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光ファイバーの汚れ、クリーニンングと検査。はじめに

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概要

光ファイバー端面の検査とクリーニングは、光ファイバー障害の解決策として最も推奨されています。しかし、依然としてデータセンター、キャンパス、およびその他の企業ネットワーク環境やテレコム・ネットワーク環境においては、接続部の汚れが光ファイバー関連の問題やテスト不合格の 1 番の原因となっています。

業界がデータ伝送速度の向上、厳しい損失バジェット、新しい多芯ファイバー・コネクターの使用に対応するなか、光ファイバー端面の検査とクリーニングを予防的に行って、ネットワークの稼働時間、性能、機器の信頼性を確保することがこれまで以上に重要になってきています。

光ファイバーのクリーニングを適切に行った場合でも、配線部材や機器に接続する前には必ずコネクター端面(現場または工場で成端処理されたすべての端面)を検査する必要があります。ここでは、光ファイバー端面の検査とクリーニングに使用するツールやテクニックについて取り上げます。

光ファイバーの汚れを除去することで高い性能を確保

すべての光ファイバーの敷設において、端面の適切なクリーニングが重要になります。リンクに脆弱な箇所があれば、全体のリンク性能は当該箇所の性能以上にはなりません。脆弱なリンクは、端面が外部環境にさらされているあらゆる箇所です(パッチパネル、機器のポート、パッチ・コードやジャンパーの終端など)。

光ファイバーのタイプ、アプリケーション、またはデータレートにかかわらず、伝送路のリンク(受動的な接続またはスプライス)に障害があると、光は良好に通過できません。光ファイバーのコア上に 1 つでも阻害粒子があれば、損失や反射が発生する可能性があり、エラー率の上昇、ネットワーク・パフォーマンスの低下につながります。また、光ファイバー端面の汚れ(図 1 参照)によって高価な光ファイバー・インターフェースが損傷し、機器が動作しなくなることもあります。

光ファイバー・ネットワークは、ビジネスにとって最も重要な資産であるデータセンターの中核をなし、消費者は、いつでも、どこででも高速で情報にアクセスすることを要求しています。こういった状況でダンタイムやネットワーク・パフォーマンスの低下が許されないことは言うまでもありません。今日のネットワーク・アプリケーションは広い帯域幅を必要とし、伝送速度は 1~10 ギガビット/秒 (Gbps) から 40~100 Gbps に高速化するなか、損失バジェットはこれまでになく厳しくなっています。ごみや埃などの汚れは、こういった光ファイバー・ネットワークの高速データ伝送速度に大きな影響を及ぼします。このため、光ファイバー接続部分に汚れがないことを確認して、アプリケーション・パフォーマンスの問題を回避することが極めて重要です。

光ファイバー障害の最大の原因は汚れであるため、わずかな時間を割いてすべてのコネクター端面を適切に検査し、必要に応じてクリーニングすることで、長期的に時間と費用を節約できます。

図 1:この図に示されるような汚れた光ファイバー端面は、ネットワーク・パフォーマンスの低下、機器の損傷の原因にもなりかねません。

 

光ファイバー端面に誤って触ってしまった場合や、埃の多い汚い建設環境で作業を行う場合に汚れが付着することが知られています。しかし、その他にも、見落とされがちですが、光ファイバーの取り扱いには注意すべき点が多くあります。肌の油脂、糸くず、その他の物質が付着した衣服が端面に触れると、汚れの原因となることがあります。端面のクリーニングを行ったばかりでも、周囲の環境にさらされることで汚れが付着する可能性は常にあります。特に静電気がある場合は、空気中の埃はすぐに光ファイバー端面に付着します。

また、コネクター端面を嵌合する際、汚れは別のポートに簡単に移動します。光ファイバー端面を保護するためのダスト・カバーが汚れの大きな原因となることもあります。残念なことに多くのユーザーは、ダスト・カバーで保護された端面は汚れていないと思っています。しかし、ダスト・カバーにはさまざまな異物が付着している可能性があります。これは、工場で成端処理されたばかりの端面でも同様です。ダスト・キャップは端面の損傷を防ぐためには効果的ですが、ダスト・キャップの素材であるプラスチックは時間と共に劣化して残留物が生じ、キャップ表面には、高速処理される生産プロセスで使用された離型物質が付着していることがあります。したがって、袋から初めてコネクターを取り出し、保護キャップを外したときに端面が汚れていても不思議ではありません。

また、機器に接続されている端面には汚れがなく、取り外してそのまま再嵌合できることが当然と思っている方も多くいます。しかし、再嵌合によっても別の端面に汚れが付いてしまうことがあります。光ファイバーのコアが汚れていなかった場合でも、嵌合によって汚れが分散し、阻害粒子が端面全体に移動してコアに再び付着する可能性があります。これと同じことが機器のポートにも言えますが、機器のポートは汚れの原因として見落とされることがよくあります。

保証のための検査

すべての光ファイバー端面をクリーニングするだけでは十分ではありません。端面に汚れがないことを確認するためには、特別に設計されたビデオ・マイクロスコープやハンドヘルド型マイクロスコープなど、目的に特化した専用の光ファイバー検査ツールを使用して検査を行う必要があります。検査、および必要に応じてクリーニングを常に行い、しかも接続する前には再度検査を行うことが重要なのはこのためです。

実際、クリーニングの行為そのものが端面の汚れの原因になることもあります。したがって、クリーニングの際は毎回すべての端面を検査する必要があります。

これは、マルチファイバー・プッシュ・オン (MPO) 型コネクターなど、多芯ファイバー・コネクターの場合に特に重要です。この MPO 型コネクターは、40 と 100 ギガビットのイーサネット (GbE) アプリケーションに必要なインターフェースとして、今日のデータセンターの光ファイバー・バックボーン・チャネルで急速に普及しています。

たとえば、単芯光ファイバー・コネクターの場合と比較して、大幅に広い表面積を持つ 12 芯光ファイバー MPO があります。このような広い表面積をクリーニングする場合、汚れは同じ配列内の別の光ファイバーに簡単に移動します。したがって、この配列が大きいほどリスクが高くなります。高密度の光ファイバー相互接続に使用される 24-、48- および 72- 光ファイバー MPO の普及に伴い、すべての光ファイバーを管理することが困難になっており、しかも、すべての光ファイバーの突出高が同じだとは必ずしも言えません。多芯ファイバー・コネクターの各芯線のフェルール端面から突き出している高さ(突出し長)にばらつきがあると、すべての光ファイバーを適切かつ均等にクリーニングすることが難しくなります。

検査ツール

検査ツールには主として光学とビデオの 2 種類があります。

光学マイクロスコープ (図 2a) はコンパクトな筒型であるため、端面を直接検査できます。これらのマイクロスコープは安価なため広く使用されていますが、機器内部やバルクヘッドの端面を確認することができません。

ビデオ・インスペクター (図 2b) は、携帯型ディスプレイに小型の光プローブが接続されたものです。小型のプローブを使うと、届きにくい場所のポートも検査できます。また、大型のディスプレイで端面の異常を簡単に特定できます。オートフォーカスや画像を中央に自動配置する機能を備えたものもあり、こういった製品を使用するとより素早く簡単に検査を行えます。これらのプローブは画像を表示するため、実際の端面を観察する必要がなくなります。これにより、有害な放射線に目がさらされる危険性が低減され、より安全に検査を行うことができます。

規格に基づいた評価と認証

目視による光ファイバー端面の検査は、検査が主観的な判断に委ねられ、その判定プロセスに一貫性がないため、以前から業界で懸念事項とされてきました。汚れの基準は人によって異なります。スキルレベル、経験年数、視力、周囲照明、使用する光ファイバー検査ツールなどの違いも、光ファイバー端面の清浄度の判定に影響します。また、光ファイバー・ネットワークの設置が加速化する一方で、ネットワーク管理者が、端面の清浄度に関して十分な知識を持っていない場合も多々あります。

複数の端面での光ファイバー検査の一貫性の確立と測定結果の再現性向上を達成するために、IEC は 61300-3-35「光ファイバー接続デバイス及び光受動部品の基本試験及び測定手順」を規定しました。この規格は、光ファイバー端面検査の合否認証判定における具体的な清浄度に関する評価基準を策定しているため、人間による主観的な要因を取り除いてくれます。

図 2a:光学マイクロスコープ

図 2b:フルーク・ネットワークス FI-500 FiberInspector™ Micro のディスプレイおよびプローブ

図 2c:フルーク・ネットワークスの FI2-7300 FiberInspector Pro MPO / 単芯ファイバー検査スコープにより自動テストを実行。Versiv のユーザー・インターフェース画面に合否結果を表示しテスト結果を記録します。

 

IEC 61300-3-35 の認証基準は、コネクター・タイプ、光ファイバーの寸法、またはイベントの種類(欠陥や擦り傷など)によって異なります。欠陥には、へこみ、欠け、擦り傷、亀裂、粒子、埋め込み、ゆるみなどがあります。傷は表面に見られる永久的な線形の損傷です。欠陥は検出可能な非線形の損傷で、通常クリーニングすることができます。合否判定の認証は、光ファイバー端面の各測定領域 (コア、クラッド、接着層、コンタクト・ゾーンや、傷や欠陥の質や大きさ) で発見された傷と欠陥の数に基づきます (図 3 参照)

たとえば、表 1 に示すように、研磨済みのコネクターが取り付けられたマルチモード光ファイバーの場合、ファイバー・コアに幅 3 μm 以上の傷、または幅 5 μm 以上の欠陥があった場合は不合格になります。クラッド・ゾーンでは、傷がまったくないか、または幅 5 以上の欠陥、幅 5~5 µm の 10 つの欠陥、および幅 5 µm 以下の無制限の数の欠陥が許容されます。各ゾーンで許容される傷と欠陥の数と大きさは、コネクターの種類と直径によって異なります。

図 3: IEC 61300-3-35 は、端面の各領域の傷や欠陥の質と大きさに基づいて光ファイバーの清浄度を評価します。

 

ゾーン IEC 61300-3-35 が推奨するマルチモード研磨済みコネクターの合否基準
傷(特定の寸法の最大数) 欠陥(特定の寸法の最大数)
コア 制限なし ≤ 3 μm
なし > 3 μm
4 ≤ 5 μm
なし > 5 μm
クラッド 制限なし ≤ 5 μm
なし > 5 μm
制限なし > 5 μm
5 5 μm~10 μm
なし > 10 μm
接着 制限なし 制限なし
コンタクト 制限なし 制限なし <20 μm
5 ≤ 30
なし > 30 μm

 

表 1. IEC 61300-3-35 が推奨するマルチモード研磨済みコネクターの合否基準

IEC 61300-3-35 規格 2 版は、清浄度を目視で評価する際のガイドラインとして使用できますが、目視による手順では技術者が傷や欠陥の大きさと場所を判定する必要があり、非常に時間がかかるだけでなく、人的エラーや結果のばらつきが生じる可能性もあります。

幸いなことに、フルーク・ネットワークスの FI-7000 FiberInspector Pro などの認証ソリューションは、アルゴリズム・プロセスを使用して、IEC 規格の基準に基づいて単芯ファイバー端面を自動的に素早く検査し、評価、認証を行います。FI-7300 は、単芯と MPO 両方の端面を自動的にテストします。

こういったデバイスを使用することで、人間による検査から主観性をなくし、迅速、正確、再現性の高い結果を得て、最適な光ファイバー・ネットワーク性能を確保できます (図 2c)。また、これらのソリューションを用いることで、光ファイバー端面の画像や合否結果を記録できます。これらの結果は、光ファイバーの損失や OTDR トレースなど、その他の結果と共に保存できます。

MPO 検査カメラの問題

単芯ファイバー・コネクターと異なり、MPO コネクターは表面が広いため、その分汚れが付着しやすくなります。コネクターを外して再装着すると、粒子が移動して問題が発生する可能性があります。

もう 1 つ注意しなければならないことは、MPO の自動テストは時間がかかるということです。合否結果の生成には、最速のシステムでも 1 芯につき約 2 秒、32 芯 MPO であれば 1 分近くかかります。

このため、MPO コネクター全体を瞬時に表示する MPO 検査カメラを使うと時間を節約できます。FI2-7300 のライブ・ビュー機能は、コネクター端面全体を約 1 秒で表示します。全体が表示されたら、簡単なジェスチャー操作で個々のファイバーを確認できます。

ほとんどの場合、MPO が合格するか、またはクリーニングが必要であるかどうかをライブ・ビューで判断できます。合格と判断できる場合は記録を作成し、または必要に応じて清掃して、もう一度ライブ・ビューで確認します。これにより、不合格になる自動検査の結果を待たなくてすむだけでなく、ファイバー周辺の汚れだけではなく、コネクター上の汚れを見つけることができます。

図 4: FI2-7300 に表示された MPO コネクターのライブ・ビュー画面例。ファイバー上とファイバー周辺に付着した汚れを確認できます。簡単なジェスチャー操作で、個々のファイバーを拡大できます。

検査とクリーニングの対象の把握

検査とクリーニングの対象は「すべて」です。すべての端面を検査し、IEC61300-3-35 認証に不合格のすべての端面をクリーニングする必要があります (図 4 参照)。検査で IEC 認証に合格した端面は、クリーニングしないようにしてください。クリーニングを行うと、静電気によって埃が付着する可能性があります。

図 5: 左図の端面はきれいでしょうか、それとも汚れているでしょうか?自動認証は IEC 61300-3-35 に基づいてコアの欠陥を検出し、汚れを表示します。

 

新品の光ファイバーの端面であっても、工場で成端処理されたプラグやピグテールであっても、嵌合する前には必ずすべての端面を検査して清浄度を確認する必要があります。光ファイバー・テスト・コード、光ファイバーのジャンパー、事前に成端処理されたトランク・ケーブルの両端も同様です。

アダプターを使用して 2 つのプラグを嵌合する場合は、アダプターに挿入する前に、両端面とアダプターのスリーブを検査してクリーニングする必要があります。光パワー・メーターに使用する交換可能なアダプターも定期的に検査し、クリーニングする必要があります。多くのアダプターにはピン穴の付いた遮光部があり、そこにごみがたまることがあります。ベンダーのアダプターによっては工場に返却してクリーニングする必要があるため、テスト対象機器の書類を必ず確認してください。

テスター自体、あるいはその他の機器のテストやトラブルシューティングを行う場合は、嵌合する前にすべてのプラグとポートこれには、テスト機器のポート、アダプター、テスト・コード端面、テスト・コードを接続するすべてのポートが含まれます。

前述のように、ダスト・キャップや嵌合が汚れの原因になることがあります。このため、新品の場合であっても、ダスト・キャップやポートから光ファイバー端面を取り外す際は毎回、挿入前に検査とクリーニングが必要です。また、取り外したばかりでも、コネクターを挿入する際は必ずポートの検査とクリーニングを行う必要があります。

パフォーマンス向上のためのクリーニング

端面のクリーニングを適切に行うと (図 6 参照)、最大許容損失に対する余裕を 1.39 dB まで増やすことができます。別の言い方をすれば、指定された許容値の 4.5 dB に対して全体損失が 5.0 dB の光ファイバー配線設備の場合、汚れた端面をクリーニングすることで、リンク損失は 3.6 dB となり、試験に「合格」するだけでなく、リミット値に対する大きな余裕も生まれます。

図 6: 汚れのない光ファイバー端面。

 

したがって、一般に使用されている不適切な方法を避け、クリーニング・ツールや方式を賢く選ぶことが重要です。また、コネクター端面を嵌合する際、汚れは別のポートに簡単に移動します。このため、ポート接続部を汚れのない状態に保つ必要があります。Quick Clean™ クリーニング・ペンとドライ・クリーナーは、デバイスおよびパッチ・パネルのポートのクリーニングに最適なドライ・クリーナーです。端面に油が付着する可能性のあるパッチ・コードには適していません。フルーク・ネットワークスの Quick Cleanは、4 つのサイズで提供されています (図 7 参照)

  1. LC および MU コネクターと端面向けの 1.25 mm、
  2. SC、ST、FC および E2000 コネクターと端面向けの 2.5 mm、
  3. 12/24芯 MPO コネクター用 MPO 12/24
  4. 16/32芯 MPO コネクター用 MPO 16/32

図 7: フルーク・ネットワークスの Quick Clean™ ペン

 

乾式クリーニング後に検査を行い、汚れが除去されていないことが判明した場合は、ワイプと溶剤を使用した「湿式」クリーニングが必要になります。リントフリー素材でできた布と複合ワイプは吸収性に優れ、端面の汚れを取り除きます。一般に、クリーニングに表面が硬質なものを使用することは推奨されません。ワイプを使用する場合は、通常は 1、2 回軽く(1 cm 程度)拭うだけで十分です。ワイプが端面の形状に沿うように十分な圧力をかけて、端面全体を確実にクリーニングします。

ワイプには適切な溶剤を使用する必要があります。溶剤の化学作用によってワイプのクリーニング能力が向上し、粒子やごみを端面から浮かせて、乾式クリーニングに伴う静電気の問題を回避できます。分解された汚れの膜が残ることがあるため、溶剤の過剰な使用は避ける必要があります。余分な溶剤を取り除くために、クリーナーの乾いている部分を使用するか (図 8 参照)、または新しい乾いたクリーナーを使用して、湿式クリーニングの後に乾式クリーニングを行います。静電気が発生する可能性があるため、拭きすぎないように注意してください。

図 8: 「湿乾」クリーニング方法(フルーク・ネットワークスのクリーニング・カードを使用)。溶剤をクリーニング素材の「1」に垂らし、端面を「1」から「4」へと動かします

 

また、溶剤は、フルーク・ネットワークスの光ファイバー用ソルベント・ペンなど、光ファイバー端面のクリーニング専用に調合されたものを使用する必要があります。ファイバー端面のクリーニングにはイソプロピル・アルコール (IPA) が長い間使用されてきましたが、専用の溶剤は表面張力が低いため、端面のごみを包み込んで汚れをより効果的に除去・分解します (図 9 参照)。こういった専用溶剤は静電気を防止する特性があるため、空気中の埃がコネクターの端面に付着しにくくなります。さらに、IPA は乾くと「輪」が残って減衰の原因になるだけでなく、取り除くことが非常に困難です。クリーニングの後、端面に溶剤が残らないようにしてください。

図 9: 端面のクリーニングでは、残留物が残ることのある IPA(右)よりも専用溶剤(左)の方がはるかに効果的です。

 

ポートまたは機器の内部の光ファイバー端面を湿式でクリーニングする場合は、ワイプではなく、リントフリーの専用綿棒を使用します (下のクリーニング・キットを参照)。ポートのクリーニングに綿棒を使用する場合は、適度な圧力を加えて、綿棒を一方向に複数回回転させながら端面をクリーニングします。ポートのクリーニングに溶剤を使用する場合は、溶剤の過剰な使用を避け、プラグのインターフェースがぬれすぎることのないように注意する必要があります。すべての溶剤を確実に除去することは難しいため、ポートのクリーニングでは溶剤の蒸発率が重要になります。残った溶剤は嵌合時に閉じ込められ、やがて有害な残留物が発生することがあります。この理由からも、光ファイバーのクリーニング専用に調合された溶剤を使用する必要があります。専用の溶剤は効果的に汚れを落とし、IPA よりはるかに早く蒸発します。MPO コネクターの湿式クリーニングには専用の綿棒を使用することもできます。

こういったクリーニング用品は消耗品であるため、端面のクリーニングに一度使用したワイプや綿棒はすぐに破棄する必要があります。

一度使用したワイプや綿棒の再利用によって汚れはすぐに広がります。ジャンパーやテスト基準コードの端面のクリーニングは重要ですが、これらの備品も消耗品であるため、いずれは使用できなくなります。これらの備品が寿命に達した場合は、クリーニングだけでは十分な効果は期待できませんのでベンダーの指定する挿入回数使用に従うことです。

概要

ビジネスにとってネットワークのアップタイム、信号伝送のパフォーマンス、機器の信頼性が重要である場合、光ファイバー端面の検査やクリーニングを怠ると深刻な結果を招く可能性があります。また、適切なクリーニングを行った場合でも検査を省略することはできません。これまで述べた光ファイバー端面のクリーニングに関する最適手順に従うことは必須であるばかりでなく、嵌合接続する前には必ず、端面とポートの両方すべてを入念に検査し、IEC 61300-3-35 規格に基づいて認証する必要があります。

光ファイバーの検査と認証をプロセスに取り入れることで、人間による主観的な作業をなくし、規格に基づいて光ファイバー端面を検査、評価、認証できます。これにより、端面の汚れがネットワーク障害の原因になることがなくなります。

MPO コネクターと単芯ファイバー用 FI2-7300/FI-3000 FiberInspector Pro

FI-3000 FiberInspector Pro を使うと、MPO と単芯ファイバーを簡単かつ効率的に検査できます。マルチ・カメラのライブ・ビュー機能によってリアルタイム画像が瞬時に表示され、簡単なタッチスクリーン操作でコネクター全体から個々の光ファイバー端面までを確認できます。IEC 61300-3-35 に基づいて、数秒で自動テストの合否結果を表示します。結果をスマートフォンに保存してテキストや電子メールで共有したり、事実上の業界標準のケーブル・テスト管理ソフトウェアLinkWare™ PC を使って、メタル/光ファイバー配線の損失、OTDR 測定結果、端面の画像などを完璧なプロジェクト・レポートを保存できます。人間工学に基づいたコンパクト設計とオートフォーカス機能により、数百ものケーブルやポートのテストを簡単かつ迅速に実行できます。

光ファイバー端面の IEC 規格認証を自動的に行う FI-7000 FiberInspector Pro

フルーク・ネットワークスの FI-7000 FiberInspector Pro は、光ファイバー端面の IEC 61300-3-35 業界規格認証をわずか 2 秒で実行して自動合否結果を提供するため、人間による主観的な光ファイバーの検査、当て推量による判断がなくなります。

ポート内部やパッチ・コードの端面の検査に最適な FI-7000 FiberInspector Pro は、光ファイバー端面の欠陥を検出および測定して、IEC 61300-3-35 規格に基づいて結果を自動的に認証します。規格要件に合格した欠陥、または不合格の欠陥はグラフィカルな画面で明確に表示され、FI-7000 のピンチ・アンド・ズーム可能なタッチスクリーン上には各欠陥の背景が色分けされ強調表示されます(不合格の欠陥は赤、合格の欠陥は緑で表示されます)。

図 9: FI-7000 の認証結果を確認することで、光ファイバー端面の合否を迅速に判断できます。
左側は不合格の端面、右側は合格の端面を示しています。

 

FI-7000 はフルーク・ネットワークスの Versiv ケーブル認証プラットフォームを使用して構築されているため、端面の画像や認証を Versiv テスト結果に保存できます。また、ジョブ要件を管理するための ProjX™、セットアップを簡単に行える Taptive™ ユーザー・インターフェース、データ管理や専門的なテストレポートの生成を行える多機能 Linkware PC ケーブル・テスト管理ソフトウェアなどの Versiv 機能を活用できます。FI-7000 の光ファイバー端面合否認証は、最新の Versiv ファームウェアをダウンロードすることにより、お使いの Versiv 検査カメラでご利用いただけます。

FI-500 FiberInspector Mini

FI-500 を使用して、あらゆる種類の光ファイバー配線を検査できます。携帯型光ファイバー検査スコープは、微細な埃や端面の損傷を鮮明に表示します。特許取得済みのカメラに搭載された照明機能 PortBright™ によって、暗い場所でも簡単に接続できます。ハンドヘルド型カラー・ディスプレイ、オート・フォーカス検査スコープ、バルクヘッド用(LC と SC)とパッチ・コード用(1.25mm/2.50mm)の 4 つのチップが付属しています。

 

光ファイバー・クリーニング・キット

フルーク・ネットワークスのクリーニング・ツールを使用すると、光ファイバー・リンク障害の主要原因である汚れを除去できます。これらのキットは、データセンターおよびキャンパス環境内で使用されるあらゆる光ファイバー・コネクターに対応しています。Quick Clean クリーナーは 1.25 mm、2.5 mm および MPO 12/24 と 16/32 サイズで提供されているため、光ファイバー端面とポートを簡単に清掃できます。湿式クリーニング向けのソルベント・ペンは、特別に調合された光ファイバー清浄液を正確に分注できます。キットには、便利なクリーニング・キューブと、光ファイバー端面を簡単に拭くことができる使いやすいカードのほか、光ファイバー・ポートのクリーニング用に麺棒も含まれています。

CertiFiber™ Pro 光損失測定試験セット

CertiFiber® Pro は、光ファイバーの認証コストを 3 分の 2 削減し、3 秒間で 2 本の光ファイバー損失を 2 波長で測定します。

CertiFiber Pro を LinkWare™ Live と統合し、Wi-Fi に接続されたスマート・デバイスから試験およびテスターを管理できます。Taptive™ ユーザー・インターフェースはシンプルなアニメーション・ガイドを提供するため、正しい基準セットアップが容易になり、「マイナス損失」エラーがなくなります。将来を見据えた設計となっており、簡単なアップグレードで Cat 5~Cat 8 認証、OTDR テスト、および光ファイバー・コネクター両端の端面の合否判定機能にも対応できます。エンサークルド・フラックスに準拠しています。LinkWare PC レポート作成ソフトウェアを使用して、テスト結果の分析、専門的なテスト・レポートの作成を行えます。

OptiFiber® Pro OTDR

フルーク・ネットワークスの OptiFiber® Pro は、企業の光ファイバー・インフラの問題を解決するために設計された、まったく新しい業界初の企業向け OTDR です。

OptiFiber Pro OTDR のデッド・ゾーンは非常に短いため、仮想化されたデータ・センターにおける光ファイバー・パッチ・コードの識別が容易になります。SmartLoop™ 技術により、OTDR をリンクの遠端まで移動させることなく、TIA-568.3-D 規格要件に適合した、2 本の光ファイバーの双方向テスト、および測定値の平均化を数秒で行えます。

将来を見据えた設計となっており、アップグレードするだけで、Cat 5~Cat 8 認証、シングルモードおよびマルチモードの光ファイバー損失測定、および光ファイバー検査にも対応できます。LinkWare™ Live と統合して、あらゆるスマート・デバイスからジョブおよびテスターを管理できます。

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