規定の長さを超える配線

2018 年 12 月 11 日/一般

2~3週間ほど前に掲載したケーブル配線クロニクルのブログで、100 m チャネル長ルールの例外について、そして温度の上昇、径の大きさ、それに伴う挿入損失、直流抵抗を考慮して最大長を決定しなければならないことを説明しました。しかし、実は 100 m を超える配線も可能なのです。その例を見ていきましょう。

共通の懸念

テクニカル・サポートには、「パーマネント・リンクが 90 m、またはチャネルが 100 m の長さを超えているのに、なぜ不合格にならないのでしょうか」という質問が頻繁に寄せられます。

下図右側のスクリーンショットのパーマネント・リンク・テストの例では、各 4 つのペアについて異なる 4 つの長さ測定が表示されています。これは当然のことですが、つまり対の撚り率がペアごとに異なるからです。そして、各ペアの長さは、撚りを戻して伸ばせば長さは異なってしまいます。規格では、一番短いペアの合否テストを義務付けているため、90.8 m のペアがテストされます(その他のペアは灰色表示されています)。

このテストで提示された一番短い 90.8 m は、規格で指定されるパーマネント・リンクの最大長 90 m を超えています。なぜ不合格にならないのでしょうか。

10% ルール

In the ANSI/TIA-1152 standard, Requirements for Field Test Instruments and Measurements for Balanced Twisted-Pair Cabling, the permanent 

規格で指定されたパーマネント・リンク長に公称 NVP の誤差 10 % 加えることが許容されています。以前にも取り上げましたが、NVP は公称伝搬速度を表します。NVP は、信号がケーブルを伝送する速度と真空を伝わる光の速度の比で、単位はパーセントを使用します。テスターはこの値を使ってケーブル長を計算します。

真空を伝わる光の速度は、実現可能な最大速度であるため、NVP は必ず 100% 未満になります。ケーブル・メーカーが定める NVP の仕様値を使って設定され、ケーブルの設計に応じて 56~78% の範囲になります(NVP はケーブルの絶縁材料の種類によって異なります)。これはかなり広い範囲であり、NVP の設定時に誤差が生じることがよくあります。このため ANSI/TIA-1152 では、10% の NVP の誤差を認めています。NVP がテスターに与える影響の目安として、NVP が 60% の場合は 80 m のパーマネント・リンク長、NVP が 78% の場合は 98.7 m が測定結果として表示されます。

ANSI/TIA-1152 規格では、規格の長さに公称 NVP の誤差 10 % を加えることが許容されているため、最大長 90 に 10% を加えた長さを超えなければパーマネント・リンクは合格します。つまり、99 m 未満のパーマネント・リンク長、110 m 未満のチャネル長は合格します。

長さ以外の重要なパラメーター

非常に慎重に長さを考慮する敷設業者もいますが、実際には NVP 設定は、長さの測定のみに影響し、テスト時のその他のパラメーターには影響を与えません。機器で長さが問題になることはなく、長さに関連したパラメーターとしての挿入損失、伝播遅延のみが重要になります。このため、これらのパラメーターが合格すれば、パーマネント・リンク長が 90 m 以上であっても問題ではありません。実際、ISO/IEC 規格では長さのみによる合否の規定はありません。これは必ずしも 99 mまで配線を延長してもよいということではありませんが、リンクがアプリケーションに対応できるかどうかは最終的にパフォーマンス・パラメータによって決まるため、配線長が規格より長くでも実際は問題にはなりません。しかし、パーマネント・リンクを 99 m まで延長すると、長さに関連したパフォーマンス・パラメータが不合格になる可能性が高くなります。Your Fluke Networks’ DSX CableAnalyzer™ will let you know.

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