは機器コードをパーマネント・リンクに接続すれば自動的に規格を満たすことを前提に性能が規定されています。仮にチャネル試験のみを行った場合は、試験時に使用したパッチコードを交換するべきではありません。パッチコードを交換した場合は改めてチャネルとしての試験を行う必要があります。
テスターの接続箇所はそれぞれ異なり、測定対象にも違いがあります。

  パーマネント・リンクの測定は、パーマネント・リンク・アダプターを使用して次の配線区間の性能を測定します。


図 11-1: パーマネント・リンク測定の構成


写真 11-1: パーマネント・リンク・アダプター

チャネルの測定は、チャネル・アダプターを使用して次の配線区間の性能を測定します (図 11-2 参照)


図 11-2: チャネル測定の構成


写真 11-2: チャネル・アダプター

ただし、パーマネント・リンクとチャネルの測定に関しては、テスターに装着した測定アダプターと測定対象のコネクターとの嵌合部分における違いがあります。

パーマネント・リンク・アダプターを使用した場合は、嵌合部分の測定は対象範囲となりますが、下図に示すようにチャネル・アダプターを使ったチャネル測定の場合は、パッチ・コードとチャネル・アダプターとの嵌合性能は測定の対象となっていません (図 11-3 参照)。理由は IEEE からの指針によるもので、パッチ・コードと機器との接続が RJ45 タイプのコネクター以外のあらゆるコネクターを想定しているため、仮に RJ45 用に嵌合特性を規定しても、他のコネクター・タイプにその規定を適用させることはできません。そのため、チャネルの要件から、この接続部分は除かれることとなりました。また、その接続部分によってリンク性能が劣化しないようにすることは、機器ベンダーの責任となっています。


図 11-3: チャネルの測定対象除外箇所

したがって、パッチ・コードを現場成端する場合には、Q12 で解説する専用のパッチ・コード・アダプターを使用して試験する必要があります。

※:リモート (子機) 側も同様にチャネル端は測定対象に含まれません。
専用のパッチ・コード・アダプターを使用して試験すべきです。理由は、チャネル・アダプターを使ったチャネル試験を利用して試験した場合は、Q11 でも説明した通り、パッチ・コードのプラグとテスターのチャネル・アダプターとの嵌合部分の性能が測定対象に含まれないためです (図 12-1 参照)。
 


図 12-1: チャネル・アダプターを使った測定例

一方、パッチ・コード・アダプターを使用したパッチコード試験ではパッチコードとパッチコード・アダプターとの嵌合部分も含めて規格書に定めるパラメーターの性能の合否判定が行われます (図 12-2 参照)。


図 12-2: パッチ・コード・アダプターを使った正しい試験方法

パッチ・コードの品質を正しく評価するためには、写真 12-1 のような専用のアダプターを用います。見た目はチャネル・アダプターと同じですが、モジュラー・ジャックには配線規格で定められた性能を有する専用モジュラー・ジャックが特別に採用されています。


写真 12-1: パッチコード・アダプター例

このモジュラー・ジャックは予め性能が分かっているため、測定対象物であるパッチ・コードのプラグと測定用パッチ・コード・アダプターのモジュラー・ジャックとの勘合特性から、測定用モジュラー・ジャックの既知の性能を差し引くことで、パッチコードそのものの特性が分かります。テスター・メーカは、このモジュラー・ジャックに特別に選別した ジャックを用いて、高品質なパッチコード測定を行えるようにしています。

パッチ・コードは、次の規格によってその性能が規定されています。
  • ANSI/TIA-568-2.D
  • ISO/IEC 11801:2017 および IEC 61935-2
フルーク・ネットワークスでは、それぞれの配線カテゴリーに適合するパッチ・コード・アダプターを用意していますので、測定に際しては適合する正しいパッチ・コード・アダプター (オプション) をご用意していただく必要があります (写真 12-2 参照)。


DSX-PC5e (Cat 5e 用)


DSX-PC6 (Cat 6 用)


DSX-PC6A (Cat 6A 用)

写真 12-2: カテゴリー別のパッチ・コード・アダプター例

※:各パッチ・コード・アダプター間の互換性はありません。

図 12-3 に Cat 5e のパッチ・コード試験規格選択画面例を示します。


図 12-3: Cat 5e のパッチ・コード試験規格選択画面例


パッチ・コード・アダプターに関する、さらに詳しい技術情報をご用意しています。

パッチコードは、敷設工事中あるいは実際に運用が始まった段階で接続されますが、往々にして作業現場で自作したパッチコードや、あるいは規格性能に対する認証試験を実施しないで出荷された、劣悪な品質のものが使われる場合があります。また、通信速度の高速化に伴い、エンド・エンド間の伝送を通信エラーなく行うためには、配線インフラの機器に直接接続するこれらのパッチコードにも、厳しい性能が求められています。

実際に、機器に直接接続されたパッチコードで発生した信号反射や信号の漏話(一般に NEXT と呼ぶ)は、減衰することなく、ダイレクトに伝送機器の通信性能に影響を及ぼすためその品質維持には各段の注意が必要です。

一端が RJ45 プラグで成端され、機器に直接接続された水平配線で、モジュラー・プラグ成端リンク (MPTL) と呼ばれるものです。従来の配線構成であるチャネル、パーマネント・リンクの他に、ビル・オートメーション、電子オフィス、セキュリティに関連する規格で認知されてきた MPTL は、ANSI-TIA568.2-D に取り入れられ、アウトレットや機器コードの使用が困難、またはセキュリティ上安全でないと考えられる状況での機器接続のための選択肢として承認されました。

  一般に、通常移動する必要がない機器 (例: セキュリティ・カメラおよび LED ライト) などへの接続用として TIA 規格で承認されました (図 13-1 参照)。


図 13-1: パッチ・パネルとの直接接続

なお、MPTL の試験方法は IEC 14763-4 の第 2 版で提供されおり、DAC (ダイレクト・アタッチ配線設備) や E2E とともに 2022 年 12 月 20 日付けで、JIS X 5153: 2022 として制定されました。

図 13-2 および 図 13-3 は、JIS X5153:2022 規格に適合する測定構成を示しています。当該図にはそれぞれ「2 点接続 MPTL」と「3 点接続 MPTL」構成を測定するための基準面を示します。


図 13-2: 2点接続 MPTL の試験構成例
(出典: JIS X5153:2022, 7.2, 図 2 - 2 点接続 MPTL の基準面)



図 13-3: 3 接続 MPTL の試験構成例
(出典: JIS X5153:2022, 7.2, 図 3 - 3 点接続 MPTL の基準面)

従って、配線仕様書に MPTL の試験規格が JIS X5153:2022 に適合することが要件として記載されている場合は、図 13-2 および図 13-3 MPTL の試験構成に示すように、DSX シリーズ・ケーブルアナライザーを使用するにはパーマネント・リンク・アダプターとパッチ・コード・アダプターを組み合わせた測定方法が必須となります。

MPTL を使用する場合には、チャネルとは異なり、もはやリンク内に 4 つのコネクターを使用することはできません。 ただし、MPTL を直接、機器に接続しているため、パッチコード試験と同じように、MPTL 試験でもプラグの性能を必ず確認するようになっています。

MPTL 試験では、現場で成端された MPTL のエンド・プラグを含めた性能をみるために、テスターのメイン・ユニット側にパーマネント・リンク・アダプターを使用し、遠端のリモート・ユニット側にパッチコード・アダプターを使用する必要があります (図 13-4 参照)。そのため、フルーク・ネットワークスではお客様の利便性を考慮し、パッチコード・アダプターおよび DSX パーマネント・リンク・アダプターをそれぞれ単体で提供しています。これらを使えば、規格選択画面で TIA テスト・リミット値の中の MPTL を選択するだけで試験が可能です。


図 13-4: MPTL の試験構成

この試験を実行するためのテスターの設定は、[テストのセットアップ] 画面で、[テスト規格] → [その他] の順に選択します (図 13-5 MPTL の設定例 (1) 参照)。


図 13-5: MPTL の設定例 (1)

次に、[規格グループ] 内の [TIA] を選択し、Cat 6A をタップした後、図 13-6 の右の画面上を上にスワイプして MPTL リミット値に移動します (図 13-6: MPTL の設定例 (2) 参照)。


図 13-6: MPTL の設定例 (2)

適合するカテゴリーのリミット値を選択します。

注記: モジュラー・プラグ成端リンク (MPTL) が TIA によって定義される以前に、MPTL と同様の目的で BICSI によって定義されたモディファイド・シングル・コネクター・パーマネント・リンクがあります (図 13-7 参照)。


図 13-7: モディファイド・シングル・コネクター・パーマネント・リンクの定義

チャネル・アダプター側のコネクターの勘合部分は、MPTL とは異なり、測定対象になりませんので使用する場合は注意が必要です。なお、ケーブル・ベンダーの保証を得るためにこのテストを行う場合は、要件についてベンダーにご相談ください。保証はフルーク・ネットワークスではなく、ベンダーによって発行されます。保証についてはベンダーが最終決定を行います。

さらに MPTL 関連の詳しい情報は下記のブログをご覧ください。
ブログ:MPTL:今日のコンバージド・インフラのための試験手順
ブログ:TIAが ANSIANSI-TIA568.2-Dで MPTL を承認 !知って おきたい基礎知識
元々は、従来の情報配線の基準設計では対応できないデータ・センターのラック内あるいは隣接ラック間の機器を直接接続する 30 m 以内の短い長さの両端プラグ付き Cat 8 ケーブルがそのアプリケーションでしたが、最近の CCTV カメラ、ワイヤレス AP、ビル・オートメーション・システム (BAS) 機器の普及に伴う必要性からその配線構成と定義が示された新たなリンクです。

  DAC (ダイレクト・アタッチ配線設備) は、「2 つの機器を接続する、両端にプラグがあり、中間に接続ハードウェアがないケーブル」と定義されており、ISO/IEC 11801-1 (情報技術 – 顧客宅内の一般的なケーブル配線 – パート1:一般的な要件) に従い、2019 年 7 月に発行された ISO/IEC のテクニカル・レポート ISO/IEC TR 11801-9907 で新たな性能が定義されています (同文書の Annex A では、25GBase-T および 40GBase-T をサポートするため Cat 8 に相当する 2,000 MHz 帯域までの Class I 対応 5 m ケーブルのパラメーター仕様が定義されています)。なお、試験方法は IEC 14763-4 の第 2 版で提供されおり、2022 年 12 月 20 日付けで、JIS X 5153:2022 として制定されました。

DAC の性能仕様は、ISO/IEC 11801-1 の 3 コネクション・パーマネント・リンクの性能要件にもとづいており、試験はチャネル測定とは異なり、プラグとジャックの嵌合特性を含めて実施されます。図 14-1 に DAC の構成と測定基準面を示します。図 14-2 にパッチ・コード・アダプターを使用した測定の構成例を示します。


図 14-1: ダイレクト・アタッチ配線設備 (DAC) の構成と測定基準面

したがって、敷設現場でプラグ成端したダイレクト・アタッチ配線設備を自作した場合には、プラグ嵌合部分の測定を除くチャネル試験ではなく、ダイレクト・アタッチ配線設備の試験を行うべきです。


図 14-2: パッチ・コード・アダプターを使用した測定の構成例


DSX-PC5e (Cat 5e 用)


DSX-PC6 (Cat 6 用)


DSX-PC6A (Cat 6A 用)

図 14-3: パッチ・コード・アダプター

注記:パッチ・コード・アダプターは、カテゴリーに関しての互換性はありません。したがって、被測定対象パッチ・コードに該当するパッチ・コード・アダプターを必ずご使用ください。

DAC のリミット値は、ISO/IEC 11801-1 で定める 「3 コネクション・パーマネント・リンク」に基づきます。図 14-4 に DAC のテスト規格設定画面例と 図 14-5 に、DAC のテスト画面と合格結果表示例を示します。


図 14-4: DAC のテスト規格設定画面例


図 14-5: DAC のテスト画面と合格結果表示例

ございます。つぎの表に示すように MPTL および DAC 測定の規格には、Q16 で解説します (+PoE) および (+All) の規格の選択肢に関してチャネル、パーマネント・リンクと違いがあります (表 15-1 および図 15-1、図 15-2 参照)。

 
配線構成 (+PoE ) の選択肢 (+All) の選択肢
パーマネント・リンク
チャネル
MPTL
DAC

表15-1: 各配線構成の (+PoE) および (+All) に関する規格選択肢の違い
※注記:選択肢はありますが、テスト全体の合否結果判定には反映されません。


図 15-1: MPTL は (+PoE)
のみの選択肢


図 15-2: DAC は (+PoE) の
選択肢はありません。

次の質問 Q16 の回答にあるように (+PoE) が付いた規格選択を行った場合、ツイスト・ペア配線の抵抗アンバランスの測定が行われます。1 対のケーブル間あるいは 4 ペア間の直流抵抗値のアンバランスを測定するもので、ハイパワー PoE のようなアプリケーションの場合、抵抗値の値によっては伝送信号の波形ひずみを生じさせパケットの再送による通信速度の低下を招くおそれがあります。

したがって、MPTL の配線構成によりアクセス・ポイントへの配線を行う場合は (+PoE) 付きの規格選択をされることを推奨します。また、同様に Wi-Fi アクセス・ポイントへの配線を DAC 配線構成で行う場合には (+All) の付いた試験規格で試験をされることを推奨します。

※注記: (+All) が付いた規格選択を行った場合、直流抵抗アンバランスの他に、主なパラメーターとして TCL と ELTCTL の 2 つが測定されます。これらのパラメーターはノイズ耐性、および隣接するケーブルからのエイリアン・クロストークやその他の外部からのノイズ源などのノイズの多い環境で十分なパフォーマンスを発揮するかどうかを示すための優れた指標です。したがって、ノイズの多い環境に敷設していて、ノイズ耐性を判断する簡単な方法が必要な場合には、(+All) を選択することが推奨されます。
ツイスト・ペア・ケーブル配線のテストに関しては、挿入損失、NEXT、PSNEXT、ACR-N、PSACR-N、ACR-F、PSACR-F、そしてリターン・ロスなど、業界規格に基づきパーマネント・リンク認証試験をするために必要ないくつかの重要なテスト・パラメーターがあります。

  要求されるテスト・パラメーターは、選択したテスト・リミットに対して自動的に試験されますが、フルーク・ネットワークスの DSX CableAnalyzer™ シリーズのテスト・リミット画面では規格名称の後ろに (+All) または (+PoE) という表示が付いているテスト規格もあります (図 16-1 ISO と TIA の規格選択画面例参照)。


図 16-1: ISO と TIA の規格選択画面例

名称の後ろに (+PoE) または (+All) の付いたテスト・リミットを選択すると、フィールド・テストに ANSI/TIA または ISO/IEC では必須要件にはまだなっていない平衡度に関するテスト・パラメーターを追加することになります。

例えば、「+PoE」が選択された場合、これらの測定値は、DC ループ抵抗のリミット値に加えて、ペア内の DC 抵抗アンバランス (不平衡) とペア間の DC 抵抗アンバランスのリミット値が追加されます。
注記:MPTL (+PoE) の際は合否判定のリミットはありません。

「+All」を選択した場合には、さらに ELTCTL、TCL、CMRL、および CDNEXT 測定が追加されます。この 4 つのパラメーターもフィールド試験の性能試験要件とはされていませんが、ケーブル製造業者にとって規格適合性を確立するために必要なため配線仕様書に記載されていることがあります。

以下にそれぞれのバランス測定の測定内容の概要を示します。

(1) (+PoE):DC 抵抗アンバランスの測定
10/100BASE-T では、送受信用に 12, 36 の 2 本しか使用しないため、残りの 2 本を PoE に使用できますが 1000BASE-T 以上では、双方向通信のために 4 対すべてが信号伝送に用いられます。このため、データが送受信される同じ対線上で PoE 電力が供給されることになります。

図 16-2. に 2 対のツイスト・ペア・ケーブルを利用した PoE の給電メカニズムを示します。2 ペア PoE アプリケーションでは、ペアの各導体間で電流を均等に分割するコモン・モード電圧を印加することによって電力が伝送されます。コモン・モード性能を高めるには、ペアの各導線の DC 抵抗がより等しい、すなわち、より平衡している必要があります。


図 16-2: 2 対のツイスト・ペア・ケーブルを利用した PoE の給電メカニズム

図 16-2 に示すように 1 対の直流抵抗のアンバランス、すなわち、どちらか一方のケーブル配線の抵抗が大きすぎると信号が歪んだり、損失を引き起こしたり、さらに受電装置で利用可能な PoE 電力量が減少したりする可能性があります。

このような現象はパンチ・ダウン終端の不具合、品質の悪い、あるいは摩耗したパッチコードによる接触抵抗の増大、模造ケーブル (CCA:銅被覆アルミ) の使用などに起因します。

さらに IEEE 802.3bt PoE 規格では、従来の IEEE802.3at 標準規格よりも、より多くの電力を 4 ペアのすべてを使って供給します (図 16-3 参照)。


図 16-3: IEEE 802.3bt 100W PoE の給電メカニズム

4 ペアの PoE アプリケーション (タイプ 3 とタイプ 4) の場合、各ペアの DC 抵抗のアンバランスだけが問題になるわけではありません。複数のペア間で過度の DC 抵抗のアンバランスがあると、PoE が機能しなくなる可能性があります。

現在の規格では、ケーブル内の各ペアは、ループ抵抗の 3 % 未満という抵抗アンバランス要件を満たす必要があります。また、さらに、リンクの各ペア間の抵抗バランスを、同様に規格では、ループ抵抗の 7 % 未満の値を満たす必要があります。

(+PoE) を選択すると、DSX は各ペアのループ抵抗のリミット値に基づいて合否を判定します。ループ抵抗はどのような場合でも測定されますが、(+PoE) または (+All) が選択されている場合に限ってリミット値と比較されます。図 16-4 にペア内の直流抵抗アンバランスと 12-36 ペア間のアンバランスの計算と実際の測定した試験結果画面例を示します。


図 16-4: ペア内の直流抵抗アンバランスと 12-45 ペア間のアンバランスの計算と実際の測定した試験結果

DSX シリーズ・ケーブルアナライザー以前のどのフィールド・テスターもこれらのパラメーターを測定できなかったため、フィールド試験には要件として含まれていませんでした。しかしながら、敷設が適切に行われないことにより抵抗性能が影響を受ける可能性があることと、これらのテストを追加したとしてもテスト時間がせいぜい 1 秒も増えないことから、特に PoE を使用する可能性があるリンクでは、これらの試験の敷設現場での実施が強く推奨されます。

抵抗アンバランスの測定に関するさらに詳しいテクニカル情報は次のホワイト・ペーパーでお読みいただけます。

ホワイト・ペーパー:直流抵抗のアンバランス試験 PoE システムのための簡単かつ低コストな保険

(2) (+All):TCL, ELTCTL の測定
外部ノイズがどれだけケーブル内に侵入するのかを表す対地平衡度を示す伝送性能パラメータです。数値が大きいほど外部ノイズに強い配線システムであるということが言えます。この平衡度に関しては ANSI/TIA-568.2-D, ANSI/TIA-1005-A および ISO/IEC 11801-1 で規定されています。

イーサネット信号は差動モードで、ノイズ信号はコモン・モードでペア配線に印加されます。ノイズがケーブルに注入されると、このコモン・モード信号の一部が差動モードに変換され、イーサネット信号の一部になる可能性があります。モード変換と呼ばれるこの現象は、イーサネット信号には好ましいものではありません。

TCL (横方向変換損) と TCTL (横方向伝達変換損) は、モード変換の測定に使用される 2 つのパラメーターです。TCL は一方の端でペア内のモード変換を測定し、TCTL は反対側の端でペア内のモード変換を測定します。ただし、TCTL テストでのコモン・モード信号の量は、挿入損失のためにリンクの長さに依存するため、等レベル化の手法を適用した ELTCTL (イコール・レベル TCTL) を使用されています (図 16-5 および図 16-6 参照)。


図 16-5: TCL の測定


図 16-6: ELTCTL の測定

図 16-7. に、平衡度が取れているリンクと取れていないリンクの外部ノイズに対する影響度の違いを概念的に示します。


図 16-7: 平衡度の性能によるノイズの影響の度合の概念図

TCL と ELTCTL のテスト時間はわずか約 6 秒の追加ですみます。これらは、ノイズ耐性、および隣接するケーブルからのエイリアン・クロストークやその他の外部からのノイズ源など、産業環境などのノイズの多い環境で十分なパフォーマンスを発揮するかどうかを示すための優れた指標となります。

このようなことから、ノイズの多い環境に敷設していて、ノイズ耐性を判断する簡単な方法が必要な場合には、(+All) を選択することが推奨されます。さらに、メーカー仕様に対する安心感も得ることもでき、しかも、障害発生時のトラブルシューティングにも理想的です。つまり、他の必要な伝送パラメーターが規格のリミット値を上回る優れたマージンを示している場合でも、TCL と ELTCTL で不合格となった場合はビット・エラーと再送信を引き起こす可能性があるからです。
エイリアン・クロストークはその測定がANSI/TIA-568.2-D、ISO/IEC 11801 および JIS X 5150 規格で規定がされております。ただし、シールド配線に限り、ある一定の要件、すなわち「チャネルの結合減衰量を満足した配線に対しては、現場でのエイリアン・クロストーク測定は不要 (設計によって適合) 」 とされています。
 


出典元:JIS X5150:2016

また規格では、エイリアン・クロストークは必須要件となっていますのでシールドされていないケーブルについては、エイリアン・クロストークの測定をされることを推奨します。
  ● エイリアン・クロストークについて解説したビデオがこちらからご覧いただけます。
  ● エイリアン・クロストークについて解説した資料はこちらからダウンロードできます。
光ファイバー配線規格でも試験もメタルと同様に配線の構成にはパーマネント・リンクとチャネルが定義されています。

  実際には、現在、一般的には光ファイバー配線は端末までの配線に使用されることはなく、次の様に機器間の接続に使用されています。また、標準的に使用されている測定方法の 1 ジャンパー法では、機器コードは測定できないことと機器コードは配線敷設後に交換される可能性があることから光ファイバー配信の試験ではパーマネント・リンクの測定が行われています。

そして、この機器間の配線性能の仕様の規定方法には、JIS 等の配線規格と IEEE 規格 (アプリケーション規格) との間で考え方の違いがあります。つまり、配線規格は機器間に存在する部材 (コネクターやケーブル) の総合的な性能 (減衰量、全体の反射減衰量あるいは個々の接続部材の反射減衰量) を規定することで、最終的にアプリケーションが正常稼働できる性能を担保しています。一方、アプリケーション規格は、光源から射出された光信号が所定の減衰を伴って必要最小限の光パワーが受光器に到達すればよいという考え方です。図 18-1 に配線規格と IEEE 規格 (アプリケーション規格) の性能評価の違いを示します。


図 18-1: 配線規格とアプリケーション規格の性能評価の違い

上図の様に配線規格は、機器間の配線部材の総合性能を評価するため、JIS 規格の JIS X5151 Fiber Channel の例では、ケーブルの単位 km 当たりの減衰量、コネクターとスプライスの 1 個当たりの減衰量が規定されており、被測定リンクで使用された部材の数と規定の減衰量の総和が最大許容損失 (損失バジェット) として計算されます (表18-1. 参照)。一方、IEEE 規格では、配線リンクの距離や使用する部材の数に関わらず、単にエンド・ツー・エンドの最大許容損失量のみが規定されています (表 18-2 参照)。


表 18-1: JIS X5150-2016 Fibre Link の規格値


表 18-2: IEEE 10GBASE-SR の規格値

単純にリンクを構成するケーブル、コネクター、スプライスの数と個々の固定値を掛けた値の総和を計算します。例として、JIS X5151-2018 Fiber Link OM3 (850 nm の場合) の計算方法を以下の図に示します。
 


各規格値 >損失値
 ファイバー損失: 3.5 dB/km 0.3 km 1.05 dBm
 アダプター接続損失: 0.5 dBm 2 個 1.0 dBm
 スプライス接続損失: 0.3 dBm 2 箇所 0.6 dBm
 損失計算の総和: 2.65 dBm
Q19 で明らかなように、配線規格ではアダプターやスプライスの数が少なくなればその分、最大許容損失も少なくなります。したがって、アプリケーション規格では合格したものが配線規格で試験すると不合格になる現象がありえます。これは、特に個々の構成部材の減衰量が施工技量の品質問題により全体の損失量を大きくしたために生じたと考えられます。したがって、配線規格とアプリケーション規格の違いを熟知した上でどちらかを選択するか、あるいは両方の規格で試験を行うことが推奨されます。

  以下の例は、IEEE 規格で合格したリンクが JIS 規格の試験で不合格になった例を示します。

ございます。 次の「メタル/光ファイバー配線測定の用語集 (Rev A)」の中に詳しく解説してありますので、こちらをご覧ください。
 

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ProjX 管理システムは、従来の「現場が変わるたびに試験の設定をし直す」という従来のやり方から、「現場ごとに名前を付けた複数のプロジェクトを作成し、その個々のプロジェクトごとに試験条件をあらかじめ作成し、試験結果を管理する」機能です。これにより、作業途中で他の現場を行き来しながら試験を行う場合でも、この ProjX 管理システムを使用することで、効率よく複数のプロジェクトを現場ごとに選択、管理できるばかりか、異なるテスターから得られた結果の容易な統合が可能になります。

  ProjX 機能を利用することで、プロジェクト (最大 100 プロジェクトまで設定可能) を事前に設定し、その中の一つをプロジェクトの変更画面から選択できます。そして、そのプロジェクトには、最大 10 件まで個別テストの設定情報の登録が可能です (図 22-1 プロジェクト変更 (選択) 画面参照)。

【特長】
複数の現場の作業を同時並行で進めるような場合でも、それぞれの現場における設定情報や、測定結果をプロジェクトとして一括管理することができます。
測定結果の進捗状況や不合格のリンクが残ったままになっていないかが一目で確認できます。
プロジェクト名を選択するだけで設定情報を呼び出せますので、複数の現場の掛け持ちやメタルと光ファイバーが混在した測定の際に迅速に対応でき、セットアップの間違いも排除できます。


図 22-1: プロジェクト変更 (選択) 画面

したがって、あらかじめ設定したテストを選択すれば、これまでのように、いちいち現場で作業者が、その現場ごとの試験に必要な詳細設定、例えば、テスト規格名、ケーブル・タイプ (NVP)、アウトレット構成 (T568A または T568B)、プロット・データ取得の要否、ケーブル ID、試験担当者名等を現場で設定する必要がなくなります。

このように、チーム全体が理解できる名前を付けたプロジェクト・ファイルを保存しておけば、現場作業者は、あらかじめ決められたプロジェクトの中のいくつかのテストのセットアップを選択するだけで試験を実施することができます。さらに、実施した試験については個々のプロジェクトの合格、不合格の件数やテストの進捗度も一目で把握できます (図 22-2 プロジェクト表示画面例参照)。


図 22-2: プロジェクト表示画面例

また、このプロジェクト・ファイルは USB メモリーや電子メールを経由してチーム全体で共有できます。そのため、複数のタスク・チームあるいは複数のテスターでプロジェクト・ファイルの共有利用ができることから、柔軟なユーザビリティーと効率性が飛躍的に高まります
LAN 配線システムの認証試験は、あらかじめ選択した配線規格のリミット値を試験結果が満たしていることを証明するレポートをお客様に提出することで初めて完了し、敷設工事の検収をあげることができます。これが正しく行われるための大前提は、使用するテスターが正しく校正され、レポートに記載された試験日が校正期限内に入っていることが必須条件です。

  つまり、校正期限の切れたケーブル・テスターを使った認証試験は、工事のやり直しや収益の悪化につながることになります。認証試験を実施するうえで重要なことは、当該配線システムのグレード (カテゴリーあるいはクラスなど) に合わせた適切な試験項目を選択することと、その試験に適合したケーブル・テスターを使用することです。そして、試験結果が確実なものであることを担保するために次の 3 つ文書を提出する必要があります (図 23-1 ~ 23-3 参照)。


図 23-1: 試験成績書


図 23-2: 校正証明書


図 23-3: トレーサビリティー・チャート

(1) 試験成績書
認証試験結果が合格していることを証明する資料です (図 23-1 参照)。

試験成績書のヘッダー部分には、合否判定、測定したケーブルの識別番号等の他、校正日が記載されています。必ず、校正期限が切れていないことを確認する必要があります (図 23-4 参照)。


図 23-4: テスト・レポートのヘッダー部のレポートと項目

(2) 校正証明書
測定器の確度が規定の範囲以内にあることを証明する資料です。ISO9001 では一定期間ごとに校正することを義務付けています (一般的には 1 年間ごと)。(図 23-2 参照)

※参考:校正の重要性についての詳しい解説は次のブログ記事「校正の重要性 ~ なぜ校正が必要なのか?それがもたらしてくれるメリットは?~」でご覧いただけます。

(3) トレーサビリティー・チャート
測定器を校正するための校正機器も校正されている必要があり、これらの上位の校正機器が適切なものであることを証明するためのものです (図 23-3 参照)。
Versiv ファミリー製品シリーズには、試験結果が不合格になった場合に利用できる優れた障害診断解析機能が備わっています。

  1 つは障害が起きた場合に自動診断機能により、想定される問題の原因と対処方法をアドバイスしてくれる機能です。もう一つの機能は、HDTDX と HDTDR と呼ばれる周波数領域の測定結果をタイムドメイン (時間領域) のデータにデジタル変換する機能を使用し、親機から子機間の配線に沿ってクロストーク (漏話) とリターンロス (反射損失) の発生場所を特定して障害診断を行う手法です。

(1) 自動診断機能
先ず、自動診断機能ですが、テスターが HDTDX と HDTDR を使った時間領域のデータを自動解析して、想定される障害の原因と発生個所をビジュアルに示すものです。これは現場で不良リンクの問題解決にあたり、ある程度のガイドの役割を果たすことからトラブルシューティングに慣れていない初心者にとって有用な機能といえます。

実際の操作は、テスト完了後、試験結果表示画面で不合格になった場合に「診断」タブをタップして自動診断結果を見ます。図 24-1 に「2 コネクター・パーマネント・リンク」、図 24-2 に 「3 コネクター・パーマネント・リンク (CP 有り)」の実際の診断画面例を示します。この自動診断機能の RJ45 コネクターの検知機能により、コネクターまでの距離、あるいはコンソリデーション・ポイント (CP) があれば、そこまでの距離が表示されます。


図 24-1: 2 コネクター・
パーマネント・リンクの
自動診断画面例


図 24-2: 3 コネクター・
パーマネント・リンク
(CP 有)の自動診断画面

次に不良と解析されるコネクターが複数あった場合の例ですが、不良コネクターの是正措置によってより多く NEXT の改善が見られると推測されるコネクターが赤く表示されます。次の例では、遠端側のコネクターが赤く表示され、NEXT のより大きな発生源であることが示されています (図 24-3 参照)。


図 24-3: 複数のコネクター不良があった場合の自動診断画面例

この自動診断機能は、リンク内のコネクターを検知する他、場合によっては、その場所までの距離も知ることもできます。また、次に解説する HDTDX および HDTDR 機能によるタイムドメイン解析機能は、通常の TDX および TDR 解析機能に加え、差動モード解析機能を使っているため Cat 6A および Class E、Class EA リンクのより正確な解析が可能です。

(2) HDTDX と HDTDR 機能
次に NEXT 不良が発生した場合の HDTDX 機能を使用した手動操作による障害診断例を示します。

図 24-4 のパフォーマンス画面には、NEXT が不良で、最悪マージンが -0.5 dB であることが示されています。

この画面で、青く表示された NEXT メニューをタップすると NEXT の周波数プロット特性が表示されますので、図 24-5 の「ペアー」と表記されている左右の矢印アイコンをタップしながら、3,6-4,5 ペアを選択します。すると、71.8 MHz において、マージンが -0.5 dB であることが分かります。次に同図で、画面上部左の × 印のアイコンをタップし、図 24-4 のパフォーマンス画面に戻り、「診断」タブをタップします。


図 24-4: NEXT 不良の
パフォーマンス画面例


図 24-5: 3,6-4,5 ペアの
NEXT 周波数プロット例

ここで、図 24-6 が表示されますので青色の HDTDX メニューをタップします。すると図 24-7 で示される HDTDX 診断画面が表示されます。ここで左右の矢印アイコンをタップしながら、3,6-4,5 ペアを選択すると図 24-7 で示す遠端側 HDTDX 診断画面が表示されます。ここでは遠端側のコネクター部分で HDTDX 値が 46.1 dB となっており、ガイドラインとされる 35 % を上回っていますので、遠端側で問題があるのは明らかです。


図 24-6: 診断メニュー画面例


図 24-7: HDTDX 遠端側
診断画面例

さらに、図 24-8 の画面で黄色の丸の箇所に指を軽く当てて左に移動しながらカーソルを近端側のピーク点まで移動させます。すると、ここでも、HDTDX 値が 37.4 dB となっており、ガイドライン の 35 % をわずかですが上回っていますので近端側の接続部分でも問題があることが分かります。恐らく、ここで使用されているリンク両端のコネクターが Cat 6A ではない可能性が考えられます。


図 24-8: HDTDX 近端側診断画面例

※:一般的に、配線の接続部の良好な NEXT 性能の目安は、理想的には HDTDX の値が 35 % 以下とされています。一方、ケーブル部分は理想的には、10 % 以上のイベントがないこととされています。
一般に認証試験用ケーブル・テスターは、規定の確度 (不確かさ) を持っており、測定値が選択規格で定めた リミット値 (規格値) に対して、規格確度以上にあるかどうかをみて、合否の判定を行います。

  リンク性能に余裕がない場合、マージナルと呼ばれるアスタリスク記号(*)付きの合格、あるいは不合格が試験結果に表示されることがあります。

試験規格を定める IEC 61935-1 規格および TIA 1152A ともに、表現はことなるものの測定結果とテスト・リミット値の差が規定した測定確度よりも小さい場合には、個々のテスト結果にアスタリスク記号 (*) をつけることを要求しています。図 25-1 に、合格の範囲、不合格の範囲およびマージナル合格/不合格の範囲を測定周波数プロット図で示します。


図 25-1: マージナル合格/不合格の範囲

マージナルな結果は次のことを意味します。

マージナル合格:  測定結果は合格であるが、不合格の可能性が残っている。
マージナル不合格:測定結果は不合格であるが、合格の可能性が残っている。

フルーク・ネットワークスの DSX シリーズのケーブル・テスターでは、テスター本体と LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェアの表示に応じて次の合否判定の結果の表示を行っています。

テスター本体とレポート結果での合否判定表示の違い:
フルーク・ネットワークスのケーブル・テスターではマージナルな結果が出た場合の合否表示の違いを次の 3 つに分けて、図 22-2 のように表示しています。

テスター本体 (DSX シリーズ・ケーブルテスター) のサマリー表示
LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェアでのサマリー・レポート結果表示
LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェアでの結果表示


図 25-2: 個々の試験項目の試験結果による、テスター本体、LinkWare PC での結果表示の違い

個々の項目の試験結果に応じて、次のような結果表示となります。
a. すべて合格の場合:
すべての結果は「合格」となります (図 25-3 のケーブル識別番号 ”002”、図 25-5、図 25-9)
b. 1 つ以上合格* で、他が合格の場合:
  では橙色の帯に合格* が表示されます (図 25-4)。
  ではサマリー・レポートで青い文字で合格* が表示されます (図 25-3 のケーブル識別番号 “001”)。
  では合格が表示されます (図 25-7)。ただし、詳細データにはマージナル合格になった当該パラメーターには アスタリスク記号が付きます (図 25-8)。
c. 1 つ以上で不合格* の場合:
すべての場合(①、②、③)で結果は不合格が示されます (図 25-3 のケーブル識別番号 “003”、図 25-6、図 25-10)。
d. 1 つ以上で不合格の場合:
すべての場合(①、②、③)で結果は不合格が示されます (図 25-3 のケーブル識別番号 “003”、図 25-6、図 25-10)。
     
以上のように、個々の試験結果の総合判定がであっても、特定のパラメーターに「合格*」が含まれていれば、LinkWare PC のサマリー・レポート上には、必ず青い文字で「合格*」の文字が表示されますので「合格*」を見過ごすことがないようになっています (図 25-3 のケーブル識別子番号 “001” 参照)。


図 25-3: LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェアのサマリー・レポートの表示例


図 25-4: アスタリスク付き
合格* 画面例


図 25-5: 合格画面例


図 25-6: 不合格画面例


図 25-7: アスタリスク付き合格の場合の LinkWare PC ヘッダー部の総合判定結果


図 25-8: アスタリスク付き合格の場合のマージナル合格になったパラメーター表示例


図 25-9: 合格の場合の LinkWare PC ヘッダー部の総合判定結果例


図 25-10: 不合格の場合の LinkWare PC ヘッダー部の総合判定結果例

なお、試験結果がマージナル合格になった場合、合格とするか、あるいは不合格とするかの最終判断は、IEC 61935-1 規格解説で要件計画に関して述べられていますが、施工業者と工事発注者の間で事前に合意しておくことが重要です。

注記:マージナルなテスト結果例のさらに詳細な解説は次の技術資料をご覧ください。
JEITA LAN 配線ガイドトラブルシューティング編
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