Troubleshooting Installed Cable with DSX-5000 CableAnalyzer

2018 年 8 月 2 日 / Jim Davis / General

苦情の電話(実際は電子メール)が来たとき、それはまるで月曜日の朝のような感じでした。「DSX が壊れたようです!」ご存知のように、DSX は非常に頑丈な機械です。なので、結果が間違っているように見えても、大抵の場合、間違っていないのです。

「壊れたと思う理由は何ですか?」また「どのような問題が起きていますか?」とお客様に尋ねました。

「これまで合格になっていたリンクが不合格になるんです。」

そこでお客様に詳細な試験結果を含む .flw ファイルを送ってもらいました。これは、トラブルシューティング・プロセスにおける重要な最初のステップです。これらファイルには、膨大な情報量が含まれており、問題のリンクについて詳細な情報を提供してくれます。

ファイルの中身を見てみると、リターン・ロスのパラメーターで問題が生じていることが明らかでした。

不合格結果のサマリー
Linkware PC のテスト・サマリー

非常に特徴的なリターン・ロス・グラフで、問題が何かすぐに分かりました。順を追って説明しましょう。

まず最初に確認すべき点は、本体に最新ファームウェアが搭載されているかです。最新であれば、

次に問題があったパラメーターを確認します。この案件では、リターン・ロスでした。リターン・ロスとは、反射される信号の測定結果です。反射は、ギガビット・イーサネットなどの全二重通信を本当におかしくさせます。遠端では、反射信号が送信された信号と混同されるため、CRC や FCS エラーなどの物理層のエラーを生じさせます。これにより、再送が行われ、ネットワークが遅く感じたり、パケット損失が原因で、音声・ビデオの品質が低下します。以下は、リターン・ロス・パフォーマンスのグラフです。縦軸に反射信号またはノイズの強度、横軸に周波数が示されています。

横軸の周波数

ここでの難点は、規格ではこれを時間領域ではなく、周波数領域で報告することを要求しています。低周波(ここでは 10~200 MHz)で問題が起きているのが分かりますが、これが起きている場所までの距離が分かりません。

DSX-5000 には、これまでのフルーク・ネットワークスの CableAnalyzer と同じように、HDTDR(High Definition Time Domain Reflectometer)を使用して時間領域でリターン・ロスを見る便利な機能が備わっています。以下が、HDTDR を使用して見たリターン・ロスのグラフです。ケーブルの始まりから非常に短い距離のところで問題が発生しているのが分かります。

HDTDR

テスターでは、このように表示されます。

HDTDR アナライザー

グラフを分析するには熟練した目が必要ですが、問題が発生している場所までの距離を知ることは、戦いに勝ったも同然です。どこに行けば良いか分かれば、原因が何か、何を直せば良いか分かる可能性が十分にあります。例えば、パッチパネルではなく、ジャックの再成端が必要、またはその逆が必要であることを分かれば、非常に役立ちます。

DSX は、トラブルシューティング・プロセスにもう一歩踏み込みます。 オンボードの「エキスパート」が問題を見て、ほとんどの場合、何が起きているのかはっきりとした答えを提供してくれます。この案件では、次のように教えてくれました。

障害情報

この情報を元に、お客様に電話をかけて、「このケーブルは、コンジット(導管)の中に入っていますか?」

お客様が無言だったので、的中したことを悟りました。

ケーブルを敷設した当初は、コンジットの中が乾いていたが、時間の経過とともに、水が入り込んでしまっていたのです。したがって、お客様の DSX-5000 は壊れているどころか、ちゃんと機能していたのでした!ちなみに、CM および CMR 等級のケーブルは、屋外での使用を対象としていません。

HDTDR は、リターン・ロス問題の発生場所までの距離を教えてくれ、HDTDX は、NEXT またはクロストークの発生場所までの距離を教えてくれます。DSX には、20 年にも及ぶトラブルシューティング経験が組み込まれ、障害情報機能が向上しています。

Jim Davis は、20 年以上もケーブル配線業界に携わっています。ここ 17 年間はフルーク・ネットワークスで勤めており、中南米の営業担当ディレクターからはじめ、最近では地域マーケティング・エンジニアの仕事をしています。Jim は、過去には国際ケーブル配線規格委員会の一員を務め、BICSI や Netcomm などの業界展示会、Panduit、古河電工、CommScope、Belden など多数のメーカー主催の会議で何度も講演をしております。彼の目標は、業界、市場、そして研究室の体験を一般ユーザーにも理解できるように提供することです。