反射率および光リターン・ロス(ORL)の測定およびテスト - OptiFiber
ソフトウェア・リリース 1.8 より、OptiFiber は光リターン・ロスを測定できるようになりました。個々のイベントの光リターン・ロス、つまりファイバー後方散乱光レベルより高い反射のことを、ソース・パルスと相対して反射率と呼びます。光リターン・ロスは、デシベル単位で表され、パッシブ光部品の場合は常に負の値となります。値が 0 に近いほど、反射率が大きい(接続が悪い)ことになります。
テスト対象のファイバー全体のリターン・ロスのことを、ファイバーの後方散乱および反射を含め、ソース・パルスに相対して光リターン・ロス(ORL)と呼びます。これもデシベル単位で表されますが、常に正の値になります。値が 0 dB に近いほど、反射される光が多いことを意味します。
このドキュメントでは、光リターン・ロス測定の制限について説明します。
光反射率を測定できる範囲に制限があります。最大光反射率は、トレース最上部の信号が飽和するところが限界となります。最小光反射率は、検出されるノイズに対して、信号が弱すぎるところが限界となります。同様に、いずれかの信号部分が飽和する、またはトレース全体をキャプチャできない(例えば、ダイナミック・レンジが不十分)場合、ORL の測定が制限されます。
下記に示すリミット値は、代表値です。光反射率の測定範囲は、波長、パルス幅、後方散乱係数、減衰量、ダイナミックレンジなど、さまざまな要因によって異なります。
以下の表で示すリミット値は、後方散乱係数にデフォルトの FOTP-8 の値を使用した場合をベースにしてしています。異なる値を使用しても、テスト対象のファイバーの後方散乱係数の値が正確で、後方散乱レベルが飽和レベル(トレースの最上部)より最低 2 dB 低ければ、最大限界値に影響を与えません。
反射率の最小リミット値については、62.5 mm と 50 mm のファイバーを比較することで分かるように、後方散乱係数が直接的な影響を及ぼします。その一方で、後方散乱ラベルがノイズ・フロア(トレースの最下部)に近づくと、ノイズの増加により小さな反射が検出されなくなります。
近端という言葉は、ファイバー減衰がごくわずかということを示唆しています。OTDR ポートの近くであれば(例えば、100 メートル以内)、コネクターの接続も良くて挿入損失が低ければ、ファイバー減衰は当然少なくなると予想されます。より長い距離であれば、より高い反射率を測定できます。極端な例として、最も広いパルス幅(1000 ナノ秒)を使用したシングルモード・ファイバーの場合、後方散乱レベルがノイズ・フロアに近い反射は、最大 -20 dB まで測定可能です。しかし、後方散乱レベルがノイズ・フロアよりも 5 dB 以内であれば、小さい反射がノイズに埋もれてしまいます。ノイズ・フロア・レベルにある反射の最小リミット値は、表に記載されるものよりも最大 7 dB 高くなります。
ノイズ・フロア・レベルは、ダイナミック・レンジ(ノイズ・フロアよりも高い最初の後方散乱レベル)によって異なり、装置によって多少のばらつきがあります。最大反射率は、飽和レベル(トレース最上部)に対して最初の後方散乱レベルがどこにあるかによって異なります。これも装置間でばらつきがあります。表の値は、代表的な装置に基づいています。
代表的な反射率
比較として、ここに代表的な反射率を挙げています。
- フラット・クリーブのファイバー端面:-14 dB
- 良質なマルチモード PC 接続:-35 dB 未満
- 良質なシングルモード PC 接続:-50 dB 未満
- 良質な APC 接続:-60 dB 未満
- 良質な融着接続:-60 dB 未満
反射率と ORL の表示
ORL は、F3 View Details(詳細表示)を押し、反射率を見るには、F3 を押して個々のイベントを表示し、下にスクロールします。
最高の低反射コネクターは、APC コネクターです。APC コネクターは、-65 dB またはそれ以下の反射率を仕様としています。低反射コネクターは、フロントエンドに限らず、システム全体を通して重要です。フロントエンド・コネクターは、他の反射コンポーネントからの強い反射を分離することはありませんが、自身からあまり反射信号を出すこともありません。