賢い人が産業用イーサネットで犯す 10 の愚かなミス

2019 年 5 月 22 日/一般

プロセス・エンジニア、プラント・エンジニア、技術者、電気技師など、今日のさまざまな職業で、産業用イーサネット (IE) を含む幅広い分野の専門知識が必要とされています。すべての人が、この常に変化するネットワーク技術に精通しているわけではないため、いずれは問題が発生します。ここでは、産業用イーサネットで直面する可能性のある大きな問題を 10 通り取り上げます。工場の稼働停止につながる前に、問題を発見して解決(できれば、問題を回避)してください。

1.      オフィス向け仕様のコネクター、ケーブル、ネットワーク機器を使用している。 一般使用者向けのオフィス・グレードの機器の多くは、産業用イーサネットでも機能しますが、いずれは問題が発生します。非産業用機器は、工場環境の振動、湿気、電気的干渉、薬品などに対応していません。賢い人はこのことを認識していますが、稼働を再開させるためにこの一時しのぎ的に処置し、最適な機器を使用していません。一時しのぎ的な処置はそのままにされることが多いため、産業用イーサネットでは非産業用機器を使用しないことが推奨されます。

2.     不適切なケーブル配線。最も過酷な MICE(機械、侵入、天候、電磁気)環境のすべてに対応するケーブルを使っている場合でも、配線は慎重に行わなければなりません。ほとんどの場合、ケーブル性能にはある限界があります。こういった性能限界を考慮して、配線する必要があります。電磁干渉源がすぐ近くにあるかどうか、温度が極端に上昇したり、強力な薬品または水にされされる可能性があるどうか、などを確認する必要があります。最悪の場合、これを怠たると、ケーブルは状況が変化して故障が発生するまで正常に機能するため、問題解決が非常に厄介になります。

3.     ケーブル配線にラベル付けをしていない。工場には、配管と電線管のラベル付けに関する要件と規格があります。ケーブル配線も同様です(TIA 606-B を参照)。ケーブル配線のラベル付けは、安全性のためでなく、時間と面倒な作業を軽減するために行われます。ケーブル配線を正確に把握することで、トラブルシューティングとアップグレードの時間を大幅に短縮できます。

4.     新しく敷設する前に、ケーブルをテストしていない。ケーブルを検証することで、新しいシステムを素早く導入/稼働させることができます。ケーブルの確認は数秒でできますが、不適切に成端処理されたコネクターや長過ぎるケーブルなどの問題をトラブルシューティングするのには数時間を要し、責任転嫁やプロジェクトの遅れにつながります。  

5.     すべてのケーブル配線パラメーターをテストしていない。上記 4 で説明したように、基本的なケーブル・テストを行うことで、ケーブルが適切に配線されていることを確認できますが、その性能を確かめることはできません。高度なテスターは、クロストーク(ケーブルのスループットに影響します)、抵抗とリターン・ロス(振動や湿気の影響を受けやすいコネクターを示します)、横方向変換損(電磁干渉の影響を受けやすいことを示します)など、多くのパラメーターを測定します。これらのパラメーターの性能基準を満たしていれば、ケーブル配線は、システム立ち上げ時だけでなく、将来も確実に機能します。

6.     「デジタル延長コード」を使用している。ケーブルが正常に機能していない場合、一時しのぎ的な処置として、リンクに設置された設定変更と管理ができないアンマネージド・スイッチに接続して、そこから端末機器にケーブルを配線することがよくあります。この方法で問題が解決されることもありますが、ここが新たな障害点となり、オフィス・グレードまたは消費者向けの機器を使っている場合は特に問題になります。さらには、このように接続した機器を管理することはできません。実際、ネットワーク管理者や問題をトラブルシューティングする技術者は、機器を認識できません。

7.     リンク LED を信用している。ケーブルを機器に接続し、リンク LED が点灯した場合でも、通信リンクが正常に機能しているとは限りません。まったく機能していないことさえあります。通常、リンク LED は、通信が安定していても、ほとんど機能していなくても点灯するため、これによってエラーを確認することは不可能です。経験を積んだネットワーク技術者は、リンクがまったく機能していない場合や、さらには接続されていない場合でもライトが点灯することがあることを知っています。このリンク LED を当てにしないでください。

8.     「すべてを交換」することで、トラブルシューティングしている。産業用イーサネット・ネットワークが機能しなくなると、取り外して接続し直したり、別のスイッチ・ポートを試したり、新しいケーブルを配線したり、コントローラーを交換したり、さまざまな解決策が試されます。残念ながら、この手当たり次第の方法には問題がいくつかあります。まず、故障していない物を直そうとして、多くの時間が無駄になる可能性があります。次に、故障していな機器を交換するため、不要なコストが発生します。最後に、一番厄介なのは、問題の原因が分からなければ、通信が再び機能し始めても実際に問題を解決できたかどうかを確かめることができないということです。明日また同じ問題が発生して、1 日中トラブルシューティングに時間を費やすことになりかねません。

9.     産業用イーサネット障害の一番の原因に対応する準備ができていない。調査によると、産業用イーサネット障害の一般的な原因はケーブル配線とコネクターにあることが分かっています。幸いなことに、わずかな投資で、この問題を特定し解決することができます。基本的なケーブル・テスターを現場で使用することで、ケーブル配線に障害があるかどうかを確認できるだけでなく(ケーブル配線に問題がない場合は、真の問題に取り組めます)、問題の場所(通常はコネクター)も特定できます。現場に成端ツールと交換用コネクターがあれば(予備のケーブルがあればさらに便利です)、不要な購入や専門サービスを回避して、数時間または数日早く作業を完了できます。

10.  光ファイバーの検査と清掃をしていない。産業用イーサネットでは光ファイバーも使用されますが、その光ファイバー障害の最も一般的な原因はコネクター端面の汚れです。これは汚染物や埃の多い工場環境では特に深刻な問題です。光ファイバー接続は大量かつ重要なデータを伝送するため、障害によってもたらされる被害は計りしれません。光ファイバーを接続または再接続する際に検査を行い、必要であれば清掃して再検査をすることで、問題を回避できます。

産業用イーサネットに関するリソースについては、こちらを参照してください。