Wi-Fi 向けのケーブル配線

Wi-Fi のための配線の概要

過去 10 年以上にもわたり、Wi-Fi ネットワーキングの支持者は、メタル線をベースにしたネットワークの終焉を断言してきました。Wi-Fi の人気は高く、その使用は急速に増加しています。一方、メタル線ネットワークもゆっくりとではありますが増え続けています。この背景として、同僚がかつて私に言っていましたが「無線には多くのワイヤーが使用されている」ことが挙げられます。では、最新の無線に対応するために必要となるワイヤーの種類について見ていきましょう。

このページに記載されていること

該当する役割と業務

あなたがこれらの役割で作業する場合、この情報は特に役立ちます。

ネットワーク・エンジニア
ネットワーク配線事業者および設置事業者

Wi-Fi 用配線について

高速 Wi-Fi の新しい規格

今日広く導入されている最も高度な Wi-Fi システムは IEEE 802.11ac 規格に基づいています。規格は 2013 年に公表されましたが、実際はそれほど古い規格ではありません。規格は 2 つの世代に分かれており、Wave 1 の理論最大データ速度は 1.3 Gbps であるのに対し、Wave 2 では 6.9 Gbps に達成できます。Wave 2 機器の出荷は 2016 年に始まりました。既に一部のベンダーは、11 Gbps 速度を実現する 802.11ax 機器を販売しています。

実際には、コンテンション、干渉、距離制約などにより、これらの技術で利用可能なスループットは、理論最大値の約 50% に制限されます。それでもアクセス・ポイントに接続されたワイヤーが対応していれば、1 Gbps を超える速度を容易に達成できます。

このため、1 ギガでは十分でない場合は、これらの高性能 Wi-Fi アクセス・ポイントの接続には、10ギガ(10GBASE-T)に対応するメタル線を使用する必要があります。これにより、この先 10 年間以上 Wi-Fi システムを良好に維持することができます。10GBASE-T の運用にはカテゴリー 6A(配線が 6 メートルに制限されている場合はカテゴリー 30)が必要です。既存の施設に敷設されているケーブルのほとんどはカテゴリー 5e および 6 であるため、これは問題になります。既存の配線設備を 6A に適合した設備にアップグレードするには多額の費用と時間のかかる作業を要します。

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Versiv キット・コンフィギュレータ

Versiv をどのように使用しますか?

この問題に取り組むために、45 社以上のネットワーキング/ケーブル配線会社によって、NBASE-T アライアンスが設立されました。この結果、 2016 年末に IEEE 802.3bz が策定され、カテゴリー 2.5 と 5e ケーブルを使用した 5 および 6 Gbps ネットワークの運用が可能になりました(いくつか制限があります)。これにより、顧客は配線インフラを取り換えることなく、ネットワークをマルチギガビット速度にアップグレードできます。このように、配線設備が建設された当時は存在しなかった機能を既存の設置で利用することができるため、将来に備えたカテゴリー・ケーブルを敷設、認証することは非常に有益です。

802.3bz では、2.5GBASE-T と 5GBASE-T の 2 つの通信技術が定義されています。2.5GBASE-T はすべての Wave 1 802.11ac の実装、および一部の Wave 2 に対応し、5GBASE-T は Wave2 のほかに、現在まだ承認されていない 802.11ax にも対応します。NBASE-T の仕様は、現行の BASE 規格とともに実装できるように考案されており、同じ物理インターフェースを使用し、オート・ネゴシエーションをサポートしています。このため、NBASE-T スイッチを導入することで、NBASE-T 機器だけでなく、既存の 1000BASE-T 機器にも対応できます。こういった段階的導入により、コストを削減し、混乱を低減できます。NBASE-T 対応製品の詳しいリストにつきましては、https://www.nbaset.org/technology/nbaset-products/ をご覧ください。リストは随時更新されております。

注意事項

では、上記の制約について説明します。独創的な策定者によって、ほとんどの Cat 5e および Cat 6 ケーブルに対応した NBASE-T が考案されましたが、ケーブル配線の物理的制約によって、(相応な費用で)解決できない物理的問題が発生することがあります。問題は、「エイリアン・クロストーク」として知られるノイズ(4 ペア・ケーブルの伝送信号が隣接する 4 ペア・ケーブルに漏れる現象)に関連しています。長い距離にわたってケーブルを並べて敷設すると、隣接するケーブルは伝送信号による干渉を受けやすくなります。問題はこういった状況で発生します。追加の費用と作業が必要となるため、ほとんどのケーブル配線ではエイリアン・クロストークの測定は行われていません。このため、この問題は認証されたケーブル配線でも発生します。1000BASE-T で問題になることはほとんどなかったため、これまで誰も関心を持っていませんでした。

NBASE-T には、ケーブルの性能問題に対処するための戦略が盛り込まれています。たとえば、ケーブルが 5 Gbps に対応していない場合は、両端に接続された機器が 2.5 Gbps に「ダウンシフト」します。これによって問題は恐らく解決されますが、良い解決方法とは言えません。では、ケーブルが最高速度に対応していることを確認するにはどうすればよいでしょうか。

先に述べたように、並べて敷設されたケーブルの配線距離が長いほど、エイリアン・クロストークが問題になります。きつく、しっかりと巻かれた大きなケーブル束でこの問題は発生します。これに対処するために、NBASE-T アライアンスは右の表を作成しました。これを見ると、カテゴリー 6 ケーブルの使用においてはリスクはほとんどありませんが、Cat 6 ケーブルが 75 メートル以上にわたって束ねられている場合は、5GBASE-T で問題が発生する可能性があることがわかります。カテゴリー 5e 配線では、50 メートル以上束にすると問題が発生する可能性があり、75 メートルを超えると、5GBASE-T に対応できないリスクが高くなります。このリスクを最小限に抑える方法は 3 つあります。

  • 機器(パッチ)コードを物理的に分離します。クロストークは、機器コード(伝送信号が最も強く、受信信号が最も弱い場所)で重大な問題になります。
  • 束ねてある水平ケーブルを広げます。雑然としますが、ケーブル・トレイに広げるのが最良の方法です。
  • 隣接しないパッチ・パネル位置に NBASE-T の接続を移動します。

ケーブル敷設業者に相談し、ケーブルのエイリアン・クロストークを測定してもらうこともできます。確認する必要があるのは NBASE-T を実行するケーブルだけなので、余分に数分要するだけで測定を完了できます。このトピックについての詳細は、https://www.nbaset.org/library/white-paper-2/ を参照してください。

アクセス・ポイントへの給電

IEEE 規格 802.3 af、at、および間もなく公開される bt に基づいたパワー・オーバー・イーサネットは、4ペア・ケーブルで給電とデータ通信を同時に行います。ほとんどの商用設備では、PoE を使用して無線アクセス・ポイントに電力を供給するため、AC コンセントや電源装置を別途設置する必要はありません。電力レベルに関して敷設業者が注意すべき唯一の事項は、給電装置(ほとんどの場合はスイッチ)がアクセス・ポイントに対応しており、十分な電力を供給できることを確認することです。PoE には多様なバージョンがあり、これらの規格に準拠しているものもあれば、していないものもあります。また、規格によって、アクセス・ポイントの最大電力レベルも異なります(802.3af では 13 W、 802.3atでは 25.5 W、802.3bt では71W)。幸いなことに、ほとんどんの AP は大きな電力を必要としないため、低出力電源で問題なく動作します。

もっと難しい問題は配線に関連する問題です。カテゴリー・ケーブルを使用して電力を供給する場合、ケーブル配線の抵抗は低くなければなりません。抵抗が大きすぎると、アクセス・ポイントに達する前に電力が消費されてしまいます。また、ペア間およびペア内で抵抗のバランスが取れていなければなりません。バランスが取れていないと、電力によって受信機の変圧機が飽和を起こし、データの伝送を妨げます。この問題は、NNBASE-T などの高速ネットワークを実行している場合に特に深刻な影響があります。

幸いなことに、カテゴリー・ケーブルは厳しい抵抗要件を満たすよう設計/試験されているため、問題になる可能性はあまりありません。ただし、不適切な設置方法などによって、リンクの抵抗が大きくなることがあります。また、TIA-1152-A などのフィールド試験規格では、認証の取得に抵抗測定を義務付けていません。したがって、こういった問題を防ぐために、フィールド試験にこれらのオプションの測定も含めることが推奨されます。

簡単な接続

厄介な電力供給について説明してきましたが、次は設置の簡素化について見ていきます。アクセス・ポイントには、従来の壁板やパッチ・コードは必要ありません。オフィスの PC と違い、アクセス・ポイントを定期的に動かすことはないため、壁板とパッチ・コードに無駄な費用や労力を使う必要はありません。

BICSI と TIA はこの問題を認識し、パッチ・パネルから現場で成端された「RJ-45」フラグまでをつなぐモジュラー・プラグ成端リンク (MPTL) を定義しました。RJ-45 フラグはアクセス・ポイントに直接接続できるため、パッチ・パネルや機器コードを使用する必要はありません。この規格に対応するために、多くのメーカーが、現場で成端するモジュラー・プラグを発売しました。RJ-45 パッチ・コード型プラグの装着に慣れている方であれは、使いやすいこの新しいデザインを多いに活用できます。

新しい ANSI-TIA-568.2-D 規格では MPTL の試験方法が定義されており、テスターのメーカーもサポートを提供しています。注意すべき点は、通常のチャネル測定と異なり、MPTL には、現場で装着されたモジュラー・プラグの性能も含まれることです。このため、リンクの一部を試験する際に、テスターにはオプションのアダプター(通常はパッチ・コード用のアダプター)が必要になります。幸いなことに、MPTL を 1 つ設置するだけで、アダプターの価格に相当する費用を節約できます。

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